怪我をした息子を抱える母親。その周りを囲む複数の親指を立てた腕。
写真の中に書かれた文字は、「Liking isn’t helping(いいね!で人は救えない)」。
これはシンガポールにあるクリスチャンの慈善団体「Crisis Relief Singapore」による広告キャンペーン。Facebookで「いいね!」を押すだけで満足するのではなく、「いいね!」の先の現実のアクションを促すことを目的に展開され、世界最大級の広告賞・カンヌ国際広告賞報道部門のGold Lion(最優秀賞)を受賞しました。
また、ユニセフ・スウェーデンによって作られたテレビCM「Liking doesn’t save life(いいね!で命は救えない)」も同じコンセプトの作品。このCMには、劣悪な環境にいる人々を救うのに本当に必要なのは、ソーシャルメディア上の”共感”ではなく”お金”である、というメッセージが込められています。
Facebookを使う人なら誰もが使ったことのある”いいね!”ボタン。クリック一つで共感を示すことは簡単ですが、本当にその課題について”自分ごと”として向き合っているのか、ハッとさせられますね。
ソーシャルメディアを駆使して共感の輪を広げ、気持ちを動かすことも大切ですが、本当にヘルプが必要なのは現場にあることを、いつも忘れないようにしたいものです。ぜひみなさんも「いいね!」の先のこと、考えてみませんか?
(Text: 阿部星渚)
[via The Verge, The Huffington Post]