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11/30(土)-12/7(土)「ノンバイオレント・リーダーシップ・リトリート for Social Justice@広島」

greenz.jpでは紹介のみ行っています。お問い合わせ・ご連絡はイベント主催者さまへお願いします。


Key Message

オーガナイズチーム 鈴木 重子

少し長いけれど、2つの物語を聴いていただけたらと思います。私が、自分自身の真の力に気づくに至った物語です。

私が初めて日本を離れ、アメリカで、グループの中で勉強したのは、40歳を過ぎてからでした。始めてすぐに、困難に陥りました。アメリカ人ばかりがいるグループの中で、どうしてもうまく話すことができないのです。日本にいるときは、人前で話すことが苦にならない私が。

言葉も理解できて、内容も把握することができているのにもかかわらず、です。なぜか心身が凍りついて、どうしても口を開くことができません。『まるで、偉い人の集まりに義理で入れてもらっているようだ』と思って初めて、『日本人である自分は、根本的に、アメリカ人より劣っているのだ』と信じていることに気づきました。金色の髪と、彫りの深い顔立ちと、青い目の友人たちは、私よりはるかに優等の人にしか見えていなかったのです。

日本人の間なら、気楽に雄弁に話せることが、アメリカ人の前では気後れして話せない。気づいてさえ、容易に変えることのできない、身の凍るような劣等感に気づいたとき、はっとしました。子どもの頃から観てきた物語や、映画や、コマーシャルでは、西洋人の身体的特徴や、ライフスタイルや文化が、美しいもの、価値のあるものとして描かれる。それと自分を見比べ、『外人みたいになりたい、外人みたいに暮らしたい』と、ずっと思っていた。

そうして教え続けられてきた、『西洋人の優位』が、私自身の存在の意味や価値や、影響力についての認識に、どれほど大きな影響を与えていたかに気づいたのです。

『人間はみんな平等』と、意識の上で私は信じ、それに基づいて行動してきたつもりでした。けれど、だからこそ、意識に上らない、深い劣等感は、対話の場にのぼることがありません。アメリカ人の友人たちは、もちろんまったく悪意を持っていないので、気づくことさえ難しいのです。けれど、私たちの後ろには、西洋の国々が他の地域に、武力や経済力、そして文化に影響を与えた、長い歴史と、そこから来る意識の差がある。それに気づき、それについて語り、深い癒しを双方にもたらす選択をすることで、私たちは本当に深く、人種に関係ない相手の人間性につながることができる。

私が得た、何より大きな宝物は、自分がどれほどの、真の力を持っているのかという気づきです。国籍や人種に関係なく、私自身の存在が、他の誰とも同じように、どれほど大切で、私は、相手が世界中の誰であれ、皆が幸せになる貢献をするために、どれほどの力を、持っているのか。そのことにより深く触れるにつれ、少しずつ、アメリカ人の友人たちとの関係性は、より親しく、安心できるものになってきました。

もう一つの物語は、いわば逆向きの物語です。

私は東京大学法学部を卒業しました。そして、20代後半から、歌手として活動し、多くのメディアに取り上げられました。特に、歌手としての名声が上がってからは、周りの人たちは、私を別人のように扱うようになりました。

『東大卒、NYで活躍する美人シンガー』と言われ、たくさんの人が私を尊敬し、コンサートに足を運んでくれました。仕事のオファーもたくさんやって来ました。忙しく活動し、意味のある仕事をして、たくさんのひとに愛され、敬われて、それについて大きな喜びと感謝を感じていたにもかかわらず、いっぽうで私は常に、途方もない寂しさと怖れを抱えていたのです。確かにみんな私に、とてもていねいに接してくれるけれど、陰では、どんな不愉快さを感じているのかがわからない。

大好きな、尊敬する演奏家が私の伴奏をしてくれるけれど、それは私が有名で、サポートするとお金や名声が得られるからだと思えて、私の人柄と音楽のためだと信じられない。ひとは私を『有名なシンガー』として見るけれど、本当の私を見ていない。名声が落ちれば、いま受け取っているすべては、きっとなくなる。

それは、こころの凍るような寂しさでした。名声も、肩書きもない私が、大切にされると信じることができない。私の下で働く人たちと、本当にかけねなく、心を通わせることができない。

その経験を通じて、私が学んだのは、名声や権力のあるひとは、必ずしも幸せとは限らず、大きな悲しみや怖れを持ちやすい、そして、その権力に影響されるひとたちから、本当のことを聴くのが、とても難しい、ということでした。それに気づくにつれ、私は、名声や力関係のない、ただの『私』が大切な存在だと信じることで生まれる、もっと深い力があることを想うようになりました。

立場を超え、互いの人間性に目を向け、いま、たまたま与えられている力を、本当の意味で、いのちが大切にされる世界を創ることに向かって使うこと。
聴いてもらったのは、私自身の、たった2つの物語です。

世界の力の構造や、その歴史によって、そこに生きる私たちの、自分についての信念や、ひとのつながりの対等性や真実性が、どんなふうに影響されうるか、ということについて。

立場が上でも下でも、私たちはその力に影響される。そして、そのことに気づいていないことがある。自分の人生に目を向けるとき、この2つは、氷山の一角だということに気づいて、大きな畏怖の念を感じます。

性別、収入、人種、教育、中央と地方、宗教、話す言葉や、身体、趣向の特徴、そのほか、とてつもなく多くの要素。私が『私』だと思っているもの、誰かのことを『誰か』だと思っているもの、その後ろに、どれほどたくさんの、見えない壁があるのか。それにひとつずつ気づくことで、私はどれほど、自分にちからがあることに気づき、本当のつながりと協働に役立てることができるのか。

ソーシャル・ジャスティス。

『社会正義』という意味のこの言葉は、私にとっては、知らずに持っていた思い込みを抜け出して、ありのままの自分の大切さ、真のパワーに気づき、いま与えられているものを祝福して、望む方向に向かって使うためのワークです。

すべてのいのちが、生き生きと喜んで、自分らしく、調和を持って生きる世界を創るために。

私たちが、自分らしく幸せに生きること。

どれほどのパワーを持っているかに気づくこと。

これまで、どれほどの幸せと悲しみを持っていたかに気づくこと。

力強く、幸せに、ありのまま、一緒に生きること。

そこへの旅路への、私のいのちからのお誘いです。

プログラム

あなたは、すべての命を大切にする未来を夢見ますか?

あなたは、内なる平和を培うという挑戦的な実践に挑んでいますか?

あなたが所属するコミュニティや組織をより多くのニーズに対応できるように形作るのに役立つ、
インスピレーションと希望、そしてスキルを切望していますか?

この未来を作るために役立つ、どんな贈り物を、あなたは持っていますか?

あなたがその道を歩むために、何が必要ですか?

NVC(非暴力コミュニケーション)のツールと意識を使い、マハトマ・ガンジー と マーティン・ルーサー・キング牧師のビジョンにコミットしている
何世代もの人々のお手本からのインスピレーションを基に、ソーシャル・ジャスティス合宿は、非暴力な未来を生み出すために、
コミュニティー・ビルディングと、パワーの違いを超えて対話するための実践を提供します。

この合宿では、次のことを探求します

“危害の原因” を理解するための、新しい枠組み。“不平等を引き起こすシステムの理解” を利用して、それらのシステムの変革に、リソースを向けることができるようになるために。

「 “影響” と “パワー” へのアクセスの違い」を気づかないことが、“従来の標準的な関係性がもつ否定的な側面” を、無意識に強化してしまうかもしれないことについての理解。

“トラウマ” と “パワーの違い” が、体にどのように影響するのか。“私たち自身” と “関係性” に及ぼされるその影響を、癒すことをサポートする実践。

“ニーズを中心に据えること” と “NVCの実践” と組み合わされた “パワー”*1 と “特権”*2 のレンズが、“私たちの経験のすべての側面” をより完全に反映する「自分自身、他者、および世界との関係」を、どのように作り出すのか。

*1
“パワー” を、「ニーズに満たすためにリソースを動かす能力」として定義します。

*2
辞書の “特権” の定義は、「特定の個人または特定のグループにのみ付与または利用可能な特別な権利、利点、または免責」です。
また、ステファニー・ワイルドマンズの特権の定義は「利益と利点の体系的な授与」です。
特権グループのメンバーは、権力のシステムの支配的な側へ、意識の有無・選択の有無にかかわらず所属することで、このステータスを獲得します。

「ノンバイオレント・リーダーシップ・リトリート for Social Justice@広島」
【日時】
2019年11月30日(土)18:00-12月7日(土) 12:00
【会場】
YMCAコンフォレスト湯来
【参加料】
参加費:240,000円
早期割引(10月22日までの申込み・入金)
225,000円
【ウェブサイト】
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