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共有スペースから、アプリまで。これがシェアの最前線!? アメリカ発、ビル1棟分をまるごとシェアハウスにリノベーションした「WeLive」って?

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今日、あなたは「ご近所さん」にあいさつしましたか? 暮らし方が多様になっている現在では、そもそも顔を合わせる機会も少ないかもしれませんね。だからこそ、気軽におしゃべりできる「ご近所さん」がいたら良いと思いませんか?

今回ご紹介するのは、アメリカを中心に急成長を続けるコワーキングスペースの運営企業、「WeWork」が提供する”CoLiving”スペース、「WeLive」です。

2016年1月のプレオープンを経て、4月から、NYの金融街のど真ん中、ウォールストリートとワシントンDC郊外のクリスタルシティの2か所で運営が始まった「WeLive」は、かなり大規模なシェアハウス。

なんと、どちらもビル1棟まるごと全部借り上げて、コワーキングフロアを4階分と、居住フロアを20階分、約600名が暮らせる広さなのです!
 
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部屋の種類は1〜2名で利用するワンルームと、2〜4台のベッドがあり、最大8名で入居できるシェアルーム。気になる料金は広さやプライベートかシェアかによって、1ヶ月$1375~$2000ほどです。この地域で同程度の部屋を賃りるとひと月約$2850~$3500だというから、料金設定はかなりリーズナブルですよね。
 
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全ての部屋にキッチンがあり、備え付けの家具や生活家電も含まれています。家具はつくりつけのもの。年齢や性別を限定しない、シンプルさとあたたかみを両立させるようなデザインにしたのだそう。
 
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その他、共有スペースのシアタールーム、ジャグジーなども使用することができます。また、オプションとして月々$125でアメニティや高速インターネット、ケーブルTVをまとめて追加することも可能だとか。

ところでこの“Co-Living”そのものは、目新しいものではありません。元々、アメリカでは特に若者が数人の知り合いを集めて、家具や家電が揃った一軒家やマンションの一室をシェアするのは一般的。その目的は、単に住居費の節約がほとんどで、住人同士の交流は「あえて」するものではありませんでした。

一方、「WeLive」の大きな特徴は、600名という大きなコミュニティであっても、住人同士の交流を「積極的に、最大限に、でもできるだけ自然に」うながすに工夫を凝らしてあること。

まず、内装のデザインそのものが、住人同士の交流を生み出すように細かく計算されているのです。

ランドリースペースにはなんとビリヤード台が備え付けられ、メールルームにはバーカウンターが。帰宅して部屋に向かうまでの動線に、自然と小さな交流が生まれるよう、綿密に計算されているわけです。
 
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洗濯が終わるまで一緒にゲームを楽しめば、すっかり仲良くなれるかも!?

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各階のエレベーター前には必ず、住人同士がおしゃべりできるようなスペースが!

また、同じ建物に住む600人全員が「お隣さん」とはいえ、ここまで大規模なコミュニティだと全員と関わるのはかなり大変ですよね。

そこで、活発かつスムーズなコミュニケーションをうながすため、「WeLive neighborhoods」というアプリが準備されています。このアプリを使うことで、全ての「WeLive」内で企画されているイベントの情報を受け取り、コミュニティに参加することもできます。「WeLive」の会員数は、2016年8月現在、世界各地で5万5千人にもなるのだそう。
 
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ポットラックパーティやヨガのクラスなどが企画されています。

この「WeLive」を運営するのは冒頭でご紹介した通り、2011年に創業し、わずか5年で50億ドルまで企業価値を成長させた「WeWork」。

起業家向けのコワーキングスペースの運営を主軸に、2014年には新規起業家をターゲットにしたビジネス特化型のSNS「WeWork Commons」を開始するなど、シェアリングエコノミーの分野で事業を拡大しています。

「WeWork」の共同設立者、Miguel Mckelvey(以下、ミゲルさん)は「WeWork」をスタートさせた想いを次のように語ります。

私たちは、「WeWork」を立ち上げた当初から、ジムやレストランなども含んだかなり大規模な「We」サービスの構想をもっていました。「WeLive」も初期からのアイデアです。

どんな環境が心地良く、モチベーションを上げてくれるかは人それぞれですよね。

iPadでひとり映画を見たい人もいれば、50人とシアタールームで見たい人もいる。「WeLive」は、どんなライフスタイルの人にも、自由に選べる選択肢を提供し、いつでもチャンスを得られる空間にしたいのです。

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「WeWork」の共同出資者、ミゲルさん。今後はアジアにも事業を拡大していくそう。

「WeLive」は2019年までに69か所、なんと3万4千人のメンバーに住まいを提供することを計画中。暮らすという、より身近なことを”CoLiving”としてシェアすることで、力を抜いたコミュニティづくりが「WeLive」に自然にうまれる。それがコワーキングスペースなど、ビジネスの場で化学変化を起こす。そんな好循環がおこる環境が、「WeLive」にはあるようです。

いきなり住まいまでシェアするのはハードルが高いかもしれませんが、イベントに参加したりちょっとコワーキングスペースをのぞいてみたり。みなさんもこの機会に、できることからシェアを始めてみてはいかがでしょうか?

[Via Co.Design, Fast Comapny, WIRED, WeLive]
(Text: 吉原海)