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充電もアップデートもいらない。機種変も頻繁にしなくてOK。この世で最もシンプルなスマートフォン「NoPhone」

2015年6月13日に公開した記事を再編集してお届けします!

読書、スポーツ、食、さまざまな魅力を持つ季節、秋。みなさんの秋の楽しみは、何ですか?

かつてシリコンバレーに住んでいた、greenz.jp 副編集長のスズキコウタに質問したら、「アップルの新製品!」という声が帰ってきました。たしかに、アップルは毎年9月にiPhoneやiPadなどの最新モデルを発表することが多い様子。実際、今年(2022年)も、iPhone 14が発表されるという噂がさまざまなメディアで取り上げられています。「買うつもり!」という方も多いのでは?

リモートワークやパンデミックで外出の頻度が減ったとしても、音楽を聴いたり、ゲームをしたり、あるいは電子書籍を読んだり。私たちの暮らしにスマートフォンは欠かせません。

今回は、そんなスマートフォンが大好きな方におすすめしたい、とってもユニークな最新製品「NoPhone」を紹介します。

この「NoPhone」、手に程よくフィットするサイズとスムーズな質感で、とてもスタイリッシュな仕上がり。そして、防水機能と、防”粉砕”機能もついているそうで、どんな過酷な状況でも使える頑丈さも魅力です。これならば、よくありがちな液晶画面の破損も心配ありません!

防水機能や防‘粉砕‘機能以外にも、超軽量であることや、プライバシー対策などを打ち出しているそう

さらに細かく商品の特徴を見ていきましょう。「NoPhone」には、煩わしいソフトウェアのアップグレードや充電の手間も必要なし。しかも2014年に開発された初期型から、2022年現在に流通しているものに大きな変化はなく、頻繁な機種交換をしなくても使える様子。

2014年の製作発表時のクラウドファンディングサイトには、ウェブサイトにはiPhone6との比較表を掲載しました。かいスペックが気になる方のニーズも満たしています。

この比較表を見て、「ちょっと待って、これって本当にスマートフォンなの?」と気づかれた方も多いことでしょう。そう、実は「NoPhone」はスマートフォンの形に似た、単なるプラスチックの固まりなんです。通信機能やカメラ機能は、一切搭載されていません。

では、一体このプラスチックの物体はどんな用途があるのでしょう? 「NoPhone」をデザインしたチームは、こう説明しています。

テクノロジーに左右されることのない「NoPhone」は、あなたが常に手に握りしめているスマートフォンに代わるものであり、それでいてリアルな世界とつながることができるスマートフォンなのです。

2014年の製品発表時は、Kickstarterでクラウドファンディングを展開。1000人近い人々からの申し込みが殺到! 目標の5000ドルを遥かに超え、最終的に1万8千ドル以上を集め大成功しました。現在は、10ユーロでオンライン販売されています。

ユーザーからはこんな声が届いています。(「本当に?」というものを含めてご紹介しましょう。)

かつて僕は、スマートフォンを握りしめて寝ていたんだ。あまりの中毒状態で、夜驚症を起こして無意識にパニックを起こしてしまったことも。でも「NoPhone」があれば、そんな心配は不要さ。まだ握りしめて寝ているけれど、スマートフォンの通知で起きてパニックを起こすことがなくなったんだ。

「NoPhone」のおかげで、私のアイコンタクトのスキルが73%も上がったのよ!

「NoPhone」で、酔っ払って元カレにメールをしてしまうことが起きなくなったわ!

これさ、電話じゃなくない?

中には鏡を取り付けてカスタマイズして楽しむユーザーも!

たしかに、テクノロジーの発展とスマートフォンの普及により、私たちの生活はとても便利になりました。しかしながら、ついついSNSをチェックしたり、ゲームに没頭してしまう私たちは、小さな画面の外に広がるリアルな世界での体験やコミュニケーションを楽しむ機会が少なくなってきているのかもしれません。

いつでもどこでもスマートフォン画面を見つめている私たちは、本当の意味で豊か暮らしをしているのでしょうか。「NoPhone」をデザインしたチームは、こう話します。

世界中のどこでも、多くの人々がスマートフォンに依存しています。

携帯に依存することは、あなたのデートの時間を台無しにします。コンサートに集中して楽しめなくなります、きっと映画館でのひとときもそうでしょう。そしてスマートフォンを使いながら歩く人びとによって、側道の混雑も起き、危険です。

「NoPhone」は、私たちが提案する”リアルな”社会課題解決策なんです。

私たちが、見落としてしまいがちな大切なことをユーモラスに教えてくれる「NoPhone」。毎日持ち歩くスマートフォンを、一日だけ「NoPhone」に変えてみる。そんなことから始めてみると、スマートフォンと人の適切な距離関係を取り戻すことができるかもしれません。

[via YouTube:NoPhone Review, Kickstarter, The NoPhone]

(編集: 鈴木菜央、スズキコウタ)