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鹿児島の廃校に、ソーラーによる電力自給+雨水利用+下水の自作+薪暮らしのフルオフグリッド環境を作ります。さらにそこで「製材や溶接を含む、社会問題を解決するためのモノづくりラボ」+「医療費を軽減する高齢者向け介護予防ジム」+「本質的な場所で本質を学ぶ、あらゆる技術の研修事業」をスタートします!
1. テンダー!
はじめまして。鹿児島のテンダーです。
私は鹿児島市のすぐそばの年間家賃1万円の家で、電気・ガス・水道契約をせず(=フルオフグリッド)に暮らしています。電気は自作のソーラーシステム、熱源は薪と太陽光、水は山水を引いて濾過して飲んでいます。
これだけ聞くと、とてもストイックな暮らしをしているように思えるかもしれませんが、一般的な家電はひと通り使えています。暖房は薪ストーブだし、冬でも蛇口をひねれば、太陽熱温水器を通った温かいお湯が出てきます。
こんな生活ですから、家やインフラの維持に大きな固定費がかかりません。家賃や公共料金がかからないので、その費用を得るための労働もいりません。
妻と子供と家族4人で暮らし、特に不自由がないどころか、むしろストレスの少ない上質な暮らしをしているようにも思っています。
この暮らしを始めたのは3年前、西暦2010年代の日本で環境をなるべく汚染しない生活モデルを実現するためでした。
その暮らし自体が私にとって魅力的だった(汚れやエネルギーを外部委託しない=お金が全然かからない)のと、「人間は生きてるだけで害悪なんだ!」と、まことしやかに言う人が多かったので、やればできるし簡単だということを、立証しないことにはどうしようもないなぁ、と思ったのです。
この暮らしを始めて3年。個人として低負荷な暮らしはやっぱり簡単でした!そして、そろそろ個人を超える大きさの、次なるプロジェクトに取り掛かろうと思います!
2. 地域の廃校取り壊し計画を止める
私の住む金峰町大坂(だいざか)地区の廃校、旧大坂小学校は「耐震強度不足」を理由に、2017年始めに取り壊し予定でした。ところが私が見に行ったところ、築年数の割にはきれいだし、これは本当に耐震強度不足なんだろうか?と疑問に思えたのです。
そこで、仲間と一緒に耐震強度についての正確な数字を行政に情報開示請求したところ、なんと一般的な建物としては十分な強度があることがわかり、予算2500万円の取り壊し計画は白紙撤回となったのです。
(小学校の耐震基準が IS=0.7、公営住宅がIS=0.6、大坂小学校はIS=0.66でした。もう小学校として使うわけではないので、小学校の基準を採用する必要はありません)
土壇場で保存の決まった旧大坂小学校。鹿児島中央駅まで車で30〜40分、空港まで車で50分、目の前にはコンビニもあり、なかなかの立地です。また、ちょうど薩摩半島の中心なので、薩摩半島のほぼどこからでも30km圏内、1時間以内で来ることができます。
ここを使わない手はないと考えた私は、大坂地区の自治会長たちに使用の許可をお願いしました。紆余曲折を経て 2016年12月中旬、地域として私への貸与が決まり、めでたく2017年3月から大坂小学校を使えることになったのです。
3. 日本最大級のファブラボ「ダイナミックラボ」を作ろう!
大坂小学校を使えるならば、私にはぜひやりたいことがありました。それは、「廃材やゴミ、余剰物など見捨てられているもの」から「地下資源を使わず」に、本質的なものを作る日本最大規模のファブラボ「ダイナミックラボ」の創設です。
ファブラボというのは、デジタル制御の工作機械も含め、多種多様なものづくりの道具を揃えた、一般に開放されている貸し工房のことです。また、これまでの日本のファブラボは都市部に多く、大型の工作機械のあるところが少なかったのです。
しかし、せっかく地価の安い地方にファブラボを作るのだから、例えば製材機や自動カンナを揃えることで、地域の間伐材からモバイルハウスなどを作るWSもできるはずです。
他にも、捨てられたプラごみを破砕して3Dプリンタの原料を作ったり、3Dプリンタでは楽器を射出することもできます。壊れたプリンターやインバーター式洗濯機からは、風車や水車に使える発電用のモーターを取り出すこともできます。
知識と技術、ある程度の機械や道具、材料さえあれば、水をまかなう雨水システム、トイレの下水浄化システム、土や鉄からかまどやストーブなどの暖房&調理器具、さらには家までも作ることができます。
そして、せっかくいいものを作るのに、そのために環境を壊してしまっては元も子もありません。よって地下資源を使わずにモノを作るために、小学校をフルオフグリッド化したいと、私は考えました。
具体的には
・溶接や大型工作機械を使えるソーラー電源の設置、
・3トン以上の雨水利用タンクの設置、
・土壌浄化法やドライコンポストをベースとした下水の浄化システム、
・薪による暖房と調理システムの構築などなど。
これらの実現に必要な資材の一部は購入するけど、基本的には廃物を利用し、自分たちで施工します。
また、私自身がフルオフグリッド暮らしを3年続けてわかったことがあります。植林された林を間伐し、屎尿を堆肥化する暮らしを続け、暮らしから環境に排出するもの(=アウトフロー)が化学的に汚れていなければ、生態系は豊かになります。私が引っ越してきたときよりも今の方が、私の家の周りは鳥も虫も増えています。
だから簡単に言ってしまえば、アウトフローさえ汚れていなければ、暮らしの周りの生態系は豊かになります。私は、人間が地球のガンだとは思わないし、人間は自然が元に戻ろうとする力を、より早める手助けができると思っています。そのためには最低でも、アウトフローを汚さないシステムが必要なのです。
4. 世界から現象を見つめる教育を
また、ダイナミックラボでは、ワークショップや研修を通して、知識と技術の伝承を行なおうとしています。それと並行して、無認可の保育園「こどもラボ」、やがてはフリースクールの開設も、次年度以降の事業に盛り込むつもりです。
というのも従来の公教育は、あまりにも問題解決から離れてしまっているように私には思えるからです。例えば、物が燃えるためには「熱・酸素・燃える媒体」が必要なことを多くの人が知っているけれど、いざ焚き火を見て「あ、今足りないのは酸素だね」というように、実際に何が必要なのかを知識から判断できる人に、私は会ったことがほとんどありません。
つまり、知識と体験が乖離してしまっているのです。もちろん、火に関して言えば、実際に何が必要かを判断できなければ、うまく焚き火はできません。知っているだけでは焚き火はできないのです。
私が思うにこういった状況は、学問の側から世界を見たために起きています。学問や専門分野というのは、人間が人間の都合で世界を切り貼りしたものであって、ものごとの成り立ちそれ自体に由来しているわけではないからです。
それに対してこのラボでは、起きている現象を観察し、そこから考え始める・感じ始めることを目的としています。
それはつまり、たくさんの焚き火体験を経て、経験からエッセンスを抽出するあり方です。人はプロセスを通してエッセンスに至りますが、いきなりエッセンスから学ぶことはできないのです。
書くと難しいようですが、火の例で言うなら、子供たちと一緒にキャンプをしながら、
「あ! 今のは何が足りないと思う? 酸素? 熱? 薪?」と聞きながら、何度か焚き火を一緒に囲むと、ほとんどの子供は焚き火に何が必要かを覚えてしまいます。大事なことは、伝承を行う側が、受け手にどうあってほしいのかが明確である、ということだと思います。
このラボでは、関わる人が、自分の技術と思想で生きていけることを目的に、
人類が積み立てて来たありとあらゆる技術——例えば先住民技術全般、建築、農やパーマカルチャー、身体論、表現技術、発電方法、電子回路、さらには非暴力コミュニケーション(NVC)などの対話の技術まで——を伝承します。それらは、フルオフグリッドという本質的な環境の中で、何も汚さずに分かち合われます。
そのために私は、「一般社団法人その辺のもので生きる」という一風変わった名前の会社を作りました。
この会社では、
・本質的な知恵や技術を学び、
・廃材からモノを作り、
・お金への依存度を下げながら、
・必要最低限の収入を得つつ、
・地域の雇用を循環させる仕組みを、
これから鹿児島に作ります。
このいまだかつてない挑戦を、ぜひあなたに応援してほしいのです!
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【日時】
2017年2月27日(月)23:59〆切
それまでに集まった金額がファンディングされます。
【ウェブサイト】
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