グリーンズが展開しているスクールプログラム「作文の教室」は、今年で5周年になります。
「note」などブログサービスやSNSの普及、多くの企業のリモートワークへの転換により、文章を用いたコミュニケーションをより良くしたいというニーズの高まりを感じています。
「作文の教室」は今後も続けていくのでぜひ参加してほしいですが、読者の方々、greenz peopleの方々、クライアントの方々など、グリーンズの周りにいるステークホルダーたちから寄せられた質問に答えていく「作文の相談室」という神出鬼没の連載を始めました!
第2回もひきつづき「greenz challengers community」メンバーのかめちゃんが、greenz.jp副編集長のスズキコウタに質問。今回は「書くことを仕事にするために努力したらいいこと」を聞いてきました!
かめちゃん
学生時代に田舎好きが開花したものの、地元・新潟を離れ東京に住んでいる。10歳離れた姉に甘えてばかりの社会人3年目。
Q. 書くことを仕事にするために、日頃どんな努力が必要だと思いますか?
自分にしか書けない、を見つける旅に出る。
コウタ まず最初に白状しちゃうと、僕はいわゆる読書家ではありません。本を読むよりも実際に人に話を聞くことの方が楽しいし、体験することの方が楽しい。ただ、オンライン上に転がっている最先端で未来を感じるアートやプロダクトやムーブメントの紹介記事を貪ることが大好きでした。TwitterやFacebookやRSSリーダーなどを駆使して、ひたすら収集してましたね。
収集するだけではダメで、その中から特に自分の心をガシッと掴む記事をきちんと選別しておくこと。そしてその選別した理由を明確に持っておくことは大事にしてますね、今も。そうすると書きたいことや、書き手として追求していくテーマが見えてくる。
コウタ 今もかつても”編集者”って、多趣味で、あちこちにアンテナを張り巡らしていて、いろいろ知っている。あるいは、知ったかぶりがうまい・・・まあ、それは半ば冗談ですが(笑) でも、そんな好奇心と知識をたくさん貯めておく裏にはインプットという努力があるんですよね。(ちなみに僕はTwitterとFacebookを使うのをやめましたが、オンラインだけがインプットの手段じゃないです。)
インプットというと、何か習慣づけなきゃいけない新しいことに思ってしまうかもしれないですが。至極シンプルな話、自分の愛しているヒト・モノ・コトをきちんと大事にして整理しておくことですよ。
僕が愛していることを例に出すと、ルイ・ヴィトンがあって。ヴィトンのファンで、こだわりや思いを語れる人はたくさんいます。歴史や販売中の製品についても、ググればいっぱい出てきます。そこで大事になってくるのが、どの視点・観察眼で見つめれば、自分にしか書けないヴィトンへの愛がほとばしる文章になるかと考えることです。
もちろん国語的な文章力は非常に大事ですけど、ライターとして仕事をしていくにはそれだけじゃ足りない。独自の視点を持っていて、他の人に書けないと読者に唸らせられるセンスはすごく大事かなと思います。
誰にでも書ける内容の文章を発信しても、正直、情報の生態系の中で埋もれてしまうだけです。読者満足は、その記事でしか読めない情報や評論や観察結果の質が鍵を握っていると思います。ちょっと偏っていても、独自の面白い視点による文章の書き手を目指して、ブレストし続けてみましょう。
P.S. 最近、僕が尊敬するテレビディレクターのマッコイ斉藤さんが「YouTubeは真似ばかりだから、本気で取り組む人はオリジナルの企画で勝負しなきゃダメ。誰かがすでにやった企画を借りた動画なんて、見たいやついるのかよ!?」と後輩に厳しく説教をする動画が公開されていて、とても共感しました。「どこかで読んだような記事」が限りなく少ないメディアにすることは、僕も副編集長として意識していることですね。
今回はプロを目指した本気な質問でしたが、もっとカジュアルな悩みや相談もたくさんお待ちしています! 相談したい方は、ページ下部の「感想 / お便りを送る」よりどうぞ。
– INFORMATION –
「作文の教室」は、ローンチしてから16年、記事発信実績7000本以上のウェブマガジン「greenz.jp」が大切にしてきたノウハウをもとに、作文力=執筆力+編集観察力を伸ばすことができるゼミクラスです。
リアルタイムでの参加はもちろん、録画アーカイブや教材を使って受講することもできます。もちろんオンライン開催なので、インターネット回線さえあれば、世界どこからでも参加可能です!
https://school.greenz.jp/class/sakubun_seminar_greenz_kotasuzuki/