2012年2月25日にco-ba shibuyaでシェアハウスをテーマにした「新作シェア物件から考えるこれからの住まい」というイベントが開催されました。
近年「シェアハウス」というのは、家賃を抑えるための単なる「生活手段」ではなく、住民同士でスキルを共有したり、さまざまな価値観に触れることを目的とした「新しいライフスタイルのあり方」として再定義されてきています。関東だけでも1,000軒以上の規模と言われており、その広がりはさらに加速していく予感があります。
特に、コンセプト型のシェアハウスは、趣味や関心、住む人のライフステージに合わせた家の設計やさまざまな仕組みが用意されており、ひとりで住むよりもはるかに充実した施設やサービスを受けることができます。
今回のイベントでは、コンセプト型シェア物件を手がける4社がそれぞれの物件を紹介してくださいました。イベントに参加できなかったgreenz読者のみなさまにも、ご紹介いたします!
1.充実の設備と140人の生活から生まれる多様性『コンフォートたまプラーザ』
オークハウスが手がけるシェアハウス「コンフォートたまプラーザ」は140人の入居が可能な大型シェア物件です。もともと社員寮だった物件をフルリフォームして、デザイナーズ物件としました。80インチの大型シアタールームや、ゆったりスペースのキッチンなどの充実の設備が魅力です。ラウンジ、ダイニング、スモーキングバーなど気軽にコミュニケーションできる場が配置されているので、さまざまな住人と会話を楽しむことができます。
この物件、入居する人の理由は「住人からのクチコミ」が多くを占めるそうです。住人が開催するホームパーティに招かれた人が、その環境の良さにひかれて入居を決めてしまうそうです。現在は入居率100%の人気物件ですが、一度はこのような素敵な家に住んでみたいですね。
オークハウス:コンフォートたまプラーザ
2.海外留学生が多く住む国際交流型シェアハウス『DK HOUSE 東京・練馬』
DKハウスは全国で大型シェア物件を手がけています。特徴的なのは、海外留学生などの外国人の受け入れ体制が充実している点です。各物件ごとにバイリンガルスタッフが常駐しており、留学生も安心です。また、住人同士で多くのイベントが開催されるので国際交流の場が常にあり、語学習得を目指している日本人の居住者にも適しています。
今回のイベントで紹介された「DK HOUSE 東京・練馬」には、家庭菜園も敷地内に用意されており、住人同士で土をいじりながらの交流もできます。海外留学をせずとも国際交流を生活の中心にできるシェアハウス、これもひとつの可能性かもしれませんね。
DKハウス:『DK HOUSE 東京・練馬』
3.シングルマザーの子育てと仕事を応援するシェアハウス『ペアレンティングホーム高津』
「ペアレンティングホーム高津」は“子育てと仕事を両立するシングルマザーを応援する”ことをコンセプトにしたシェアハウスです。シングルマザーには抱えきれないほどの不安がともないます。
しかし、シングルマザーのお母さん同士が住むことで、子育ての仲間や相談相手を得ることができます。また、週2回チャイルドケアの専門のスタッフがシェアハウスを訪れ、夕方〜夜の4時間子どもたちの遊び相手になってくれます。
こうすることでお母さんは自分の時間をつくることができ、ひとときの趣味の時間や、残っている仕事を片付ける時間に充てることができます。また、シェアハウス自体も安全に配慮された設計になっており、子育てに安心の住まいとなります。シングルマザーのお母さん目線のこれらのサービスは、コンセプト型シェアハウスだからこそ提供できるサービスと言えますね。
4.「食」のプロが集う起業家育成型シェアハウス『コネクトハウス池上』
コネクトハウスは起業家の輩出を目的とし、そのために必要なプラットフォームを提供するシェアハウスです。特に「食」のビジネスをテーマに、各分野の専門家やビジネスアドバイザーなどを招いてセミナーを開催したり、コネクトハウス主催のビジネスプランコンテストなども開催されます。
このコンテストに勝てば、起業に必要な資金が提供され、自分のビジネスを始めるきかっけになります。かつて手塚治虫や石ノ森章太郎などの著名な漫画家がひとつ屋根の下で切磋琢磨しあった“トキワ荘”を、現代で再現しようとする試みです。今後“コネクトハウス出身”の料理人が世に出てくるのが、楽しみですね。
コネクトハウス:コネクトハウス池上
「シェアハウスブーム」の背景にあるものとは
今回のイベントで紹介された4つのシェアハウスにはそれぞれの色があり、居住者のライフスタイルに合わせて最適なカタチとなっています。今後、このようなコンセプト型のシェアハウス物件はさらに多様性を増し、現代の生活者のライフスタイルに寄り添っていくでしょう。趣味シェアハウス、子育て家族シェアハウス、老後シェアハウスなどが、これから生まれてくるかもしれません。
また、このような「シェアハウスブーム」の背景にあるものは何なのでしょう?今回のイベントの主催者であり、コンセプト型シェアハウスのプロデュースを行う彩ファクトリー・内野さんは「豊かさの定義が変わりつつあるのではないか?」と、参加者に伝えています。
豪華なマンションでリッチな一人暮らしをするよりも、シェアハウスに住むことで生まれる「つながり」「気づき」「体験」。カタチは無いけど人生を良い方向に変えてくれるそれらの要素が再評価された結果が「シェアハウスブーム」となって現れているのかもしれません。確かなことは現時点では分かりませんが、多様化するシェアハウスのその先に、答えがありそうです。
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