七夕の夜、みなさんと一緒に「環境先進国への道」を考えてみた。
■ビーグッドTALK-1
ゲスト:塚原沙智子さん(環境省)、宮下真穂さん(みずほ情報総研)、薗田綾子さん(株式会社クレアン代表取締役)
テーマ:『2025年、2050年のストップ温暖化シナリオ』
「環境省では”バックキャスティング”を行っています」と塚原さん。「”バックキャスティング”とは、将来から現在を振り返り、『どの程度の気温上昇、どの程度の二酸化炭素の量なら大丈夫なのか?』を考察する方法です。”2050年脱温暖化プロジェクト”とし、都市、交通、ITの専門家など、12の大学、4つの研究機関、50名程度の研究者を巻き込んで始まっています」。
私たちの知らないところで、このようなスケールの大きいプロジェクトが行われているとは、驚きでもあり、嬉しくもある。がしかし現実は、「研究面だけでは難しく、政府側の制度、産業界技術、身近な行動など、たゆまぬ努力が必要」とのことだった。
■ビーグッドTALK-2
ゲスト:國田かおるさん(NPOローハスクラブ主席研究員)、長谷部健さん(NPO法人グリーンバード代表)
テーマ:『ロハス都市構想』
渋谷生まれ渋谷育ちの長谷部さん。「昔から出身地の話になると、『いいなぁ』ってよく言われました。これって、実は、渋谷がそれだけ注目されているってことだと思うんですよ。”渋谷”が変われば、”東京”も変わるかもしれないし、”日本”も変わるかもしれないし、”世界”も変わるかもしれない。渋谷からアクションを起こせば、個人のライフスタイルを変えることができるんじゃないかと考えているんです」。
「現在、まだ練っている状態なんですが、行政と企業に、できることを10件ずつ提案しています。たとえば、屋上緑化やソーラーパネルを利用すれば国から補助金を出してもらったり、バスを天ぷら油で走らせたり……」。
渋谷をロハスに――。なんだか、どでかいムーブメントが巻き起こりそうな予感だ。
■浴衣ショウ
モデルを一般公募して行われた浴衣ショウ。竹久夢二の絵画に出てくる模様を再現した浴衣は、美しく、涼しげ。
■GREEN ROCK
“SUGIZO Spiritual Acoustic”
宇宙的で光に満ちた広がりをもつSUGIZOさんのスピリチュアル・サウンド。今回は盟友Charlieとのデュオ形式で登場。ギターとバイオリンが奏でる幻想的なメロディーが会場内をふんわりと包み込む。聞き終えた後、なんとも言い難い余韻の残る、カッコ気持ちいい旋律。
■ビーグッドTALK-3
ゲスト:ぺオ・エクベリさん(環境コンサルタント)、土居健太郎さん(環境省)、井出迫義和さん(気象予報士)
テーマ:『環境先進国の目指し方』
環境先進国スウェーデン出身のぺオさんに、スウェーデンの最新エコ事情について話を聞いた。「スウェーデンではバイオガス(生ゴミからでるガス)で走っている車もあります。バイオガスはガソリンスタンドで売っていて、しかも、ガソリンより安い。そのうえ、駐車場代がタダなんです。現在、新車の15%はバイオガスを使っていますね」。
さすがは、環境先進国。環境のことを配慮し、エコな車を乗っている人がちゃんと社会制度の中で優遇されている。
会場内でどよめきが起きたのは、スウェーデンのゴミ事情のお話。なんと、スウェーデンでは1人が1ヶ月に出すゴミの量は、サッカーボール1個分、およそ4キロなのだそうだ。日本では、1週間のゴミの量でさえサッカーボール以上という人が大半だろう。それもそのはず、 日本人1人が1ヶ月に出すゴミの量は、なんと27キロ。スウェーデンの約7倍もあるのだ!
しかし、「日本には、スウェーデン以上に可能性がありますよ」とぺオさん。「日本人の環境に対する意識は強い。スーパーでビニール袋を断ったり、お弁当を買っても割り箸を断ったりしているでしょう。あれはすごいですよね。日本には、ただビジョンがないだけ。ちゃんと引っばってくれる力がないと、どんなに意識が高くても前には進みません」。
そういえば、最近、”MYお箸”や”MY水筒”を持っている人たちが増えているという新聞記事を読んだ。草の根の活動とはいえ、エコに対する日本人の意識は、徐々に高まってきているのは事実なのだろう。ちなみに、私も、MY水筒派。環境省の土井さんがTALKの中で、「綿密に計画を立てて、できないとすぐに諦めるのではなく、想像力を働かせて、まず何かを始めることが大事」とおっしゃっていた。
持続可能な社会を目指して、できることから始めませんか?