グローバルカンパニーのソニー株式会社(SONY)と、デザインを通じて世の中を変えるオンラインコラボレーションプラットフォーム「OpenIDEO」が強力タッグ!「技術を活用して、地球環境を守るには?」というお題のもと、アイデアコンペティション「Open Planet Ideas」が実施されました。
「Open Planet Ideas」のコンセプトは、GPSやFelica、PSPなどソニーが保有する技術の新しい活用法をユーザ側から提案してもらおうというもの。そこで、既存技術の転用や組み合わせにより、地球環境にまつわる課題解決につなげるアイデアを広く公募しました。コンペティションのプロセスには「OpenIDEO」独自のプロジェクトフレームワークを活用。
アイデアを発信する「Inspiration」フェーズで329件の投稿が、アイデアを具体的な解決策へとまとめていく「Concepting」フェーズで400件の投稿があったとか。野生動物を記録するための仕組みや森林保護のための森林用火災報知機、世界の飲料水のマップ化といった、様々なアイデアが寄せられました。
Open Planet Ideas from Open Planet Ideas on Vimeo.
投稿されたアイデアは、「技術によって、資源の有効活用につながるか?」とか、「人々のアクションとこれがもたらすインパクトとのギャップを、技術が埋められるか?」といった観点から審査。「Evaluation」フェーズでファイナリストの8つのアイデアが選出され、その中から、「Greenbook」が最優秀賞に輝きました。
「Greenbook」は、「読んで、インスパイアを受けて、地球環境を守るための活動に参加しよう」がコンセプトの、グリーン志向な読者のためのオンライン雑誌。読者のアクションを喚起することを狙いとしており、P2PやGPSなどの技術を用いて、場所や時間など、ユーザの属性に応じて、ニュース配信する仕組みを想定しています。
また、ここで紹介される具体的なアクションは、環境にやさしい製品の購入といった比較的身近なものから、地元のプロジェクトにボランティア参加するといったものまで、多種多様。このコミュニティが起点となり、より多くの人々が、これまでの行動や習慣を変化させ、環境にやさしい未来づくりに参加するよう促しています。「Open Planet Ideas」では、“参加型経済”の実現に向けた「Greenbook」の可能性を高く評価。今後、実用化に向けたサービス開発を進めていく予定だそうです。
企業が主導し、オンラインプラットフォームを通じて一般から広くアイデアを募る事例は増えてきましたが、「Open Planet Ideas」の特徴は、「既存技術」という制約条件の下で、地球環境にまつわる課題の解決を呼びかけた点。これまでにない新しいものを研究・開発することも大切ですが、いま既にあるものを別の角度から捉え、現実的なソリューションへと活用する発想も、よりよい未来づくりを実現するために必要なポイントかもしれませんね。
「Open Planet Ideas」で投稿されたアイデアをチェックしてみよう。