今回の震災における福島の被害は、津波にくわえ原発問題もあるため、いまだ解決の糸口を探しつづける状況が続いています。
そんな中、「新しい地域づくりを、新しい視点で取り組む」プロジェクトが進んでいます。その名も「MUSUBU」。人、地域、芸術、デザイン、情報などあらゆる分野を結び、クリエイティブな産業を生み出す地域活性プロジェクトをご紹介いたします!
プロジェクト発起人の末永早夏さん
プロジェクトがはじまったのは、福島県いわき市出身で、フェアトレードのコーヒー豆を販売するethicafeの代表を務める末永早夏さんが、震災直後から地元の避難所を中心に支援活動をしているなかで、現在MUSUBU代表の宮本英実さんら他の若い協力者との出会いがきかっけでした。
震災直後の緊急フェーズが終わろうとしている時期に、これまで集まったメンバーとともに、長期的に復旧や復興に取り組めるようなグループとして活動していこうと決断しました。
プロジェクト名の「MUSUBU(むすぶ)」という言葉にはさまざまな意味があります。絆結ぶ、夢を結ぶ、世界を結ぶ。そのような「結ぶ」を通して個々が主体となる地域活性を促進し、持続可能な街づくりを福島から全国、そして世界へ発信することを目指しています。
これまで半年間、地域住民との音楽イベントやワークショップなどに取り組んできました。今回、Tokyo Designers Weekのブースで展示されているのは、「復興×デザイン」なプロダクトです。
こちらは「BUYcott Fukushima」というTシャツです。
胸に描かれているのは、3.11以降の福島の放射能の数値をグラフ化したものです。「福島で何が起こったのか?」ということをそのまま表現し、とどめておこうという想いが込められています。また、Boycott(ボイコット)とは反対のBuycott(バイコット)という、より良い社会に向けて取り組む企業の商品やサービスを”買う”ことで支持を表明する消費のしかたも啓蒙しています。デザインを手がけたのも、このプロジェクトを始めてから出会ったデザイナーです。ちなみに、こちらのTシャツは、バングラデシュで生産されたフェアトレードプロダクトとなっています。
こちらは古着をリメイクしたチャリティのシュシュです。
福島出身の女性が震災後に取り組み始めたマイプロジェクト。はじめは寄付として寄せられた古着からシュシュをつくり自らカフェやヘアサロンに売っていましたが、想いは徐々に広がっていき、縫うための糸を提供してくれる人や、自分のお店で販売してくれる人などの協力者が集まるようになりました。かわいいデザインがとても人気だそうです!
また、今回のTDWでも「結ぶ」が生まれており、となりのブースで出展しているデザイナーの方が手がけるチャリティステッカーも、MUSUBUのブースで販売されるようになりました。
このプロジェクトには、常に新しい出会いがあるようです。これからも、さまざまな「結ぶ」によって、福島の地から素晴らしい地域活性の声が聞こえてくるでしょう。今後の展開も、楽しみなプロジェクトです!
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