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使わないのが一番グリーン!いつでもどこでもエネルギーをモニターできる「Wattio」[green power funding]

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全4回のシリーズ「green power funding」では、クラウドファンディングによって生まれた自然エネルギーの普及を支えるプロダクトを紹介する、インターン宮本くんのマイ企画です。最後は【はかる】プロダクト!

みなさんは、最もグリーンなエネルギーって何だと思いますか?太陽光でも風力でもバイオマスでもなく、

最もグリーンなエネルギーは、”使わなれないエネルギー”!

と言うのは、スペインのスタートアップ「Wattio」のCEO・Patxi Etxebeste(パティさん)。

以前は太陽光発電の研究開発を行なっていたパティさんですが、あるとき「エネルギーをつくり出すことよりも使う量を減らすことの方が大切なのではないか」と考えるようになりました。そうして彼は、簡単にエネルギーの節約ができるシステムをつくることに決めたのです。

シリーズ [green power funding] 最終回では、どんな家でも簡単にスマートホームに変えてくれるエネルギーモニタリングシステム「Wattio SmartHome 360º」を紹介します!

エネルギーモニタリングシステムってなに?

Wattio SmartHome 360ºは、どのような仕組みでエネルギーを節約することができるのでしょうか。セットに含まれているのは「Gate」「Thermic」「Bat」「Pod」という4つのアイテムです。

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左から、Gate、Thermic、Bat、Pod

Gate:Pod、Thermic、Batのすべてをコントロールすることができるディスプレイ。このGateからでも、スマホやパソコンからアプリを使っても管理することができます。

Thermic:室内サーモスタット(自動温度調節器)。温度調節をスマホからすることが可能。

Bat:配線板のなかにセットすることでエネルギー消費量がわかる、エネルギーモニター。

Pod:スマートプラグ。コンセントにセットするだけで、家電の電源のON/OFFをスマホからコントロールできるようになります。
 

使い方は簡単。まずはPodを家電のプラグにつなぐだけ。

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すると家の電気の消費量を、Gateやスマホからチェックすることができるようになるのです。

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ただチェックできるだけでなく、外出先にいながら家の電気をコントロールすることも可能。点けっぱなしにしてしまったライトや、電源をONにしたままにしてしまった家電をOFFにすることができます。Thermicを使って、温度調節もスマホからOK!

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Batで測った家のエネルギー消費量を友だちと比較して、節電のコツを共有することもできるんだそう。ゲーム感覚で節電に取り組めそうですね!

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震災以降、多くの人々が節電に取り組んできたと思います。ただ、実際に自分がいまどのくらいの電力を使っているのか、というのはなかなか分かりづらいもの。このWattio SmartHome 360ºによって消費電力を”見える化”することで、節電の効果を簡単に知ることができそうです。

また節電としてはもちろん、家の照明や空調をリモートコントロールできることで、健康管理や防犯対策としても利用することができるんだとか。体が不自由な方やお年寄りの方にとっても負担が軽くなりそうですね。

エネルギーを使わなければ、環境にもお財布にもやさしい

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ではWattio SmartHome 360ºを使うと、どれくらいの節約をすることができるのでしょうか。

Wattioの説明によれば、照明代を1年間に$130(約1万3000円)、空調代を$300(約3万円)節約できるとのこと。もちろん節電はお財布だけでなく環境に対してもやさしく、もしヨーロッパすべての家庭がWattioを使ったら、年間3300万トンのCO2を削減することができるそうです。

「使わないエネルギーが1番グリーン」というパティさんの意見にも納得です。

「このコミュニティは僕たちの財産」

Wattioは米クラウドファンディングサイト「Indiegogo」により、目標金額の$90,000をを上回る$113,756(約1100万円)の資金調達に成功!

この資金をもとに今年の5月に生産をはじめ、8月にはついにバッカーたちに向けて、最初のWattio SmartHome 360ºを発送することができるそうです。

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パティさん

パティさんはあるインタビューのなかで「なぜクラウドファンディングを使うのか?」という質問に対し、こう答えています。

Wattioのファンを増やしたかったからさ。このコミュニティは僕たちにとっての財産であり、僕たちは彼らと一緒に成長していくよ。

多くの人々の期待や応援によって、アイデアを実現させることができるクラウドファンディング。ただの企業とお客さんという関係でなく、価値を共有できるコミュニティをつくる役目もある。それが、一番のメリットなのかもしれません。

日本でも必要とされているエネルギーのイノベーション。あなたもクラウドファンディングで始めてみませんか?
 
(Text: 宮本裕人)

[via Watiio, Indiegogo, Earth Techling, code-n.org]