カンヌ受賞のソーシャル広告のなかから、
前回に引き続き、メディア・ライオンを
受賞したものをご紹介します。
●NOT IN DANGER OF EXTINCTION (WWF)
レジの近くにマグネットできたポスターを設置。
そのマグネットは、種類の違う硬貨がくっつくようになった
絶滅危惧種のシルエットが書かれています。
塗り絵を完成させるような楽しみをもたせて
募金を促すようになってるんですね。
●Wild Trapped Animals(PreservePlanet.org)
コスタリカのある地域の住人にとっては、
旅行に行ったときにペットにするために
野生動物を持ち帰ることが普通のことになっていました。
そこで街を出入りするときに混雑する道路に、
カゴに入った動物が入っているように見えるボードを設置。
メッセージは、
“if you love animals,keep.them wild.”
(動物を愛しているなら、野生のままにしておいてください。)
仕掛けとしては面白いですが、
持って帰ることがあたりまえの
ように思っている人は、
どう感じるのでしょうか。
●REFUGEE GAME SHOW(REFUGEE AID BELGIUM)
難民救済機関は、ベルギーが難民たちを受け入れるか
排除するかを任意で決める傾向にあることを懸念していました。
ふつうの人に、難民が置かれている
理不尽な状況を知ってもらうために、
街に透明のケースを設置。
そのなかに実際の難民をいれ、
通りがかりの人に好きな難民を選べるようにしました。
選ばれた難民はベルギーにとどまりますが、
選ばれなかった難民は政府の管理下に置かれるという
ルールです。
あくまでもゲームですが、
参加者は名前や年齢、出身地、
そしてルックスなどで運命が
変わってしまうことの理不尽さを
実感するようになります。
このキャンペーンの成功で、
ベルギー政府は難民政策を変えることに
合意したそうです。
●Earth Hour: Monuments(WWF)
アースアワーも3年を迎え、
スイッチを切ることを象徴的な行動から、
実際に気候変動を止めるための
動きにする段階にきていました。
今年の12月にはコペンハーゲンで
気候変動の次の枠組みを決める会議が
開かれることになっていて、
人びとに電気を消すことで本当に大きな変化を
生み出すことができるのだということを
伝える必要がありました。
そこでスイッチを投票に置き換え、
これは温暖化についての選挙なんだと訴えました。
そして、多くの人がスイッチを切ったことを、
世界のリーダーたちにコペンハーゲンで気候変動に対して
前向きな取り組みをしてもらうための
プレゼンテーションにしました。
世界各地の有名なモニュメントも
明かりを消して、低炭素社会への意思表示をしました。
日本のキャンドルナイトは、
ひとりひとりの心がけ、みたいな
ソフトな印象がありますが、
アースアワーは毎年政治に「迫る」感じで
パワフルですね…。