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東日本大震災から10ヶ月、「東日本アーカイブ」を見て、被害を伝える写真や生の証言をgoogle earthで確認しよう!

greenz/グリーンズ 東日本大震災アーカイブ 証言

ヒロシマ、ナガサキの原爆の記憶を風化させないために、被爆者の証言や被爆直後の写真をグーグルアース上に表示するプロジェクト、ヒロシマ・アーカイブナガサキ・アーカイブについては、すでにgreenz.jpでも取り上げてきました。

このアーカイブを作っている渡邉英徳首都大学東京准教授を中心とするグループが、今度は東日本大震災アーカイブを制作しました。地図と連動することで写真や証言をリアルに体験できるアーカイブの震災版、いったいどのようなものなのでしょう?

この東日本大震災アーカイブの原型となる「東日本大震災に関する可視化コンテンツ」が公開されたのは、なんと震災からわずか2週間後の3月24日、震災の被害状況を可視化し、国内外の人々が災害について知ることが出来るアーカイブとして動き始めたのです。

現在もデータの収集は続いていて、生育が絶望的になってしまった「奇跡の一本松」の画像の収集なども行なっていますが、昨年12月に行われた「Mashup Award 7」では優秀賞も受賞しました。

主なコンテンツは、ニューヨーク・タイムズなどに掲載された100枚の写真と、震災後現地で撮影された360度のパノラマ写真、そして被災者の体験談です。新聞などに掲載された写真は白の四角いアイコンで、パノラマ写真はオレンジの丸いアイコンで、体験談は証言者の顔アイコンで表示されています。

greenz/グリーンズ 東日本アーカイブ 全体

新聞などに掲載された写真は震災直後の津波の衝撃が蘇ってくるような写真が数多くあります。

greenz/グリーンズ 東日本アーカイブ 報道写真

360度のパノラマ写真は、より克明な被害状況を写しだし、被害の大きさを改めて思い知らされます。

greenz/グリーンズ 東日本アーカイブ パノラマ写真

被害者の証言は、震災前には想像すら出来なかったようなことを体験した人々の言葉。

これらのマッピングされた情報や証言にも衝撃を受けますが、グーグルアースそのものもすでに震災後の衛星写真に置き変わっており、その風景にも衝撃を受けます。googleは「未来のキオク」で、被災地の震災前後のストリートビュー画像の公開も行なっているので、そこでも震災の被害状況を見ることができます。

東日本大震災アーカイブではARアプリも制作、スマートフォンから写真資料が見られるほか、現地ではGPS機能を使って実際の街並みに資料を重ねあわせて表示することも出来るのです。

震災から1年という節目も近づき、被災地域を訪れるという方も増えているかも知れませんし、いま居る場所に対して被災状況を仮想的にマッピングする「VRthquake Mode」という機能もついています。原発や放射能の問題もあり、なかなか津波の被害に目が向かない現状もありますが、他の地域でも巨大地震と巨大津波への危惧が高まっていることもありますし、被害状況や証言に目を向けて、災害への心構えを今一度確認してみてください。

東日本大震災アーカイブを体験してみよう。