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ワタクシ的循環。

ベトナムからエコへ、アートからエコへ

このgreenz.jpに新米デスクとして加わって様々な方に出会う中で、エコについて思いをめぐらす日々が続いています。

エコに対する思いの発端はさかのぼること10数年前。大学のフィールドワークでベトナムを訪れ、その事後研修として、「母は枯葉剤を浴びた」(新潮社)という著書で知られているフォトジャーナリスト、中村悟郎さんのお話を聞いたことから始まりました。

ベトナムとエコの共通点は、「ダイオキシン」。ダイオキシンは主にポリ塩化ビニールを焼却した際に発生します。そして、ベトナム戦争時にアメリカが北ベトナムに散布した「枯葉剤」に多く含まれることで知られています。

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ダイオキシン被害の主な特徴は催奇性を持つという点。被害を受けた女性から生まれた子どもたちが、さらにその被害に苦しんでいました。日本ではベトちゃん、ドクちゃんが知られていますよね。ベトナムを訪れた際、彼らが入院していたホーチミンのツー・ズー・病院を訪れ、ダイオキシンの被害を受けて生まれてきた多くの子どもたちに出会いました。

その後、前述の中村悟郎さんに、ベトナムで起きた被害は決して人ごとではない、というお話を聞くことに。その当時、ベトナム戦争時に散布された枯葉剤の分量に匹敵する面積あたりのダイオキシン量が、日本のある地域のごみ焼却場近辺で計測されていたという事実。当然、その地域に住むお母さんの体に影響が残り、決して公にはされなくとも様々な悲しい弊害が出ていたということも。

当時わたしが住んでいた山梨でもゴミの分別は行われておらず、東京の郊外でゴミ処理場問題がその被害によりクローズアップされ始めた時期。ごみの分別を訴える人が、まだまだ異質に見えた頃でした。

いてもたってもいられず、こそこそとごみ出しの袋に「分別を始めてください」とマジックで書いて小さなアクションをしたこともありましたが、その山梨でもすっかり分別が進んだ今、それもちょっと恥ずかしい、いい思い出となりました。

おもくなりがちな枯葉剤やダイオキシンにまつわるお話ですが、最近「エージェントオレンジ」(枯葉剤)と題された絵を目にしました。描いたのはアーティストの奈良美智さん。この夏、青森・弘前で開かれたA to Z展でのことです。奈良さんと言えばキュートでポップなタッチでこどもを描くことで知られていますが、その大きな特徴は、描かれる少女の「眼」にあります。

「枯葉剤」と題された少女の髪はオレンジ、服は緑。小さく灯る炎を宿したような眼は、笑っているようにも見えました。

その絵に図らずもエコに対する初期衝動への目を改めて覚まされ、いつの間にか?ここにいます。軽い気持ちで近づくとやけどするのは、アートもエコも同じ。

めまぐるしくまわる日常業務に「こ、これも循環ね?」と息を切らせながら、様々な刺激を受けつつも、怒涛の月末が、やってきました。