寝苦しい夜が続いた今年の夏は、今までの夏とはちょっと違った。布団の上にはゴザを敷き、Tシャツ&短パンのかわりに「甚平」を着てみた。これは私にとっては初体験。これが想像以上に「きんもちいい〜」ものだった。
甚平の織りは通気がよいうえに、ゴワゴワしているのでべとつかないし、両脇のスリットはベンチレーションを促進している。おお〜、ひょっとすると、これはパタゴニアのすぐれもののシャツについている機能と同じようなものじゃない?さすが日本の伝統文化の中には、すぐれた物が多い。
- さわやかな色彩も涼を誘う日本の伝統着
- これが夏を涼しくすごす工夫だ
しかし、私にはまだどうしようもない食わず嫌いがあったのだ。それは『ステテコ』だ。そう、親爺がよく着て、団扇でパタパタしながらビールをグビッという光景がぴったりなあれ。とてもダサダサな感じで、昔うちの親爺が「気持ちいいから履け」と言っても、「死んでも履かん!」と啖呵を切っていたのを思い出す。
- パタゴニア製、アルマーニ製…そんな日がやってくるか?
でも、でもでも、甚平があんなに気持ちいいのなら、ひょっとするとステテコは衝撃的に気持ちいいんじゃなかろうか? という誘惑にかられつつある。どうしよう〜。これまたひょっとすると、最新のパタゴニア製のパンツと同じような機能性だったりして。いっその事、パタゴニア製のステテコとか、さらに言えばアルマーニのステテコやグッチのステテコとかがでてきたら、みんなが競ってステテコを履ける社会が来るのだ。そうだ、渋谷あたりの若者も、Gパンの上からブリーフを見せるのではなく、ステテコを見せるようになる日がきっとくる。そして、もう既にステテコを履いている政治家は大手を振ってクールビズをやっていますという事ができる。当然、ステテコファッションショーもこぞって開催される。
あ〜、もう爺の領域に足を踏み入れた私としては、今年はステテコの誘惑になんとか耐える事ができたが、来年の夏はどうなる事か。やはりもっと若い人がステテコをはいてくれなければ恥ずかしい。ローマ字で書けば「SUTET-ECO」。カッコイイじゃないか〜。しかも「ECO」が入っている。エコに焦点が当たるこの日を予見していたような名前だ。恐るべしステテコ。