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なにをやっているのか
私達コード・フォー・ジャパン(Code for Japan)は、地域の課題を解決するためのアイデアを考え、テクノロジーを活用する市民参加型のコミュニティ運営を通じて、地域の公共サービスを改善していく団体です。
Facebookで友人と繋がり、食べログでレストランを探し、Google Mapsで行き先を調べる。私たちの毎日の生活はテクノロジーなしでは考えられません。
一方、住んでいる街のウェブサイトは見難くて、情報を探すのも四苦八苦。とはいえ、待機児童数など行政だけが持っている情報も多く、行政サービスの向上が必要です。
しかし、行政を批判するだけでは、何も変わりません。 Code for Japanでは、「ともに考え、ともにつくる」というモットーのもと、エンジニア、デザイナー、クリエイター、起業家、大学や高校、企業など様々なメンバーが国や自治体などとも連携し、テクノロジーを活用した地域課題解決を行なっています。
更に、民間人材を行政機関に派遣する「フェローシッププログラム」をおこなっています。 2014年4月から福島県浪江町と提携し、技術や経験を持った3名のフェローを派遣してきました。 浪江町は、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により現在も全町避難が続き、町民は全国各地で避難生活を続けています。
これまでフェローは全国に避難している浪江町民をつなげるため、町民参加型のアプリ開発をおこない、その成果は情報処理学会からもデジタルプラクティス論文賞という形で表彰を受けました。
現フェローが任期満了となる6月より前に、4月から新たに後任のフェローを募集いたします。
なぜやるのか
浪江町民は今も故郷を離れ、全国の避難先での生活を送っています。 そして、政府は2017年3月に一部地域を除き避難指示解除をおこなう方針を示しました。 今後、浪江町に戻ってくる町民もいれば、避難先での生活を続ける町民もいます。
震災後から6年近くが経過し、全国に離散している町民同士をつなげるコミュニティの再生と、新たなまちづくりという2つの課題を浪江町は抱えています。従来、このような地域課題の解決は行政だけが担っていました。しかし、自治体の限られたリソースだけではこのような地域課題の解決は困難です。
特に、トレンドの移り変わりが激しいテクノロジーの分野においては、民間人材の活用が不可欠です。エンジニアやデザイナーなどとのネットワークやコミュニティ運営のノウハウを持つCode for Japanが民間での経験を有しているフェローを派遣し、バックアップすることで地域課題の解決を図りたいと思っています。
どうやっているのか
フェローとして派遣されていた吉永さんや山田さんは、役場の中で職員として働き、公共調達を行なった他、タブレット端末アプリのプロダクトマネージャーとして、開発会社と共にアジャイルプロセスをマネジメントしアプリケーションをリリースしました。
Code for Japan自体も、町民を交えたワークショップを通じて、本当に必要とされるアプリケーションのあり方を検討するなどのサポートを行う他、調達をオープンに実施することで推定1億円以上の予算削減を行なっています。ハッカソンの模様も動画で公開されていますので、是非ご覧ください。
自治体が、IT企業ではなく、オープンソースソフトウエアによる開発を軸とする技術者・市民のネットワークの非営利組織と協業して事業を実施することは極めて稀なことです。市民が地域の課題解決を目指してテクノロジーを活用して公共サービスなどの革新を図る先進的な「シビックテック」の取組みが、「課題先進地」である福島の地から生まれ、成果を出しつつあります。
この取り組みは行政のイノベーション事例として、海外でも注目されています。
参照:Code for Namie プロジェクトを紹介するブログ
また、タブレットやアプリという枠にとらわれない活動もしています。タブレット端末のキャラクターの「うけどん」は町民に大人気になり、町民自らがTシャツなどのグッズを作って楽しんでいます。 私たちは「うけどん」のウェブサイトを作成し、画像データを公開することで町民の活動を後押しています。
こんなことやります
東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から6年。
福島県浪江町では、町への帰還がはじまります。私たちは浪江町をともにつくっていく方を募集いたします。 そして、今回募集する人材が担う役割は大きくふたつあります。
ひとつは、全国に離散している町民同士をつなげるためのアプリの改善とアプリを中心とした町民コミュニティの活性化です。これまでのフェローがプロダクトマネージャーとして5つのアプリを開発してきました。特に、毎日、浪江町のニュースや町民の写真などが配信される「なみえ新聞」は多くの町民に読まれています。アプリを良くしていくとともに、他の役場職員や町民を巻き込んでコンテンツを更に充実させていきたいと考えています。
また、浪江町タブレットのキャラクター「うけどん」の更なる展開もフェローの重要な仕事です。「うけどん」は町民から人気があり、町民が自作のグッズを作ったりして、楽しんでいます。そのような町民が更に活動をでき、グッズが多くの人が手に入れられる環境をつくることで、浪江町を離れていても浪江町を思い出す時間を増やしていきたいと考えています。
もうひとつは、テクノロジーを活用した新たなまちづくりです。2017年3月に一部地域を除き避難指示が解除される予定です。津波による被害や立ち入り禁止によってメンテナンスができなかったことで、道路や上下水道、住宅などのハードの復旧が急ピッチで進められています。ただし、町民が生活するためにはソフトインフラの整備も必要です。フェローには課題を自ら見つけ、テクノロジーによって解決することが求められます。
また、人々が生活するためには仕事が不可欠であり、浪江町としては新たな産業の創出が大きな課題です。浪江町にはドローンの試験用滑走路の設置が決定しました。フェローは民間視点で考え、行政機関と大企業からスタートアップまで様々な企業との間に入って行動することで、今までにない産業創出をすることが期待されています。
フェローに期待されること
エンジニアやマーケッターとしての経験やスキルが高いほうがいいですが、必ずしも必要ではありません。 専門性やネットワークが必要な時は、Code for Japanがアドバイザーとしてバックアップする体制をとっています。
重要なのは、今までにない課題やテクノロジーに対する好奇心と行動力、そして、コミュニケーション能力です。浪江町職員や国、県などの行政職員、浪江町民、大企業、スタートアップなど様々な人達とのコミュニケーションが不可欠です。
参考までに、去年までフェローだった吉永さんのインタビューをご覧いただければと思います。
「浪江町フェローシップ 初代フェロー吉永隆之さん突撃インタビュー「ぶっちゃけどうだった?!」そして、次のフェローへのメッセージ」
「人生を丸ごとかけずとも、できることはある! 文系エンジニアの吉永隆之さんがサラリーマンを辞めて、浪江町の復興にたずさわるまで | greenz.jp グリーンズ」
【勤務開始希望日】
2017年4月以降(柔軟に対応できます)
【勤務地】
浪江町役場本庁舎(福島県双葉郡浪江町大字幾世橋字六反田7-2)
【雇用形態】
浪江町任期付職員
【ウェブサイト】
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