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NPOグリーンズ 第8期 アニュアルレポート

こんにちは!

これまでNPOグリーンズの活動報告をまとめた「アニュアルレポート」は紙のパンフレットでつくってきましたが、8期からは手軽に読めるような記事形式でお送りすることになりました。

今回、NPOグリーンズとしての「8期」にあたる2018年12月1日〜2019年11月30日までの1年間の活動を、代表理事の鈴木菜央、事業統括理事の植原正太郎、「グリーンズの学校」学長としてグリーンズに帰ってくる理事 兼松佳宏の座談会形式で語ってもらいました。

14周年となる2020年7月16日には「いかしあうつながり宣言」を発表したばかり。今回は、宣言の発表に至るまでの経緯や苦闘をご紹介できればと思います!

「いかしあうつながり」を一人一人が咀嚼するための1年

兼松佳宏
僕は、8期のNPOグリーンズの経営には外部理事という関わり方だったので、今回は聞き手として二人にどんなことが現場であったのか聞いていきたいと思います。

8期の大きな出来事というと、ビジョン・ミッションが変わったことですよね。「ほしい未来はつくろう」から「いかしあうつながり」へ、外から見てても大きな変化だっただろうと感じ取れました。

植原正太郎
「いかしあうつながり」を掲げたことは大きな節目になっていて、8期はその変化を受け入れながら前に進もうと努力した一年でした。

僕が特に印象に残っているのは、2019年1月に行ったグリーンズ合宿。その時、ウェブマガジン「greenz.jp」のタグラインは先行して「いかしあうつながり」に変わっていたんだけど、正直言うと僕も含めてグリーンズのメンバーは、その意義や方向性について完全には腹落ちしてない状況でした。

兼松佳宏
そうだったんだね。菜央くんの旗振りでメディアのタグラインは変わったけれど、どうもみんなには腹落ちされてなかったと。菜央くんはどんな気持ちだったの?

鈴木菜央
もやもやしてたね。そりゃあ腹落ちしないよなっていうのは感じてたし、かと言ってトップダウンの「こっちに行くぞお前ら付いて来い!」っていう組織は目指してない。だから、内発的な気づきとか行動変容が生まれるような情報やチャンスを持ってくることを意識してたかな。

組織の仲間が「いかしあうつながり」という考え方を捉えるのには、すごい時間がかかるだろうなって思ってた。パッと一気に方向性が変わらないんだけど、必要な時間だったって思ってますね。

植原正太郎
実を言うと、なおさんを除くメンバーに「パーマカルチャーアレルギー」みたいなものがあったんじゃないかなと(笑) 僕自身も当時はパーマカルチャーにそこまで関心が強かった訳ではなかったですし、「いかしあうつながり」=「パーマカルチャー」というイメージで心理的に構えちゃってた部分はあったと思います。

でも、合宿中にみんなが腑に落ちる出来事があって。
合宿を開催してた菜央さんの家灯油ストーブがあったんです。その上にやかんが置いてあって、灯油ストープが温まると、やかんも温まって蒸気が出て部屋が加湿される。

灯油ストーブとやかんをバラバラに置いていたら得られることは少ないけど、ストーブとやかんの関係性をデザインすれば、それぞれがいかしあって得られることが増えるんだって気がついたんです。

ストーブとやかんの話はあくまでメタファーで、同じことが教育でも地域社会でもビジネスでも言えるだろうって気が付いたんです。

「これが『いかしあうつながり』なのか」って、みんなで腹落ちましたね(笑)

兼松佳宏
なるほど。今度から「いかしあうつながり」を説明するためにストーブとやかんを持ち歩こう(笑)

鈴木菜央
それ、そんなに大事な出来事だったんだね(笑)

「いかしあうつながり」はそもそも完成された何かじゃないし、知識よりも感覚にのっとった理解が必要だと思っていて。だから「いかしあうつながり」を感じられることを一緒にやるっていう方法しかないと思っていましたね。

関係性のデザインの話は、パーマカルチャーに限定されることではなく、持続可能な社会をつくる秘訣みたいなものなんだよね。

余裕がない時こそ、後回しになりがちな「心」や「関係性の質」に目を向ける

兼松佳宏
最近では新型コロナウイルスの影響で他人との物理的な接触が少なくなったことで、人との関係性を考え直すきっかけが生まれたり、ひとりで過ごす時間が増えたことで自分自身とのつながりについても考える考える人も増えたように思います。

グリーンズが「ほしい未来は、つくろう。」という合言葉を掲げてソーシャルデザインを広げようとしていた時のように、世の中全体が動く少し前にグリーンズは次のことを見ているんじゃないかと感じてまが、どうでしょう。

鈴木菜央
そうかもね。でも僕は、次に何がブームで来るかってことを考えてるわけじゃなくて。グリーンズをつくった当初から「一人一人が人生の主役になれる社会をつくりたい」っていうことをずっと考えてるだよね。

要するに、どうやって一人一人がハッピーになれる社会をつくれるんだろうってことをずっとグリーンズは追い求めてきて、今、手元にある一つの仮説が「いかしあうつながり」なんです。

グリーンズの合言葉は時代とともに変わるけど、目指していることは変わらないと思いますね。

兼松佳宏
掲げたビジョンを組織内にじわじわ浸透にしていった1年だったと思うけど、組織の中で変化したことは他にあった?

植原正太郎
それで言うと8期の1年間でグリーンズの組織のメンバーの関係性は劇的によくなりました。

外から見たら楽しそうにやってるように見えたかもしれませんが、7期から8期にかけて経営的に厳しい時期もあって、僕も菜央さんもよく心が荒んでいました。慢性的に心に余裕がなく、メンバーの気持ちやメンタル面をケアする余裕すらない状況だったんです。

そんな時期に、僕はMITの元教授のダニエル・キムさんが提唱する「組織の成功循環モデル」という考え方に出会って感銘を受け、社内会議の運用改善、コミュニケーションツールの改善、合宿の開催など「関係の質」回復するために色々とやってみましたね。

結果として、みんなの関係もグッとよくなったし、グリーンズで働くことが純粋に楽しい空気になりました。

鈴木菜央
心は長期的にしかリターンが返ってこないことだから、後回しになりがちでも、そういう部分をやり抜いたことは、素晴らしいアクションだったと思いますね。

フルスイングの全力試合から、目指していたビジネスへ

兼松佳宏
グリーンズ内の変化もあった8期だったと思うんですが、ビジネス的にはどうだったんですか?

鈴木菜央
8期の収支としては2年ぶりの黒字になってましたけど、経営は過去の影響を受けるものなので「資金繰り」的には非常に厳しくて。その中で試行錯誤して、少しだけ上昇気流に乗ってきたなと思います。

兼松佳宏
その試行錯誤とか、上昇した要因ってなんだったんですか?

植原正太郎
グリーンズ求人という採用支援サービスが2年目に入り、コンスタントにご依頼をいただけるようになったことが要因の1つです。採用実績にもつながっていて、僕たちの自信にもつながっています。

あと、PRイベントやPR記事のご依頼にも一つずつ丁寧に応えていけたのも、大きかったですね。

鈴木菜央
8期の僕らを野球の試合に例えるなら、どんな球でもフルスイングして、なんとか食らいついてヘッドスライディングで一塁に飛び込むみたいなことを続けていたね(笑)

しかも、リザーブの選手をほとんど持たずに「お前ら絶対ケガすんなや」って9人で出続けるみたいなことをしてました。

兼松佳宏
それは見応えある戦い方だね(笑)

植原正太郎
ほんと、必死でしたね(笑)

その中でもうれしい兆しは、竹中工務店とDeep Japan Labとグリーンズの3社で「キノマチ会議」というプロジェクトをはじめたことですね。

キノマチ会議は「木のまちをつくる」ことを目指して森林資源の豊かな日本の山と都市をつなぐプロジェクト。これはまさに「いかしあうつながり」に直結しているテーマなのでグリーンズとしてもうれしいし、サステナビリティをより重視する世の中の流れの中でグリーンズの役割を感じる出来事でした。

いかしあうつながり特集や、レシピ記事、つながりを描く取材に挑戦

兼松佳宏
じわじわと「いかしあうつながり」がビジネスの面でも現れてきたんですね。ウェブマガジン「greenz.jp」自体はタグラインが変わってしばらく経っていたわけだけれど、どんな状況だったんですか?

鈴木菜央
編集面では、タグラインを変えただけっていう状態から、実験をするようになっていました。

まずは「いかしあうつながり」をテーマにした連載をやってみたりね。

そうするうちにいつのまにか「いかしあうつながり」に関連するネタがライターさんから提案されるようになってきて、記事も増えてきました。

植原正太郎
あとは、誰かの物語を伝えるストーリー記事から、地域やプロジェクトの「関係性」を取材するような記事も増えていきましたよね。

兼松佳宏
PVも7期より年間10万PV伸びていますね。タグラインを変えただけの状態から中身が伴って、読者も戻ってきたというか。

鈴木菜央
8期の手当たり次第的な試行錯誤があったからこそ、編集部としてのリニューアルも進んだし、登るべき頂上がすこし見えてきたようと思っています。

植原正太郎
greenz.jpの記事の3割はgreenz peopleのみなさんからの寄付金が原資になっているので、8期での挑戦はみなさんの支えのおかげだと思っています。本当にありがたいです。

コロナにも負けない「グリーンズの学校」の企画は、8期に蒔いた種から生まれた

兼松佳宏
グリーンズの学校についてはどうでしょう。

植原正太郎
それまで事業を担ってくれていたメンバーが8期途中で卒業したので開講数自体は減少していますが、今の9期につながる定番講座が誕生した一年だったと思います。

NVCクラスコミュニティの教室メンタルモデルクラスも8期にはじまりましたね。

菜央さんの「いかしあうつながりクラス」というギフト型の完全オンライン講座もこの年に開催しているので、8期は「いかしあうつながり」に関連したクラスがいくつも生まれた年でした。

鈴木菜央
グリーンズの学校も、8期はトランジションの時期だったと思います。

新しいことをやるには既存の考え方が力を持ったままだとできないから、ぶっ壊すか崩壊を待つしかない。グリーンズの学校の企画も「これまでのやり方がいいんじゃないか」っていう気持ちと、「新しいことやろうよ」って気持ちが入り混じっていたと思います。

それが時間とともに、チャレンジしていこうという雰囲気に変わっていったなと思いますね。

「greenz.jpのNPOグリーンズ」から、「greenz peopleのNPOグリーンズ」へ

兼松佳宏
アニュアルレポートなので正直に言いますが、greenz peopleの会員数は8期でガクッと減りましたね。

植原正太郎
そうですね、今思えばそれも納得できます。グリーンズとしてビジョンの転換期だったので、何を目指して活動しているのかがとても揺らいでいた時期だと思うんです。

そうなると表向きに「NPOグリーンズはこういう団体です」と力強く言いにくいし、寄付してくださいとも、応援してくださいとも言えなかったというのはありますね。

ただ、そんな中でもgreenz peopleのみなさん向けのNPOとして毎月の活動報告をする「月刊グリーンズ」を8期に始めました。

最近はgreenz peopleになってくれる人が月30人ずつ増えてきて、自分たちが「いかしあうつながりを増やしていくんです!」とはっきり言えるようになったからなのだろうなと思ってます。

また、「greenz people に学ぶ“いかしあう〇〇」という連載もスタートし、greenz peopleと一緒に探究するチャレンジも始めましたね。

鈴木菜央
9期になって、YOSH(兼松佳宏)が「グリーンズの学校」の学長として帰ってきてくれているよね。

本格的な始動はこれからですが、グリーンズの学校やgreenz peopleはどんな変化をしていくんでしょう?

兼松佳宏
すでにアクションを始めていることは、「greenz.jpのNPOグリーンズ」から、「greenz peopleのNPOグリーンズ」へのシフトですね。

今まではgreenz peopleは寄付会員という呼び方でしたが、これからはもっと一緒に学びを深めていく仲間のような関係にしていきたいと思っています。僕らグリーンズが「いかしあうつながり」を探究していくためにも、greenz peopleは一番大事なステークホルダーですから。

greenz peopleの人たちに喜んでもらえるようなことを、どんどん仕掛けていきたいなと思っていますね。

植原正太郎
greenz peopleでの挑戦もそうですし、「コロナ渦のなかでもできることがあるはず!」とたくさんのチャレンジができているのは、8期の我慢と試行錯誤があったからだと思っています。

世の中が大きく変わる中で、グリーンズとしてどんな価値を提供できるのかを常に考えていかなければいきたいですね。

鈴木菜央
8期のことは頭からするりと抜けていたんだけれど、話しているうちにいろいろな辛かったことも思い出したし、かつ必要なプロセスだったなと思う。いまは9期の真っ只中だけど、グリーンズとしてやれることを頑張っていきたいね!

NPOグリーンズ 第8期 活動報告

各数値の前年度比較
※左側グレーが7期、右側グリーンが今期

・greenz.jp 年間PV数: 【前年比104%】 3,232,765
・グリーンズピープル数: 【前年比80%】 729名
・グリーンズの学校 受講生総数: 【前年比73.16%】 259名
・グリーンズのイベント 参加者総数: 【前年比111%】 1,030名
・連携団体総数: 【前年比178%】 34団体
 

8期会計報告

・8期会計報告:【昨対比-0.5%】 58,643,000円

第8期 経常収益と経常費用