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水問題はこれで解決!?ペルーの大学が作った、空気から水を作る巨大看板

water-billboard

蛇口をひねれば、当たり前のように出てくる 水。
資源に恵まれた日本にいると、水の大切さを実感することは少ないかもしれません。

しかし、ひとたび世界に目を向けてみると、水不足は深刻な問題です。世界の約7億8000万人、実に9人に1人が安全な水を利用できていないのです。(cf. water.org
 

南米・ペルーの砂漠に位置する都市・リマも、水問題を抱える地域のひとつ。
リマでは年間を通してほとんど雨が降らず、人々は日々、水不足に悩まされています。多くの人は井戸を使って地下から水を得ていますが、その水は汚く、飲料水には適していません。

今回紹介するのは、そんな水問題を解決し得る技術。水不足に悩む国の名門工科大学「UTEC(The University of Engineering and Technology)」が生み出した、空気から水を作る巨大看板です!
 

 
彼らが注目したのは、湿気。なんとリマでは湿度が98%もあり、巨大看板はその湿気を飲み水に変えているのです。

water-billboard system
空気中の水蒸気をつかまえ、いくつものフィルターにかけることで人が使える水へと変えていきます。

 
この巨大看板は、1日約100L、3ヶ月で9,450Lの水を作り出すことができるとのこと。9,450Lというのは、リマに住む数百世帯が1ヶ月に消費する量に値します。

water-billboard people
 

今はまだ1箇所にしかないこの巨大看板ですが、これからいくつもの場所に建てられれば、リマの水問題の解決につながそうです。

しかし「いくつも建てる」と言っても、それにはお金が必要です。そのお金は看板本来の使い方によって、つまり広告費を得ることでまかなうことができるかもしれません。スポンサーとなる企業が現れれば、看板の普及はより現実的なものとなります。

技術の面でもしくみの面でもよくできたこの巨大看板。水不足に困っている人々を助けるための、大きな可能性を感じさせる技術とアイデアです。
 

普段は何気なく使っている水ですが、このような世界の出来事を知ることで、改めてその大切さを意識することができます。水資源豊かな日本に住むわたしたちも、「水は限られた大切なもの」ということを忘れずに暮らしていきたいですね。
 
 

(Text: 宮本裕人)
[via Co.EXIST, designboom