先々週末の11月9日から11日までの3日間、サンフランシスコ市内で開催されたGreen Festivals(グリーンフェスティバル)に参加してきた。持続可能な文化および社会的公正を育むことを目的とするこのイベントは2002年に始まり、ワシントンDC、サンフランシスコ、シアトル、シカゴの全米4箇所を巡回する祭典である。
NPO団体のGlobal ExchangeとCo-op Americaの後援の下での6年目の開催となった本年は、サンフランシスコ地域のみならず全米の社会的責任のある企業、環境保護団体、コミュニティーの代表などが大結集した。どんな雰囲気なのかは、以下のプロモーションビデオを観てほしい。
その他のビデオはコチラで観ることができる。
来場者の数は毎年増加しており、会場は年々拡大されているそうだ。今回のサンフランシスコのグリーンフェスティバルには、開催に先立ち、Co-op Americaの厳しい審査過程をパスした社会的および環境的責任のある400を超える環境ビジネスの代表に加え、150人の講演者が参加した。
そして、以下がグリーンフェスティバルに参加していたパートナー一覧。すごい数である。
パンフレットに記載されていたパートナー一覧
来場者はこの祭典で未来社会の社会的基盤となるだろう、再生可能エネルギーの最新動向をチェックしたり、社会的責任のある投資(社会的責任投資)について学んだり、スウェットショップフリー(貧困国において、労働者から搾取していない)のエコファッションをショッピングして楽しんだりすることができる。ミュージシャンなどによる生演奏を楽しみながら片手にオーガニックワインを飲むというのもアリなのである。老若男女の誰もがそれぞれの形で楽しめるだけでなく、持続可能なビジネスの明るい兆しを見ることができるこの祭典が多くの人々を惹きつけるのもうなずける。
150人の講演者の中には地球温暖化問題という大きな問題に対抗する具体的なビッグ・ソリューションを提示する人もいれば、経済的な豊かさ=幸福度は必ずしも成立しないという主張を行った経済学者の人も。若いティーンエイジャーが大手化粧品メーカーの化粧品の害を切々と訴えるシーンもあった。
また、スゴイと思ったのは3日間の間、本当に多くの方が老若男女関係なくボランティア業務に携わっていたこと。アメリカ人の行動力・機動力からは学ぶことが多い。
この祭典がたくさんの人を集めている理由は、取っつきやすさと深みを両立させているところにあるように感じた。
一人でも家族でも、オーガニックフードなどを試飲試食できるアトラクションやさまざまなブースなどを見て回ることで、エコで楽しい、新世界をかいま見ることができる。それだけではなく、環境や社会問題をめざし、成功を収めているNPOやNGOのリーダー、コミュニティーに根ざしたビジネスを行うソーシャルアントレプレナーなどによるプレゼンテーションや講演が多数行われることで、より深い学びの機会も提供しているのだ。それが、この祭典の成功の秘密だろう。
人々の架け橋となると同時にグリーン市場の拡大、そしてより多くの人が環境に配慮した健康的な生活を送れるよう後押しするグリーンフェスティバルは、エコスゴイ未来へのソリューションがいっぱい詰まった希望あふれる祭典だった。
次はワシントン州シアトルで2008年4月12、13日に開催後、イリノイ州シカゴで2008年5月17、18日に開催予定。訪問予定のある方は立ち寄ってみる価値のあるお勧めの祭典である。