寒いこの季節、なかなか乾きづらいのがジーンズ。ヘビロテアイテムなだけに、洗濯しないまま着続けるのも抵抗がありますが、洗濯のたびに、乾燥機をグルグルまわすというのも、けして環境にやさしいとはいえませんね。そこで、世界中で有名なジーンズブランド「リーバイ・ストラウス(Levi Strauss & Co、以下、リーバイス)は、画期的なアイデアコンテストを実施しました。
リーバイスの「The Care to Air Design Challenge」では、2010年6月から7月にかけて、環境にやさしく、サステナブルにジーンズを乾かすための、革新的なアイデアを公募しました。
ジーンズは、ライフサイクルを通じて、パソコン556時間分のエネルギーを消費し、環境に負荷をかけています。また、そのうちの6割が、消費者の購入後に発生するものだとか。そこで、リーバイスでは、環境にやさしいジーンズケアの方法として、できるだけ乾燥機などに頼らない自然乾燥を提唱し、このためのアイデアを一般から募ったのです。
130通以上ものアイデアの中から、見事、優勝に輝いたのは、Caleb Hillさんが提案した「Nothing is what it seems」。普段は壁掛けの絵として楽しめ、必要なときに、絵をパカっと開くと、物干しに使えるという、アートと実用性を兼ね備えたアイデアです。このほか、プチ風車のような形状の物干しプロダクトや、設置や撤去がカンタンな物干しラック、どこでも洗濯物を吊るすことができるストラップなど、「こんな物干しグッズ、欲しい!」と思わされるグッドなアイデアが数多く投稿されています。
もちろん、リーバイス自身も、製造過程における環境負荷の軽減に取り組んでいます。これまでの取り組みを通じて、ジーンズ1着あたり、水の使用量を平均28%削減。製品によっては、96%減を実現したケースもあるとか。リーバイスでは、このような自社の取り組みとあわせて、消費者への啓発も実施し、製品のライフサイクル全体の環境負荷を軽減することを目指しています。
「The Care to Air Design Challenge」は、特定のテーマを投げかけ、その解決策を消費者の視点で実際に考えてもらうことにより、環境負荷の軽減や持続可能な製品の使い方への意識づけにつながるのみならず、実用的なアイデアを広く共有し合うことができるという、「一石二鳥」の効果が期待されます。
日本でも、富士通デザインとBlabo!によるオンライン会議室「Green Innovation Lab」など、企業がオンラインコミュニティを通じて一般から広くアイデアを募る例は徐々に増えていますね。より多くの人々が、このような場を通じてグッドなアイデアを積極的に発信することが、世の中を変えていくきっかけとなりそうです。
[via GOOD]
「The Care to Air Design Challenge」に投稿されたアイデアをみてみよう。