自分とつながる 社会とつながる

わたしたちは小さいころから、教科書でいろんなことを学び、学校のなかでいろんなルールを守って過ごしてきました。そのせいで、「社会は教科書のなかにあるもので、自分が社会の一部だと思えない。」そんな人もいるのではないでしょうか？

けれど、自分や周りの人たちにとって幸せな社会を「つくっていく」ことができる方が、そしてそのための「学び」があった方が、幸せではないでしょうか？

例えば子どもの頃「なんのために勉強するの？」と大人に聞くと、「とりあえず勉強しなさい。」と言われ、目的もわからないまま勉強をした経験、ありませんか？中学生や高校生になると今度はいい大学に入るために勉強をし、いい大学に入れば次は、いい会社に就職するために就職活動をし、いい会社に就職すると…次はどうなるのでしょうか。それは一体誰にとっての「いい大学」「いい会社」なのでしょうか。

学校での学びのほとんどは、「社会的に認められる枠ににうまく収まるための学び」で、それらを学ぶことで自分の安全が確保されるような気になってしまい、そのような学びを経て、わたしたちは誰かの基準で自分の人生の軸を決めてしまっているのかもしれません。

けれど、自分の好奇心にしたがって、自分が何をしたいのかを知り、それにしたがって生きる方がずっと幸せではないでしょうか？そして、そのような自分が生きるうえでの軸が見つかったり、自分でつくったレールの上を進んでいる感覚を持てると、自然とその過程での学びを楽しめるような気がします。

社会と接点を持たないままに、なんでするのかわからないお勉強に時間を費やすのではなく、自分というものがより明確になっていったり、学んでいることがちゃんと誰かの役に立ったり、自分のつくりたい未来につながっていたりするために「学び」というものがあってほしい。それがさとのば大学の基本理念です。

さとのば大学とは

「さとのば大学」とは、地域に暮らしながら地域の人と一緒にプロジェクトをやってみて学び、講義は全国に散らばった受講生たちがオンライン上に集まって学ぶ大学です。現在は市民大学ですが、ゆくゆくはいろんな地域を巡れる２年制の大学院大学にしたいと、日々奮闘しています。

さとのば大学での学びは、プロジェクト学習をベースにしています。プロジェクト学習とは、プロジェクトをつくっていくために、なにかを企てたり・人を巻き込んだり・小さくはじめてみたりして、やってみたことを振りかえり次に生かす…それを繰り返していくことで、プロジェクト（仕事よりもう少し手前のもの）をつくっていけるようになる学びのことです。

現在ふたつのコースを用意しており、４つの地域（宮城県女川町・岡山県西粟倉村・島根県海士町・宮崎県新富町）と連携し、実際にその地域に行って学ぶ「地域留学コース」と、地域おこし協力隊など自分のフィールドを持っていてそこでの活動のための学びを得たい人のための「マイフィールドコース」があります。

「地域留学コース」の場合は、地域の企業と連携し、自分の興味関心を磨いていくプロジェクトからがっつり地域課題の解決に携わるプロジェクトなど、受講生にあったプロジェクトやそのレベルを決めることができます。

さらに、全国にいる受講生がオンライン上で一緒に学び合うオンライン講義を用意しています。そこでは、地域での暮らしやプロジェクト学習をサポートしたり、自分が何者なのか？自分は何をしていきたいのか？を問い直したりするための学びが詰まっています。

なぜ地域で学ぶのか？

大学進学で上京する人が多いように、「大学へ進学する」というと都市部へ行くイメージが強かったり、何かに挑戦するときも都市部の方が環境が整っていて挑戦しやすいイメージを持っていたりしませんか？また、「より都市度が高い・文明度が名高い場所に行くこと＝いいキャリア」だと思っている人も多いのではないでしょうか？

しかし実は、地域での関係性が近いコミュニティのほうが挑戦しやすいこともあります。例えば「軽トラを使いたい」と伝えるとすぐ手に入ったり、何かわからないことがあっても誰に相談すればいいかわかったり、なにかを始めやすい環境が地域には揃っています。

さらに、さとのば大学の連携地域には、人口１万人以下の小さいコミュニティの町も多く、自分が食べるものを間近でつくっている人がいたり、「人口が減ると町がどうなるのか」を話し合う大人を目にしたりすることで、自分が社会の一部の構成要素なんだという感覚を持てるようになります。

都会にいると、「社会」というものが大きすぎて、自分がそこの一部を担っているというより、どうしてもすごく小さい歯車に見えてきてしまうと思います。分数で考えてみると、分母が自分のいるまちの人口、分子が自分だとして、社会への自分の影響は分母が小さいほど大きいので、

ひとつの地域に入り、小さな社会を感じることで自分にも社会にちょっと影響が与えられるんだという感覚が持てるようになることを、さとのば大学で受講生に感じてもらえたらいいなと思っています。

自分という存在として、つくりたい未来に向けて学ぶ。そんなあたらしい大学で、一緒に学びませんか？