水は地球をめぐる血液
今年は異常な梅雨となりました。東京でももはや夕立とよべないほどの激しい雨が降りました。これはもうスコールですね。台風もいつもよりたくさん来ているみたいだし。日本もいよいよ熱帯化してきた、ということか。
レオナルドダビンチは水を称して「地球の血液」と言ったそうです。地球上、砂漠であれ、北極、南極でもどこまでも水は存在しています。熱を吸収すれば雲となりわき上がり、冷やされれば雨となって地上に降るのです。
その結果、地球上に熱をくまなく分配し、そして宇宙へ熱を放出し、地球上の熱収支のバランスを保ってきました。
H2Oという分子量18の重さと地球の重力の絶妙なバランスがあったからこそ、この循環は成り立っていると言えましょう。まさに地球は奇跡の「水の惑星」なのです。
時として猛威をふるい、我々人間に災害をもたらす雨ですが、それでもやはり、これは「天(あま)」からの恵みである「雨(あめ)」であることには変わりがありません。
我々の都市は雨という地球の水循環の水脈を断ち切ろうとしています。アスファルトで覆われた都市には水は戻らず、地下の水は汲み上げすぎています。
基本的には雨は地中にもどしてあげましょう。そして地中にもどる途中でちょっと人間が使わせてもらいましょう。
東京では年間の平均降水量が1500ミリほどあります。ですから1軒の家の屋根の面積が100平方メートル程度だとしたら実に150トンもの水という恵みを1軒の家で得ることができるのです。我々は自然の資源のポテンシャルをすぐ近くに抱えているのですね。
雨をタンクに貯めましょう。スペースが許す限り、できるだけ大きなタンクを用意できるとよいです。乾期のあるオーストラリアなどでは20、30トンなどの大きいタンクがあります。
タンクは特別な高価なものは不要です。廃材利用でもよいのです。農業用の水タンクなどは比較的安価に売られているようです。また、木の樽は、不思議なことになかの水が腐りにくいそうです。東京の近代的な超高層のビルでも受水槽に木の樽が使われているところがあるのをご存知ですか?
味噌、醤油、酒の木樽の再利用などができるとよいです。材料はしかも循環資源でできていますし。
太陽がポンプの役割ととなって水を上に運んでくれます、それが雨です。化石資源を使わずに水を循環してくれる自然の仕組み、これを利用しない手はないのです。
右の写真は、ニュージーランドのアーバンパーマカルチャーを実践する家の雨水タンク。500リットル×2個。洗濯に使っているそうです。