こんにちは
R水素ジャーナリストの浅倉彩です。
6月23日、住宅メーカーのダイワハウスから、革命的な商品がリリースされました。
商品名は「SMA×eco HOUSE」。スマートとエコがコラボした、なんとも適当なネーミング(失礼!笑)ですが、それはさておき。
エネルギー2.0時代の幕開け
ソーラーパネルと蓄電装置を併設した初めての「家」。
マスコミ各社の報道を見ると、「光熱費とCO2を削減できる環境配慮型住宅を発売」程度の扱いが目立ちますが、
はっきり言って、このニュースを”新しいデザインのmy箸が登場”的なゆる〜いロハス路線でとらえてもらっちゃ困ります。
なぜなら、この家は、
日本で暮らす人々の「エネルギー」に対する意識を飛躍的に高める可能性を
秘めているからです。
意識が変われば、消費行動も投票行動も、
「地球をなんとかして、自分も生き残る」方向に、変わります。
これまでは、家を建てたり引っ越しをすると、電力会社やガス会社と契約をするのが当たり前でした。これを読んでいる全員が、ほぼ無意識のうちに契約しているはずです。(もちろん、書いているワタクシも含め)
電気に関しては1社独占なので選択肢なし。
ガスは、都市ガスがあれば都市ガス、なければいくつかの地元プロパンガス会社から選ぶ。
以上終了!
でした。
その旧態依然のなれあいの既得権益の大きな岩に、
ガツーーーンと、目の覚めるような剣をつきたてるように
第三の選択肢が登場したのです。
Web2.0ならぬ、エネルギー2.0時代の幕開けです。
シンプル・イズ・ビューティフルなエネルギー
家庭が発電機能と蓄電機能を持つ、ということは、
気の遠くなるような長くて大きい電力サプライチェーンが、
いらなくなる、もしくは縮小していく方向に、
大いなる一歩を踏み出したということ。
おうちの屋根でつくってつかってあまったぶんを裏庭でためてつかう
超シンプルです。
これに対して、今のサプライチェーンが
どのくらい長くて大きいかは、
メキシコ湾で今も流出し続ける原油はそもそもなんで必要なのかとか、
火力発電所で燃やしている化石燃料の来し方行く末とか、
原子力発電所で燃えたウランがその後どういう末路を辿るか、
高圧の送電線建設をめぐる反対運動や
新規原子力発電所の建設をめぐる人権侵害問題、、、、、
などなど、ちょこっとご自分で、調べて考えてみて下さい。
それから、財務省のWebサイトで、エネルギーの調達と安全保障にどれだけの税金が使われているかも、見てみることをオススメします。
「でも、ソーラーパネルも電池も高いし、効率の問題で全部をまかなえるわけじゃないでしょ?」
そう思った方は、「高い」と「効率」の意味を、もう少し時間をかけて、
ゆっくり考えてみて下さい。
モノの値段って、政治とか経済の要素で激変しますよね。
携帯電話が0円になる時代が来ることを、その10年前に、想像できたでしょうか?ソーラーパネルの初期費用を0円にしてくれるサービス会社なども登場してるんですよ!
それから「効率」。
エネルギーの分野では、とかく
原料が持っているエネルギーを1としたときに、
取り出せるエネルギーが0.5なのか0.7なのか、といった
ディティールでの議論になりがちです。
ところが、そこからぐぐーーーーっと上昇気流にのって
地球が全部見えるところまで飛んでみると、、、
たびたび原油流出事故が起こったり、化石燃料をめぐって争ったりしている。
生態系だけじゃなく、人々の幸せや、お金も、たくさん浪費しています。
本当に効率がいいのか、考えてみた方がいいですよね。
それに、「効率」は大量生産・大量消費社会の免罪符です。
大企業が大量に採掘・運搬・供給する中央集権的なエネルギー供給システムでは「効率」が重要かもしれませんが、誰もが自分の身近なところで必要なエネルギーが行き渡るなら、効率が悪くても気にしません。
リチウムイオン電池じゃなければ・・・
さてさて。
「SMA×eco HOUSE」は7月10日から住宅展示場で実証実験が始まり、
報道によれば来春発売予定とのこと。
超シンプルで、
水も空気も汚さなくて、
なくなる心配をしたり、
奪い合う必要もない、
原料価格次第でいくら上がってもおかしくない電気代を払い続ける必要もないエネルギーは、
もう目の前にあります。
普段当たり前のように使っているエネルギーの背後にある
環境破壊から自由になるために、
必ずしもみんなが市民活動や政治活動をする必要はなくて、
ただ、こういう商品を、選べばいいんです。
カンタンでしょ?
ただし、蓄電池がリチウムイオン電池だっていうところが惜しいんですが。。。。
つづく。
リチウムはどこから来るのか調べてみよう。