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日本初のリジェネラティブ・オーガニック認証が誕生。仁井田本家が醸したパタゴニアの自然酒「やまもり2025」が拓く、生態系再生の未来

[sponsored by パタゴニア日本支社]

リジェネラティブ・オーガニック(以下、RO)農業の拡大に取り組むパタゴニア日本支社から、日本で初となるRO認証を取得した日本酒「やまもり 2025」が誕生しました。

認証に至る5年近い年月や背景をたどると、日本初という三文字に収まりきらないほどの物語が見えてきました。RO認証の取得は単なる栄誉に留まらず、水田という生態系がもつ本来の機能と価値が、国際基準によって証明された結果でもあります。

発売に先駆けて、「やまもり 2025」を手がけた福島県郡山市の老舗酒蔵・仁井田本家と、ともにROを探求する専門家や生産者が一堂に集まり、ROに関する取り組みを発表した場にお邪魔しました。11月27日に東京で開催された「リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2025 水田稲作システムと日本における可能性」の様子とともに、この挑戦の全体像をご紹介します。

やまもり 2025 グリーンズ

農地の管理だけがROじゃない
より多く地球に「返す」ために

パタゴニアはミッションとして「故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」と掲げている企業です。いわば地球のためにビジネスをする同社がRO農法に取り組む意義は何なのか。パタゴニア日本支社 インパクト部のディレクターを務める近藤勝宏(こんどう・かつひろ)さんはカンファレンスに先立ち、農業従事者への敬意と合わせて「農業のあり方は、地球に影響している」と語りました。

近藤さん パタゴニアは、コットン製品の全てにオーガニックコットンを使用していますが、コットンをはじめとする天然素材は、農業に依存するかたちで成立しています。私たちの暮らしも同じですよね。さらにその農業のあり方こそ、地球全体の健全性に大きな影響を与えているんです。逆に言えば、農業のあり方が変わっていくことで、地球を救う有効な解決策になり得る、という可能性に気がつきました。その解決策の鍵となるものが、RO農法だと考えています。

リジェネラティブとは、日本語で「再生」と訳される言葉ですが、私たちはROを「つくればつくるほど土壌や農地の生態系が再生される農法」と捉えており、地球から受け取るよりもより多くを地球に返すことができる農法だと考えています。

RO農法の認証団体が掲げるキャッチコピーは、「世界はこの農業にかかっている(Farm like the world depend on it)」。この言葉が意味する通り、RO認証は農法や管理の基準を設けるだけの制度ではなく、それらを含めた農にまつわる全体システムの変容を促すものとしてつくられました。

RO認証の基準となるのは、土壌の健康、動物福祉、社会的公平性という3つの健全性。それぞれにおいて、有機JASなど該当する認証を取得していることが前提であり、RO認証はそれらを包括的に取りまとめる高い国際基準となっています。

2017年、パタゴニア、ドクター・ブロナー、ロデイル研究所の3団体が支援し、RO認証が誕生。試験期間を経て実際にRO認証を受けた製品が市場に出たのは、2019年でした。パタゴニアも2020年から、RO認証のプロダクトを販売しています。以後、全世界で広がり続けたRO認証は現在、世界45カ国、2,735もの製品が認証を取得しています。(2025年11月現在)

パタゴニアRO認証実績 グリーンズ

2025年11月現在、世界でRO認証を受けた農地の合計面積は800万ヘクタール、認証取得生産者は6万人を超えた。また認証はブロンズ、シルバー、ゴールドという3つのレベルがあり、認証取得後もさらに高みを目指すことが可能(画像提供:パタゴニア日本支社)

畑とは根本的に違う
水田が水田であるためのガイドライン

立ち上げから数年のうちに全世界へと広まったRO農法ですが、その中心にあったのは大陸型の農業、いわば畑で育てる畑作作物に関することでした。畑地は、草や樹木、微生物などの動きを活かしながら、土壌に二酸化炭素を貯留することが可能であり、RO認証でも、土壌の健康と環境保全につながる土壌をなるべく耕さないという考え方が基盤にあります。

しかし畑地での考え方は、モンスーン(季節風)に支えられた稲作文化の地域にそのまま当てはめることはできません。畑と田んぼは、機能も特徴も根本的に異なる農地です。環境保全の側面から、水田で発生するメタンガスが二酸化炭素よりも温室効果が高いことが指摘されますが、水田は単なる食料供給地ではない、と考える必要があります。水田があることでその周辺に多様な生きものが育まれ、山からの水を治水する機能も果たしてきました。つまり単体で成立し得る畑地と比べて、水田は周辺環境とのつながりのなかで成り立つ農地だと言えます。

そのためパタゴニアでは以前から、水田に特化したRO認証のガイドラインの必要性を指摘。国際社会への理解を求めながら、前述の仁井田本家をはじめとする国内のパイロット農家や専門家たちと協同し、2021年からRO水田の実践と要件策定の協力に取り組んできました。

そしてついに、5年近い年月を掛けた2025年、RO認証に水田稲作ガイドラインが制定されました。同時に、晴れて日本初のRO認証となった農地が、仁井田本家の自社水田。そしてそのお米からつくられた日本酒が「やまもり 2025」です。カンファレンスでは、パタゴニア日本支社でリジェネラティブ・オーガニックリサーチ担当の木村純平(きむら・じゅんぺい)さんから、水田稲作ガイドラインの概要が紹介されました。

木村さん 新しく制定された水田稲作ガイドラインは、RO認証の3つの基準のうち、土壌の健康に位置するかたちで公開されました。例えば水管理については、水田水域の生物相保全や生態系ネットワークの構築、流域治水への協力などが必要とされています。また畦畔の植生管理や、堆肥、排水などについても基準が設けられました。

ただこれはあくまでグローバル認証であり、実際の水田は非常に多様ですので、それぞれの事業者や地域特性をカバーするかたちが取られています。また重要なことは、何のためにこうした管理を行うのか、目指すビジョンとなる共通理解を持つことです。そこで私たちは、水田ガイドラインのコンセプトを9つに整理しました。

RO認証 水田稲作システム グリーンズ

周辺環境や水域と密接な関係である田んぼが健全でないと、その影響は計り知れない。水田稲作ガイドラインはこちらから全文確認可能(画像提供:パタゴニア日本支社)

さらに木村さんは、早くも次なる課題を視野に入れていました。

木村さん 今回のガイドライン制定を経て、次のステップこそ、壮大なチャレンジになると考えています。RO認証を受けた水田で、どのような実践によって、どんな価値が生み出されたかが評価されることになるためです。

水田を管理する生産者は、すなわち生態系管理者です。実践に対して生物からの応答には時間がかかることもあるでしょう。周辺の環境条件によって、得られる成果も全く違うものになるでしょうし、結果が出るまで数カ年かかるかもしれません。

しかしこのチャレンジこそが達成したいことであり、評価の鍵となるのは、周辺環境を含む生物多様性評価だと考えています。日本でこの実用的な発展をどこまで促進できるか、新たな挑戦がはじまる時だと思います。

やまもり2025 グリーンズ

「日本にRO認証の農地が誕生したことは、ゼロが1になったという、とても大きな功績だと考えています」と木村さん

データと実践が集結。気候危機対策の
ためにも重要な、水田の生物多様性

「リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2025 」では、RO水田のパイロット農地を管理する生産者と、定義を探究した専門家たちが登壇。水田ガイドラインの制定と合わせて、水田そのものの存在価値について幅広い視点から言及しました。

美しい調査先の田園風景とともに、日本の気候と風土から考察された水田の重要性を解説したのは、国立環境研究所の特別研究員である田和康太(たわ・こうた)さんです。

水田に欠かせない河川は歴史上、定期的な氾濫によって河川周辺に土砂などが堆積し、生物多様性の高い湿地環境がつくられてきました。また日本には、谷津田(やつだ)や棚田(たなだ)など、その土地の特徴を活かしてつくられる多様な水田があり、水管理についても、溜め池や温度調整のために迂回する水路といった工夫を重ねながら、水田のある風土が守られてきました。

水田に暮らす生きものの数は約6,000種類に及び、生きものたちは農事暦によって様子を変える水田でたくみに生き抜いてきた存在です。戦後、大型化し機械化も進んだ近代の水田では生きものが減少し、さらに生産者の減少とともに水田そのものが減っています。それでも現代において大規模な浅い湿地はほぼ水田しか存在しないため、水田稲作は生物多様性の保全と同価値であるという見解が示されました。

やまもり2025 グリーンズ

特に第二次世界大戦後の近世日本では、気候風土に応じて地域ごとに多様な農法が発展し、水田の持続可能性を支えてきた。これからも水田のある風土が長く続いてほしい、と田和さん

続いて、2008年ラムサール条約COP10など、国際的な水田の価値の認知に貢献してきた、NPO法人ラムサール・ネットワーク日本の呉地正行(くれち・まさゆき)さんから、水田文化に関するお話がありました。

歴史上、人々は自然湿地を水田に変えながら生活してきたため、湿地はどんどん人工湿地である水田に置き換わり、減少していきました。しかし人間が管理する水田は、人々のはたらきかけに呼応するという性質を持ち合わせており、事実、何千年も続いてきました。冬期にも水を張る「ふゆみずたんぼ」のような工夫をすることによって、農地として利用しながら湿地環境の回復も可能だと言えます。

呉地さんは、現在の環境対策の進め方としても、生物多様性の高さを考慮すべきというデータを示しました。特に問題として挙げられたのは、稲の成長促進のために田んぼの水を抜く「中干し」がメタンガスの抑制に対しても効果的であることから、その中干しの期間を延長することが温室効果ガス排出削減効果としてJ-クレジット認証され、収益化されていること。それにより、水を抜く中干し延長によって水田が強く乾かされることは、水田という湿地を利用する生きものへのネガティブな影響が甚大です。十分な調査がないまま中干し延長が推進されていることについて指摘し、適切な工夫が必要であることに言及しました。

やまもり2025 グリーンズ

気候変動よりも生物多様性を「入り口にしてほしい」と呉地さん。トレードオフを緩和し、同時に食料供給と水源涵養、周辺の気候緩和といった公益性にも論拠を示した

水田の生物多様性について、ネイチャーポジティブの観点から強調したのは、株式会社シンク・ネイチャーの久保田康裕(くぼた・やすひろ)さんです。

生物多様性のマクロ生態学を長年研究してきた立場から、近年の日本における水田面積の減少に触れ、水田を生息地とする生きものも比例して減少してしまうことを伝えました。また、データ解析された地図を動かしながら、RO水田の実践に取り組むパイロット農地(福島県・仁井田本家、兵庫県・坪口農事未来研究所)周辺と、生物多様性における重要なエリアが重なっていることを見せてくれました。

水田には、水田周辺の生物多様性を保持する効果があり、かつそれがRO農法や農薬不使用・無化学肥料の水田であれば、どれほど生物多様性に寄与するかをビッグデータで解析。Means Species Abundance(MSA)という指標で見ると、一般的な慣行栽培の水田に比べて、平均30〜50%も個体数の増加が見られました。

過去40年間で減少した水田とともに生物多様性は、このまま何もしなければ減少の一途を辿ります。しかし、現状の水田を全てRO水田(農薬不使用+湛水管理)的に管理したと仮定した場合、「これからの50年間で、過去40年間に失った生物多様性を取り戻せる見通しとそのポテンシャルがある」と力強い見解が示されました。

やまもり2025 グリーンズ

時間はかかるけど諦めないこと。未来は選ぶことができる。RO農法は地球を救う科学的なアプローチだと思っている、と久保田さん

カンファレンス後半では、RO認証取得に向けた協同について、協同実践者および共同研究の専門家の登壇がありました。兵庫県豊岡市で35ヘクタールの農地を運営する坪口農事未来研究所は現在、農地の一部でRO認証取得を目指しています。登壇した平峰拓郎(ひらみね・たくろう)さんは、長年取り組んでいる生物多様性を基盤とした「コウノトリ育む農法」と合わせて、同社ならではの取り組み、そしてRO認証取得に向けた課題などを共有しました。

やまもり2025 グリーンズ

坪口農事未来研究所は現在、ブロンズレベルのRO認証取得を視野に入れている。土壌の撹乱や省耕起などがどれほど求められるかを調整しているとのこと。また、有機JASと合わせた認証コストの負担という課題についても提起した

坪口農事未来研究所の圃場などでコウノトリや水生生物の研究をしているのは、兵庫県立大学の佐川志朗(さがわ・しろう)教授です。カメやヘビを含む幅広い水生生物を食す肉食のコウノトリは、水田生態系の頂点種であり、流域の生態系ネットワークや保全の観点からもRO水田を推奨する見解が示されました。

やまもり2025 グリーンズ

コウノトリは環境の変化と人間による乱獲で1970年代に絶滅。最後の生息地が豊岡市だったことから、同市は先駆的に保護活動に取り組む。2005年からの再生事業を経て、現在では全国54箇所に営巣地が確認されている

島根大学の金子信博(かねこ・のぶひろ)客員教授からは、仁井田本家の圃場を調査したデータを中心に、日本型ROの利点が伝えられました。

やまもり2025 グリーンズ

近隣の水田と比較しても、希少植物を含む非常に豊かな水田環境であることと、夏季がピークを迎えるメタンガスの発生は、その4倍以上の吸収力をもつ仁井田本家の所有林によって相殺されていた、と金子さん

それぞれの登壇後、モデレーターの君島佐和子(きみじま・さわこ)さんを迎えて、平峰さん、佐川さん、金子さん、仁井田本家・仁井田穏彦(にいだ・やすひこ)さんによるディスカッションも行われました。印象的だったのは、RO農業の拡大に向けて「私たちにできること」が問われた際の、佐川さんと金子さんの意見です。

佐川さん これまでの話にもあったように、水田は周辺との関わりが欠かせません。さまざまな保全型農法があるなかでRO農法が特徴的である理由のひとつは、水田を「全体的な水循環のなかの水田」として考えられているところです。これは非常に時代に即した認証基準とも言えます。今多くの方が、地球が危機的であることを実感されていると思いますので、時代に合った良いものである以上、RO農法に興味をもつ人たちはこれからもっと増えていくでしょう。

金子さん 関わり方に想像力をはたらかせることは大切ですね。私自身、研究者である前に消費者でもあります。誰かが担ってくれている大変な農業を応援する気持ちがあれば、自分自身もそのお米を購入して食べること。そのためにも、消費者が大きな負担なく買える価格であることも非常に大事だと思います。今、有機栽培におけるコストは生産者だけに掛かっていますが、これはおかしいですよね。どちらかといえば、農薬や化学肥料を使っている慣行栽培の生産者が、使った分を報告する方が本来でしょう。

やまもり2025 グリーンズ

君島さん(写真左)をモデレーターに、平峰さん(左から2人目)、佐川さん(中央)、仁井田さん(右から2人目)、金子さん(右)でのディスカッション。生産者である平峰さん・仁井田さんからは、例年増加する気候危機の実感や、水田が水田であることの重要性などが語られた

国内でも監査可能に。
日本で始まるROムーブメント

2025年、水田稲作ガイドラインの制定とともに、日本国内ではRO認証にまつわる二つのターニングポイントを迎えました。

まず一つ目は、日本におけるRO認証の監査が可能になったこと。これまではRO認証を望んだとしても、海外の第三者認証機関に監査を依頼する必要があり、現地監査の段取りやコミュニケーションなどが大きく立ちはだかっていました。しかし新たに、有機JASなどの認証サービスを提供しているエコサート・ジャパン株式会社が、RO認証の監査サービスを開始。RO認証拡大に向けた、非常に大きな一歩です。

近藤さん 日本国内で監査が可能になったことにより、RO認証に興味をもっている生産者や、このムーブメントを盛り上げたいと考える企業に向けて、大きく扉が開かれました。みなさんと一緒に日本の農業を変え、自然と共生する未来を築くための、スタートラインに立つことができたと考えています。

やまもり2025 グリーンズ

近藤さん(写真左)と仁井田さん(中央)とともに、日本でのRO認証について語ったのは国内監査サービスを提供するエコサート・ジャパン株式会社 吉澤達雄さん(右)

二つ目は前述の通り、国内にRO認証を受けた水田と商品が実際に誕生したことです。今回認証された仁井田本家では、酒蔵の運営と並行して、2009年に農業法人・株式会社仁井田あぐりを設立。同社で管理している約7ヘクタールのうち、約半分の有機JAS水田がRO認証を取得しました。自然酒「やまもり2025」は、このRO認証の原料米100%で製造されています。  

日本酒の原料は、お米とお水のみ。仁井田本家では山の湧水を生かして水田を育み、そのお米をつかってお酒を醸し、さらに水田を見守る自社の山の杉でつくられた木樽で熟成しています。自然酒「やまもり2025」も、製造にまつわる資材が全て風土によって育まれているお酒です。

近藤さん 「やまもり2025」がRO認証を取得したことによって、自然観を背景としたプロダクトに関心が高まり、購買行動や食のマーケット、あるいは企業のビジネスのあり方に一石を投じることができれば、と期待しています。

やまもり2025 グリーンズ

仁井田本家の特徴ともいえる透明感と、スキっとした味わい。甘味も酸味も感じられて、お蕎麦や新鮮な魚介系に合わせたいおいしさ。アルコールは13度

今後に向けて気になるのは、認証がどれほど険しい道のりだったのか、です。仁井田本家18代目の当主であり杜氏の、仁井田穏彦さんはこう語ります。

仁井田さん パタゴニアさんからRO農法に関するお話を聞いた時、ぜひうちも挑戦したいと思って迷わず手を挙げました。認証まで5年近くかかりましたが、それまで知らなかったことを知る機会となり、非常に大きな意味があったと思っています。

仁井田本家の田んぼはもともと有機JASも取得していましたし、50年以上前から農薬も肥料も使わない自然栽培を実践していたので、少しは環境にいいことをしていると思っていたんです。国際的には、メタンガスなど水田の環境負荷が問題になっていると知った時は正直ショックでした。

しかし今回認証に向けた過程のなかで、水田から排出される温室効果ガスを山の木々が吸収してくれていることが分かりました。自社保有の山は50ヘクタールですので、相殺する以上にプラスの貢献をしている可能性も示されたんです。

また、RO認証に向けて、水田や土壌のことだけでなく、社会的公平性の概念に触れたこともとても大きな意識の変化となりました。一緒にはたらくスタッフや契約農家さんに対して、リビングウェイジという一定水準の生活賃金を意識したり、猛暑時期の空調服など労働環境の見直し、それから農業を次世代に継がせたいと思えるような金額でのお取引きなどを実践しています。やはり一緒に仕事をする人たちには幸せでいてほしいですし、仁井田本家は「良い会社」を目指していますので、その思いを鮮明にする機会になりました。

今できていることと、まだできていないことがはっきり分かったことで、目指したいゴールも見えてきて、このまま続けていけば絶対良くなれるはずだ、と実感できました。スタッフもみんな楽しそうにしていましたし、私自身、苦労というよりワクワクの方が大きかったです。

やまもり2025 グリーンズ

より良くなるための変化として、このチャレンジを前向きに捉えていた仁井田さん。認証取得後も、水生生物たちが回避できるマルチトープ(江)を水田に施すことや、酒粕を加えた堆肥化など、工夫と努力を続けている

今回、RO認証にまつわる多様な立場からお話を聞き感じたことは、日本初のRO認証が特別で画期的な出来事でありながら、同時に、再生に向けた大きな動きのひとつだということです。水田と周辺環境において長い間育まれてきた循環や生きものたちの営みは、RO認証によって立体的に語られはじめ、再び立ち上がる力強い可能性を示しました。私たち人間がどう関わり、何を選択するべきか。覚悟を問われる時が来ています。

(撮影:イワイコオイチ)
(編集:村崎恭子)

– INFORMATION –

「やまもり 2025」、2025年12月11日より発売開始。

RO認証を受けたお米「雄町(おまち)」を100%使用し、精米歩合は85%と抑えめです。そのためお米の旨みがしっかり感じられるものの、日本酒らしい酸味もあって、全体的にとてもクリアなおいしさ。食事の味を引き立ててくれる存在です。

サイズは720mlと、150mlの2種類。みんなで集まる時はボトルで、キャンプやお花見にはミニサイズを持参など、楽しみ方もいろいろです。おいしい日本酒を味わいながら、農業や環境課題を話題に挙げ、身近な人の考えを聞いてみましょう。購入はパタゴニア直営店、オンラインショップ他、取扱各店にて。

やまもり2025 グリーンズ

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