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パーマカルチャーを始めよう!

BeGood Cafe Vol.92では、持続可能な循環型社会を目指す生き方についてみんなで考えました。
「パーマカルチャー」とは、「パーマネント」(永久的)、「アグリカルチャー」(農業)、そして「カルチャー」(文化)の合成語。持続可能な循環型社会を目指した、環境負荷の少ない生き方のことである。8月27日(日)に開催されたBeGood Cafe Vol.92では、パーマカルチャーを早くから実践し生産農家を営んでいる酒匂徹さんと、千葉でパーマカルチャーライフを始める高樹沙耶さんにお話をうかがった。

SMILE ワークショップ
ゲスト:木盛龍彦さん

ヒーリング歴24年のヒーラーの木盛さんを招いてワークショップが行われた。

「われわれは無条件の愛でこの体に生かされています。見える、聞ける、手も足も動く。自分の体から恩恵を受け取って生きている。もしあなたが誰かに対して無条件の愛をあげていると考えてみてください。朝から晩まで眠っている間さえも、愛をあげる。ところがその人はまったく自分のことを見てくれないし、当然感謝もない。それでもあなたは一生懸命やる。でも、それをあなたはどれくらい続けられるでしょうか? 僕たちは体と交流していない。無条件の愛を与えてくれている存在について感じない、見ない、無視できるというのは“病気”なんです」

ヒーリングの時間では、「自分の体を感じて、愛を愛として受け取り、感謝できる人間の健康をプレゼントしたい」と木盛さん。胸に手を置いて心臓の音を感じる。そして、次は目、耳、小腸……。次第に、体の内側から穏やかになっていくのがわかる。さっきまでざわついていた会場が、いつの間にか、静まりかえっていた。

ワールドレポート
ゲスト:森田玄さん

「新聞記者というのは事件の背景を勉強して、記事を書いていると思われているが、実際はそうではない」と森田さんは指摘する。「右から来たニュースを左に流しているだけ。今は本当のことを伝えるジャーナリストがいない。たとえば、マスコミはヒズボラを“武装組織”と呼ぶが、本当にテロリストなのだろうか? 実際は、レバノン最大の政治団体で、与党。日本で言うと自民党のようなものだが、“武装組織”という名前をつけることで悪者にされてしまう」

ニュースがコントロールされていることに危機感をおぼえていると言う森田さん。「われわれはインターネットを強力な武器にして、情報を選択することができる。日ごろから目、耳を肥やして、本当の情報を見極めてほしい」

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木盛龍彦さん
森田玄さん

ビーグッドTALK-1
ゲスト:酒匂徹さん

岩手県で生産農家をしながら、パーマカルチャーも行っている酒匂さん。14年前にニュージーランドでパーマカルチャーを1年学び、その後、生まれ故郷の岩手で何かできないかと、自給自足を始めたのがきっかけなのだとか。まずはパーマカルチャーを実践する上で何が必要なのかを聞いてみた。

「どれだけ強く自分の環境の中に循環させたいかと思うことだけです。うちはニワトリ小屋にミミズコンポストを作っていますが、鶏糞が落ちているところにミミズがわいているのを、自分の目で見て思いついたからです。金網の上に登ったニワトリの鶏糞が、下に置いたミミズコンポストに落ちる仕組みになっています。ニワトリは家畜の中でも一番消化が悪いので、糞にも栄養があります。それをミミズが食べて、そのミミズの糞をニワトリがまた喜んで食べています」

パーマカルチャーの中でもっとも大事なのは 「木をどのように使って、土に生かしていくか」と言う酒匂さん。「“パーマカルチャー”は“競争”ではなく、“協力”を作り出すという考えが基本にあります。だから、木は微生物に餌を与えて、微生物は窒素をアミノ酸に変換して木に返すのです」

私たちが持続的に生きていくためには? という問いに、酒匂さんはこう言う。「自然界ではどれだけ荒れた土地でも必ず森に戻ろうというエネルギーがある。非常に前向きなエネルギーです。持続的に生きていくには、このエネルギーをどれだけ感謝できるかということにかかっていると思います」

酒匂徹さん
熱心に話を聞く来場者たち

Green Rock
ゲスト:ヤススキイさん

自作オリジナル楽器ムビラスキイ(エレクトリック・カリンバ)の音を無数に重ねていきながら、それを彼独自のシステムで6つのスピーカーに振り分けて行く独特な演奏。幻想的な時間が過ぎていきました。

オリジナリティ溢れるヤススキイさんの演奏

ビーグッドTALK-2
ゲスト:高樹沙耶さん

女優として活躍されている高樹沙耶さんは、パーマカルチャーライフを始めようとしている。現在、千葉の館山に建設中のエコハウスについてお話を伺った。

高樹沙耶さん

「エコハウスは環境に合うものを建てないといけない。それで昔ながらの日本の家に詳しい工務店さんを探して、2回ぐらい図面も描いていただいたんですが、なんか違うんですよ。その状態で2年も経ってしまって、土地は購入したものの、もう無理かなあ、と」

その2年でエコ的なことを勉強したという高樹さん。「コンクリートが製造過程で二酸化炭素を出していることを知り、『コンクリート、ダメじゃん。使えないじゃん』って。家について追求していくと一生かかるかもしれないと思ったり」。しかし、幸運にも、高樹さんは仕事を通じて理想的な工務店さんと知り会えた。

「安心安全な家づくりに取り組む、『あたり前の家』ネットワークの方たちと出会ったんです。そのネットワークにはもともと大手メーカーで新建材などを売ってた人たちが集まっているんですよ。ゴミになるものや、アトピーとか科学物質だとか病気になる原因を自分たちが作ってしまったから、これじゃまともに死ねないって。私は、そのご縁で、鹿児島にある工務店さんを紹介していただいて、やっと、家が建つことになりました。その工務店の方は、『僕は南向きに家を30度ずらして家を建てるんですよ』とおっしゃる。『お昼よりもちょっと陽が傾いたときに、部屋に陽がたくさん当たるようにした方が、夜、暖かいんですよ』と。この話を聞いたときに、この人なら間違いないなと思いました」

エコハウスの“エコ”はどういった点だろうか?

「コンポストを使う、井戸の水を利用する、暖房システムは太陽熱で部屋の空気を暖める『そよ風』を使う予定です。人間が考えたテクノロジーがすべて間違っていた、なんてイヤじゃないですか。新しいすばらしいものはどんどん取り入れようと思ってるんです」

最後に酒匂さんと高樹さんからコメントをいただいた。

高樹さん:「オレンジプロジェクト」という小田原のオレンジ果樹園を再生させる活動があります。ひとりでやったらイヤになっちゃうと思うんですが、みんなでやるから楽しくできる。だから、みんなでそういう問題を意識して、一緒に動いていくのが大切じゃないかなあと思います。これから私は自分のうちづくり、庭づくりをみなさんと共有して、学んでいきたいと思っていますので、私を踏み台にして!(笑)

酒匂さん:農家をやってみたいけど、どこから始めたらいいのかという質問をよく受けます。私も最初は会社に勤めながら始めて、手ごたえをつかんでから本格的に始めました。自給から始めれば、いきなりプロにならなくてもいいと思う。ますは、自給から始めてみてはどうでしょうか。東京の鶴川で都市でもできるパーマカルチャーをみなさんと一緒に学びながら提案させていただこうというのがあります。みんなでつながり出せば、その先が見えてくると思います。

写真提供:松原広美