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暴走する車が、突然現れる障害物を見てブレーキを踏む! 交通事故がGDPに影響をあたえるほど深刻なインドで生まれた、仰天のアイデアって?

Saumya-Pandya-Thakkar

みなさんは、普段から車の周囲を注意深く確認して、安全に車を運転できていますか?

交通事故を防止する対策は日々進化しており、信号機一つとっても、昔とは違いLEDで視認性の高い鮮やかなライトが導入されています。また自動車では、今では障害物を見つけると自動でブレーキが掛かったり、自動で駐車をしてくれたりと、様々な技術が開発されています。

とはいえ、いくらテクノロジーが進化して便利になったとは言え、一番大事なのは私たち、人間が行う安全確認ではないでしょうか?

幸いなことに日本では年々、交通事故の発生件数が減少していると警察庁は発表していますが、急速に経済発展を遂げているインドでは交通事故が極めて大きな社会問題に。

事故の主な原因は飲酒運転。人口の急増や経済的発展に対して、必要な法とインフラの整備、そして運転や交通ルールの教育が不十分であることが背景にあると指摘する声が多いそうです。

そんななか、親子で活動するアーティストのShakuntala Pandya(以下、シャクンタラさん)とSaumya Pandya Thakkar(以下、サウミャさん)がドライバーの安全運転を促すべく、注意喚起として取り組んでいるアート作品が、インド国内外で話題になっています。

こちらの写真をご覧ください。
 
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車を運転していると、突然現れるブロック! 「あぶない!!」と急ブレーキを踏んでしまいそうですが、注意深く良く見てみると…… そう、こちらトリックアートなんです!

トリックアートとはそもそも、遠近法などを使って平面に描かれた絵が立体的に見えるような錯覚を用いたアートのこと。そんなトリックアートを、芸術としてだけではなく、交通事故を未然に防ぐための方法として実際の道路に描いたわけです。

ドライバーの視点からでは横断歩道が3Dのように浮かび上がり、近づくほど立体的なブロックのように見える。みなさんも運転をしていて、ブロックのようなものが目に入ってきたら、当然、速度を落としてしまうのではないでしょうか?
 
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今回のデザインでは、リアリティのあるものを描くのではなく、ドライバーが近づいた時に”ただの絵”だと認識できることを念頭に置いて描いたそう。下の画像のものは、横から見ると縦に伸びた線がV字のように描かれており、当然ブロックなどは見当たりません。
 
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シャクンタラさんとサウミャさんは、ある日、アフマダーバードのハイウェイを整備している地元企業に「学校の近くに交通事故の多発する場所があるので、何か対策はできないか」と相談を受けて、トリックアートを描くことにしたといいます。

とはいえ、トリックアートで交通事故を抑制しようというアイデアは、ふたりの発案ではありません。ふたりは、以前に中国で同じように事故防止のために用いられたトリックアートの写真を目にしていて、「これはインドでも活かせるのではないか」と考えたそうです。

実際に道路にトリックアートを描いた時の様子を、娘のサウミャさんはこう話しています。

サウミャさん 3Dで立体的に見えるように、何度も計算しないといけないのが大変でした。なので、絵を書く時間よりも、絵の周りを歩いたりしている時間の方が長かったですね。

街や依頼元の企業から目に見える効果がしっかりと出ていると報告を受けていて、私たちも喜んでいます。

 
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シャクンタラさんとサウミャさん

2015年のインドにおける交通事故発生件数は50万件以上、交通事故死亡者数は14万人以上と世界でも最悪となっている状況です。日本では、交通事故による死亡者数が例年で約4000人程度であるため、比較するとインドは約35倍の数。交通事故が原因で、GDPの3%が削られているとまで言われています。(出典元:BBC
 
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トリックアートを交通事故対策に用いるというこのアイデア。みなさんは、どのような感想を持ちましたか?

「これならば、ドライバーも緊張して運営するからいいかも!」
「いやいや、これが道路に突然現れたら、急ブレーキを踏んでしまうから危ないんじゃない?」

きっと色々な意見があるのではないかと思います。

長年、世界各国で交通事故を防ぐための対策が考えられていますが、私たちがテクノロジーや対策に甘えることなく、自分自身の目と耳に注意を払った安全運転を心がけるのが一番大事ですよね。

みなさんは、より多くの人々に安全運転を心がけてもらうために、どんなアイデアを考えますか? 思いついたことがあったら、ぜひコメント欄で教えてください!

[Via CITYLAB, BBC NEWS, the guardian, DW.com, indiatoday, 警察庁, Autocar Professional, Mirror]

(Text: 米津琢磨)