ISSUE まちづくり

3 years ago - 2013.09.24

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街に足りないのは“ピアッツァ”だった!ご近所さんが集まる、DIYの広場「シェア・イット・スクエア」

Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo bydonkeycart. Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by donkeycart.

「もし朝、目を覚ましたとき、ピアッツァから声が聞こえなかったら、それは何かがおかしいという兆しだ」。

これは、あるイタリアの歌の歌詞です。

花売りやミュージシャンの声が響き、ドリンクを片手にのんびりと、あるいは階段やベンチに座っておしゃべりに耽ける。イタリアの各地に、こうした“piazza(ピアッツァ=広場)”がたくさんあります。住民も旅人も、自然とここに集まってきます。

旅先でこうした生き生きとしたピアッツァの様子を見た米国オレゴン州ポートランドの建築家、Mark Lakeman(マーク・レイクマン)さんはひらめきました。「僕らの街に足りないのは、ピアッツァだった!」と。そして帰国後、仲間とともに近所の交差点を改造してしまったというマークさん。一体、どんな変化が……?

「シェア・イット・スクエア」と呼ばれるDIY広場

マークさんたちはまず、ポートランドらしいピアッツァにしたいという想いを込めて、写真のように交差点の地面にカラフルな色を塗りました。すると、普段からこの交差点を使っていたドライバーや歩行者は、ここが何か特別なスペースだということに気がついたそうです。

次にお茶を売るワゴン車を出したところ、ご近所さんが集まり出して、さまざな交流を行うようになっていきました。次第にその広場は、いつの間にか「Share-It Square(シェア・イット・スクウェア)」と呼ばれるようになりました。

Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by saradent.ca Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by saradent.ca

マークさんは、この実験的な取り組みは、誰か怒り出す人が出てつぶれてしまうのではないかと心配していたそうです。しかし結果として、ご近所さんみんなが、こうして気軽に集まれる公共スペースを求めていたことに気がついたのです。

すべての街にピアッツァが必要

さらには「わたしの街にもつくってほしい」と要望が多数寄せられたため、マークさんはボランティアメンバーからなる団体「City Repair」を結成。「Every Neighborhood Needs a Piazza(すべての街にはピアッツァが必要)」のスローガンのもと、交差点、歩道や校庭といったた公共スペースを、ご近所さんが集まる生き生きとした広場に変える活動をしています。

公共スペースの修復を行うNPO「City Repair」
公共スペースに修復を行うNPO「City Repair」

1996年につくられた「シェア・イット・スクエア」も、この「City Repair」と地元の人たちのたゆまぬ努力によって維持され、今では物々交換のできるボックスや、24時間営業のドリンクスタンドも設置されているそうです。

「プレイスメイキング(場の創造)」で原点回帰

そもそも、なぜ米国でピアッツァが求められていたのでしょう。マークさんらは「City Repair」のウェブサイト内で、このように考察しています。

本来、こうした公共スペースは、都市コミュニティが発展する過程で自然発生するものです。しかし、碁盤の目のように分けられて人工的につくられた現代の計画都市では、コミュニティの自生力が失われてしまっているのです。

こうした現状に対して、「プレイスメイキング(場の創造)」を仕掛けて、街をあるべき姿に”修復”したい、というコンセプトが、「City Repair」という団体名に込められている、というわけです。

マークさんは現在、「シェア・イット・スクエア」や「City Repair」での活動を伝える講演のために各地を回っており、建築事務所「communitecture」も立ち上げ、ポートランド都市再生事業のリーダーの一人として活躍しています。

皆さんなら、どんなピアッツァをつくってみたいですか。あるいは、すでにある公共スペースを、どうしたらもっと素敵にできるでしょうか。ご近所さんと一緒に考えてみませんか?

[via yesmagazine]

writer ライターリスト

山岸 早瀬

山岸 早瀬

greenz ライター 旅とアートとミルクティーを愛する編集者・ライター。ときどき絵描き。イギリス、アイルランド、日本を行き来している生活からこそ見える社会課題の解決や、文化的価値の創造を目指しています。

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