温暖化の影響なのか、年々と暑さが増していくように感じられる夏。ついつい冷たい食べ物や飲み物に手が伸びたりしませんか?
もし世界中のアイスクリームを自然エネルギーを使って冷やすことができたら…どれだけの温室効果ガスが削減できるのでしょう?
今回はオランダで生まれた、ソーラー電池を搭載したアイスクリーム屋台をご紹介します。
アイスクリームは夏の太陽の下ではすぐに溶けてしまうもの。冷やし続けておくにはエネルギーが必要です。しかしこちらの「Sustainable ice-cream cart」は、ソーラーパネルとバッテリーが搭載されていて、必要な電力を自然エネルギーでまかなうことができます。
太陽の力で”溶かす”のではなく”冷やす”という逆転発想がユニークなこのカートは、オランダのデザイン会社「Springtime」とアイスクリーム会社との協同で開発されました。世界の様々な賞を受賞し、海外への展開も検討されています。
“exciting(わくわくする)、paradigm-shifting(パラダイムシフトする)”作品をデザインする「Springtime」は、他にもさまざまな作品を発表しています。
街をオシャレに彩る自転車置き場「Bikedispenser」
エコな乗り物として注目されている自転車。「COGOO」や「Cycle Hire」など国内外でシェアサービスが増えつつあります。「Bikedispenser」はどこで借りられた自転車がどこに返されたのか、システムで中央管理できる便利な自転車置き場。何よりデザインがオシャレだと思いませんか?これなら街にアートを取り入れる感覚で、バイクシェアリングが広がるかもしれません。
パーツを変えるだけ!
あらゆる状況で使える子ども用チェア「Child mobility: PAT」
子どもと一緒にでかけることも多い季節。車のチャイルドシート、ベビーカー、レストランでの子ども用チェアと、一日の中で座らせたり下ろしたりという動作は何度も行われます。こちらの「Child mobility: PAT」は同じイスを使いながらパーツを変えるだけでチャイルドシートやベビーカーに変わる優れもの。
一番かさばるイス部分がひとつで済むので、場所をとらないし、持ち運びもラクになります。子どもとのお出かけが、もっと楽しくなるアイテムですね。
「Springtime」がデザインするプロダクトはどれも、技術と発想の転換で新しい価値を与えてくれます。最初にご紹介した「Sustainable ice-cream cart」も、太陽の日差しを“熱い”から“冷たい”に転換するという、いたってシンプルな発想です。
今回の屋台はアイスクリーム専用ですが、冷蔵庫として使うことを考えたら、マルシェで新鮮なお野菜を鮮度を保ったまま販売したり、野外のサッカー場や野球場で冷たい飲み物を販売するなど、いろいろな展開が考えられますね。
“こういうもの”という思い込みがなくなると発想はずっと豊かになる。あなたの身の回りも、ぜひそんな視点で眺めてみてはいかがでしょう。
(Text: 杉本真奈美)
[via inhabitat]
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