カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバル2013受賞作を紹介する連載、今回はブラジルからです。
ブラジルの熱帯雨林は、いま驚くべき速さで破壊されています。でも、そんな事実は都市で生活している人には実感がありません。なんとか森林破壊について多くの人に関心を持ってもらいたい。そこでブラジルのWWF(世界自然保護基金)は、最新のデジタル技術を使ったアクションを実施しました。
ブラジルの人たちの関心ごとといえば、なんといってもサッカーです。メッセージを伝えるために使われたのは、注目を集める女子サッカーの試合のテレビ中継。テレビで試合を見ていると、緑色のフィールドが、どんどん茶色くなっていきます。4分の間で、芝生はなくなり、すっかり土がむき出しに。ええっ?と思っていると、バナーのような形でWWFのメッセージが表示されます。
「ブラジルでは、4分ごとにサッカー場ひとつ分の森が失われています」。
この突然の訴えは衝撃を持って受け止められ、WWFブラジルのウェブサイトのページビューは73%も向上。ソーシャルメディアでも動画が広まり、森林伐採への関心を高めることに成功しました。
事実をわかりやすい何かに例えることはありますが、実際にそれを心の準備がない状態でリアルに見せられると、直感的に情報が刷り込まれますよね。実感型のインフォグラフィックと言えるでしょうか。
カンヌライオンズ受賞作の連載はまだまだ続きます!引き続きお楽しみに。
(翻訳協力:モリジュンヤ)