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半歩先、一歩先を目指して、“体験”と“編集”を問い直す。 グリーンズの活動レポート|2025年7月〜9月

みなさん、こんにちは。greenz.jp編集長の増村江利子です。2025年7月から9月までの3ヶ月分の活動をまとめて、「季刊グリーンズ」としてグリーンズの”いま”をお届けします。

現在のgreenz people数は、572名。いつもグリーンズをあたたかく見守っていただき、本当にありがとうございます!また、日本各地に「一人ひとりの暮らしから社会を変える仲間」が少しずつ増えていることを、とても嬉しく思っています。

私たちが日々、greenz.jpというメディアを通じた活動ができているのは、みなさんのおかげです。心からお礼の言葉をお伝えしつつ、グリーンズの活動内容や様子をご報告します。

greenz.jp編集長 江利子からのメッセージ

実はこっそりと、編集部と言われていた組織名を、メディア事業部へと変更しました。たいしたことではないし、表には出てこないことではあるのですが、これも一つの意思表示です。

Webマガジンを編集しているだけでは、社会は1mmもつくれない。もっと広い意味での編集に根ざして、メディアを事業として捉え、メディアのあり方そのものを問い直し、根本からつくりなおしていきたいと思っています。そもそも、編集ってそんなに簡単なものじゃないし、絶対の正解があるものでもないし、できているかどうかだってあやしい。そんなふうに、奢りを捨てて、まだまだ途上であるという認識をもって、もう一度、真剣に向き合いたい。そして、何かしら社会へ提示するときの一手を、半歩先、一歩先を目指して、社会に対して何かしらのインパクトを生み出したいのです。

私自身は、書籍『リジェネラティブデザイン』の執筆にあたったり、この先に実現したいことへの思いを巡らせています。一つは、会員制度の民主化ともいうべき内容。他にもあって時間が足りないけれど、揺るぎない信念をもちたいと思っています。

グリーンズ共同代表 正太郎からのメッセージ

7月におよそ5年ぶりに「バリツアー」を開催しました。アースカンパニー全面協力のもと、バリ島の社会起業家を訪れたり、バリ島に根付く人と自然の関わりによって育まれた精神性を学ぶ6日間。僕もようやく現地に行くことができました。(冒頭の写真は、バリ滞在中のひとこま)

最近グリーンズでは「現場での体験」をとても大事にしています。現在、AIの進化によって世界中が蓄積してきた「情報」に誰もが瞬時にアクセスできる時代になっています。僕自身、日常的に使う中でより良い社会をつくることを加速させてくれるテクノロジーだと感じています。

しかし「人の変容」につながるかと言うと、そういうものではないと思います。特に「リジェネラティブ」な視座やあり方を得るには水に触れ、土に触れ、その土地に根ざして暮らす人の態度や言葉に出会うことが必要です。これからグリーンズは読者のみなさんをパソコンやスマホの前から離れる機会をつくっていきます。それはAIでは決してできない仕事だと思っています。

数字で見るグリーンズ

greenz.jpの記事数:38本
(内、greenz peopleのみなさんの支えによって掲載した記事:17本)

PV数:343,197

イベント数:14件

イベント参加者総数:1048人

7〜9月公開で最も読まれた3つの記事はこちら

【私たちに合った居場所が見つかった。福島県川俣町で薬膳カフェを始めたふたりが見つけた豊かな生き方】

「東京で同じことをしても、うまくいかなかったと思います」そう語るのは、福島県川俣町で薬膳カフェ「BONCHI TARO(ボンチタロウ)」を営むファンコーニ・マイケルさんと菜美子さん。神奈川県茅ヶ崎市から、縁もゆかりもなかったこの町へ移り住みました。「盆地」と「タロウ」を組み合わせた店名は、「町へのリスペクトと遊び心を込めた」と楽しそうに話してくれたふたり。当初は考えていなかったというカフェ開業にどのように踏み出し、町に溶け込んでいったのでしょうか。

【原爆投下後の長崎で、3人の看護学生は何を見て、何を考えたのか。映画『長崎ー閃光の影でー』を観て改めて考える、生きることの意味】

命はいつ尽きるかわからない。そうわかってはいても、多くの人がこのまま人生が続くことに疑問を持たずに生きているのではないでしょうか。でも、死がすぐ隣にある極限状態に置かれたら。きっと生きることの意味や重さは大きく変わることでしょう。1945年夏、原爆の被害者の看護にあたった看護師たちがいました。その手記をもとにした映画『長崎ー閃光の影でー』は、核兵器がもたらす悲劇を描きつつ、人が生きることの痛みと尊さを伝えてくれる作品です。

【民間として地域の“役”に立つ“場”所。和歌山県有田川町の中と外をつなぐ「しろにし」が企画する「地域維持レスキュー」とは】

「レスキュー(rescue)」は、困った人を助ける意味で使われます。語源をたどると、ラテン語の「再び(re-)」「外へ(ex-)」「揺り動かす(quatio)」に由来するそうです。その語源を新しい視点でなぞるように、少子高齢化や過疎化で困る地域の人びとを助けるため、地域の中と外をつなぐ取り組みが和歌山県有田川町にある移住就業支援拠点「しろにし」ではじまっています。「地域維持レスキュー」という総称のもと、地域の外から訪れた人たちが地域の困りごとを手助けする企画が加速する現場を訪ねました。

greenz.jpに掲載した記事一覧

2025年07月
島には、夢がある。28の離島を包括するコミュニティ財団「かごしま島嶼ファンド」で山下賢太さんが挑む、行政区を超えた“新しい自治”
「あなたが大切にしたいこと」を軸に、キャリアを選んでいい。「パーパス転職」に込めた想い【パーパス転職DAYレポート:前編】
「人生をかけて取り組むテーマと出会えた」。パーパス転職で広がった、二人の可能性。【パーパス転職DAYレポート:後編】
暮らしも商いも、健やかで楽しくあるために。薪窯パン「菊本」の菊本拓志さんが目指す「御養(おやしな)ひ屋」という生き方
辿り着いたこのまちで、楽しく生きていくには。絹張蝦夷丸さんが北海道・上川町 のまちなかで実践するローカル開業の歩み
これまでの積み重ねをベースに、WEBマガジンをどう進化させるか。多元的価値をどう生み出すか。「greenz.jp」創刊19周年の決意表明
リジェネレーションとは、生きている世界をどう取り戻すか。武蔵野大学屋上コミュニティガーデン「有明rooftopコモンズ」で感じる、あらゆる生きものの大いなる循環
自然の中で、生き方と働き方がひとつになる。千葉県木更津市のKURKKU FIELDS(クルックフィールズ)で、希望をデザインする仕事 #求人
【パーパスで出会う、会社と人】「理念への共鳴」に妥協しないHITOTOWA。お互い「しっくりきた」と語る、採用の舞台裏
平日は会社員。週末だけ”縄文”。「週末縄文人」が、現代の道具を一切使わず、文明を探求するなかで見出した豊かさ
広報誌づくりやSNS発信でまちを盛り上げ、未来をひらく。吉富町ファンをつくる“まちの専属編集者”を募集!#求人
原爆投下後の長崎で、3人の看護学生は何を見て、何を考えたのか。映画『長崎ー閃光の影でー』を観て改めて考える、生きることの意味
やわらかな想像力で、100年後の“日常”を設計する。地域を巡る資源をいかす「小水力発電」を通して考える未来
“近くて遠い大阪湾”をみんなのものに。岩井克巳さんの海洋教育が20年以上続く理由は、“楽しく、無理なく、分かち合う”から

2025年08月
正解じゃなくて、生きる根っこを探求する。実践から学ぶ、自由学園のリジェネラティブ・オーガニック農法
“資本主義ど真ん中”の人こそ、ソーシャルグッドな世界に飛びこんでほしい。人と自然の共生を目指すSANUの採用哲学【パーパスで出会う、会社と人】
人と自然が共生して育んできた蒜山高原の豊かさを、ビジネスの視点で再生する。「ひるぜんアクションツーリズム」が今年も開催!【前編】
蒜山の自然をどう見立てるかは、あなた次第。2025年は“ネイチャーポジティブ”をテーマに「ひるぜんネイチャーウィーク」を開催!【後編】
悔しさは、明るい光で乗り越える。映画『陽なたのファーマーズ』が示す新しい農業と、大地に根ざした生き方
”まちがあってあなたがいるのではなく、あなたがいるからこのまちがある”。『まちは暮らしでつくられる』の著者・杉本恭子さんが語る、小さい言葉を聴くということ
10ヶ月の期間限定”都市農業”は東京の未来にどんなレガシーを残せるか?「原宿はらっぱファーム」の、土とともに生きる暮らしを取り戻す挑戦
“金”より“菌”が、ずっと大切。菌類学者 ノエミア・イシカワさんがアマゾンのヤノマミ民族と出会って見つけた “知らないことすら、知らなかった” 世界
私たちに合った居場所が見つかった。福島県川俣町で薬膳カフェを始めたふたりが見つけた豊かな生き方
この時代を、確かに超えていく”不可逆な変容(Transformation)” をおこす。「薩摩会議2025」の進化にみる、ローカルという土壌の耕しかた
民間として地域の“役”に立つ“場”所。和歌山県有田川町の中と外をつなぐ「しろにし」が企画する「地域維持レスキュー」とは
続けることで、意味が生まれる。音楽で神戸と被災地をつなぐ「COMING KOBE」が次に目指す“死なないためのフェス”とは

2025年09月
助成金による支援を、「管理モード」から「信頼モード」へ。Trust-Based Philanthropyに基づく資金提供は、日本の非営利団体の可能性を広げていく
見えなくされてきた存在を写す。映画『ふたりのまま』に見る、幸福追求の現在地
田んぼは採用に通ず。「おこめをつくる不動産屋」omusubi不動産が取り組む“稲作的採用”の裏話【パーパスで出会う、会社と人】
自然環境の循環に学び、企業としてどう再生をデザインするか。廃棄物減量化・リサイクル率98%の石坂産業が、里山から、畑から伝えたいこと
社会課題解決を志す人とその応援者が集う1日、今年も開催。社会起業家支援に取り組むtalikiがソーシャルカンファレンス「BEYOND 2025」で目指すこと
屋外空間を通じて、“豊かな日常”をつくる。パブリックスペースの可能性を探究する「ソトノバ」の仕事 #求人
気候変動を止めるために、できることをどこまでも。働く母の小さな疑問から始まった、人生を変える大きな挑戦
地域とともに軽やかに生きる。福島12市町村で見つけたキッチンカー&移動販売の可能性
採用は、社員全員参加型。気鋭のまちづくり会社「NEWLOCAL」が語る、“パーフェクト”な採用の舞台裏【パーパスで出会う、会社と人】
紛争地サラエボからの声に応えて実現した、U2の伝説的ライブ。音楽と平和を求める人びとの熱い思いを記録した映画『KISSTHE FUTURE』
主体性が地域を変える。地域と高校、協議会が一枚岩になって育むこれからの学び。れいほく未来創造協議会が挑む、教育とまちの魅力化プロジェクトとは? #求人
たった一人の思いから支援のあり方が広がる。「育て上げネット」の体制だからこそ実現した、若者が自分らしく生きるための選択肢に気づく“売らない”珈琲屋さん

開催イベント一覧

2025年07月
・2025.07.10 福島12市町村 ローカル起業のリアル 〜苦労したことも全部話します〜(参加人数:51人)
・2025.07.17 ローカル開業カレッジ2025体験会「ローカル開業という生き方・キャリアを考える」(参加人数:28人)
・2025.07.26 パーソナリティアウトな商いのススメ 〜わたしからはじまる商いが、生きがい溢れる社会をつくる〜(参加人数:28人)

2025年08月
・2025.08.02 連載「暮らしの変人」連動ツアー!震災後の福島から北海道へ。家族ごと変化しつづける「たべるとくらしの研究所」の、現在地を見にいこう (参加人数:3人)
・2025.08.04 【オンライン説明会】わたしと双葉をつなぐ”まち商い“の旅2025 – 福島県双葉町フィールドワーク(参加人数:8人)
・2025.08.08 ローカル開業カレッジ第2期〜自分の生き方を表現する商いを始める〜(参加人数:48人)
・2025.08.21 九州一小さい町・福岡県吉富町の専属編集者になる|採用説明会 sponsored by Anbai株式会社(参加人数:12人)
・2025.08.25 「体験」で社会を変える仕事 〜 食と観光で行動をデザインする方法 presented by WORK for GOOD(参加人数:125人)
・2025.08.27 「パーパス転職とわたし」公開収録イベント:ゲスト 植原正太郎(NPO法人グリーンズ)(参加人数:45人)

2025年09月
・2025.09.09 地域共創で生み出すネイチャーポジティブ 〜産官学連携で生物多様性を回復する方法~(参加人数:343人)
・2025.09.09 ”まち商い”スクール2025 in 福島県双葉町 オンライン説明会 (参加人数:7人)
・2025.09.11 気候危機時代の小水力発電の可能性 〜 水資源をいかした持続可能なエネルギーのつくりかた (参加人数:218人)
・2025.09.13-14 わたしと双葉をつなぐ”まち商い“の旅2025 – 福島県双葉町フィールドワーク(参加人数:11人)
・2025.09.24人とまちの関わりをデザインする仕事 〜 空間とコミュニケーションを交差させる方法 presented by WORK for GOOD (参加人数:121人)

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あらためて、いつもgreenz.jpをご覧いただきありがとうございます!

非営利メディア「greenz.jp」は、2006年7月の創刊から、寄付会員「greenz people」のみなさんの支えによって、7,500本以上の記事を制作し、無料で公開してきました。

グリーンズの記事やイベントを通じて価値観や暮らし、仕事が変わったという声を伺えることも増えてきて、greenz peopleのみなさんからのご支援が、「一人ひとりの暮らしから社会を変える」ことにつながっているように思います。

「生きる、を耕す。」を合言葉に、一人ひとりの暮らしを通じた行動が社会を変えていくことを目指して、新しい時代に必要な価値観やメソッドをお届けし続けるために、新たな仲間も募集中です!

グリーンズの探求本「生きる、を耕す本」や、限定メールマガジン、参加型編集部など、greenz peopleのみなさんだけにお届けする企画もご用意しています。

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