外に出る気力が湧かない、人の目がこわい。そんなふうに感じたことはありませんか。かくいう私も、娘が体調を崩したことをきっかけに「学校に行くのがこわい」と登校したがらない日々が続いたことがあり、決して人ごとでないと感じています。
就学や就労、交遊といった社会的参加を避けて、おおむね家庭にとどまる状態が長期間続く「ひきこもり」。内閣府の調査では、15〜64歳の約146万人、50人に1人がひきこもり状態であることがわかっています。(「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」参照)人間関係の行き違いや体の不調などをきっかけに人とのつながりが薄れてしまい、孤立してしまう。それはきっと、誰にでも起こりえることではないでしょうか。
そんな中、2021年(令和3年)に厚生労働省がスタートしたキャンペーンが、「ひきこもりVOICE STATION」です。
当事者一人ひとりが相談につながりやすい地域社会を実現するために、ひきこもりに対する適切な理解の輪を広げていこうとする取り組みで、当事者の声を伝えるポータルサイトの運営のほか、地域の人たちへ取り組みを伝え、ともに考えるキャラバンを全国で展開。これまで22の都道府県で実施してきました。
2025年度は、神奈川、高知、秋田、新潟、奈良、大分の6都市でキャラバンを行います。今年度はクリエイティブプロデューサーに、演出家の宮本亞門さんが就任。キャラバンのプログラムには、自らもひきこもり経験者である亞門さんのアイデアが盛り込まれています。
本年度の皮切りとして、2025年8月23日(土)、神奈川県横浜市で「ひきこもりVOICE STATION 全国キャラバン in 神奈川」が開催されました。会場には亞門さんも登場し、亞門さんによる演劇ワークショップと、経験者・支援者のみなさんによる「自立?自律?生きやすい社会はどっち?」をテーマにしたパネルディスカッションを実施しました。
会場に足を運んだのは主に、ひきこもり当事者やその家族、支援者のみなさん。互いの立場を想像しながら、語り合い、演じた場では、“誰もが生きやすい社会”への糸口が見えてきました。今日は神奈川会場のキャラバンの模様をお届けします。
宮本亞門さんによる「人生ドラマグラフワークショップ」
この日は亞門さんによる「人生ドラマグラフワークショップ」が実施されました。このワークショップでは、ひきこもり経験のある参加者が、自身の年齢を横軸に、モチベーションの上がり下がりを縦軸に折れ線グラフ化したものを持ち寄ります。前半のパートではグラフを共有し、後半のパートでは、参加者の中から3人の人生の一場面を朗読劇として上演しました。
高校生のときに1年間ひきこもりを経験したという亞門さん。今では演出家という人前に立って指揮をする立場ですが、「今でも舞台の初日は人の目がこわい」と話します。まずは、自身の人生を折れ線グラフ化した「人生ドラマグラフ」を共有しました。
子どもの頃習っていた大好きな日舞を同級生にバカにされて落ち込んだこと、初恋でワクワクしたこと、失恋をきっかけに高校生の時ひきこもり、死を考えたこと。悲しかった出来事や、つらかった思い出なども包み隠さず、笑いも交えながら話していきます。

臨場感あふれる亞門さんの語り口に、会場の人々もひきこまれていた
亞門さん 自分の部屋にひきこもって、最初は「自分の自由な時間だ!」と思って楽しかったのだけど、10日ぐらい経ったら「何をやってるんだろう?」と自己否定するようになりました。
ところが、クラシックやミュージカルのレコードを流していたら、一度聴いた音楽をもう一度聴くとまた違う世界があることに気がついて、興奮して爆音で聴いていました。チャイコフスキーの行進曲なんて、全身を動かして跳ねながら「わぁー」と声をあげて。部屋の外では両親が泣いてました。いよいよおかしくなっちゃった、って感じです(笑)。そうやって頭の中にどんどん広がってしまったイメージを「人に伝えたい」と思ったのが、演出家という仕事へつながっていきました。
精神科医が亞門さんの話を「いいね」「おもしろいね」と受け止めてくれたこともあり、やがて学校へ通えるようになった亞門さん。しかしその後も母親の死、演出家としての成功、迷走や失望、がんに罹患……。うまくいきそうになると、目の前に新たな壁が立ちはだかってきたと振り返ります。
亞門さん 人生、つらいことが山のように起きてしまいます。それをどう捉えていくか。そのときは「良かった」なんて思えません。だけどその後経験を重ねていくと、あのつらかったことがよかったんじゃないか、だから頑張れたと思えることがあります。
今でもうまくいかないことはあるけれど、この壁は乗り越えるためにあるんだと自分に言い聞かせて、それを楽しむことにしました。そうなるとなかなか、自分のことが好きになってきました。

亞門さんの人生の物語からは「自分の人生を振り返ることで、つらかったことも新しい視点で捉え直すことができるかもしれない」という希望を感じた
続いて、ワークショップ参加者のうち、8人の人生グラフをみていきました。25年間ひきこもり状態が続いていた50代の男性、「人と接するのがこわい」という思いから就職活動をせずにひきこもりになった40代の女性、お子さんの不登校に悩んでいた母親のものです。
参加者はグラフをみながら、ひきこもりのきっかけになったできごと、ひきこもりの時期にどのような気持ちで過ごしていたか、なぜそこから外へ出ようと思ったのかなどを、亞門さんの問いかけに答えながら話しました。

「ひきこもり」と一口に言っても、どんな体験をしてきたか、何に苦しんできたか、そして何に気づいたかは人それぞれであることを、グラフを読み解きながら感じる

亞門さんの質問に答えながら、自身の「人生グラフ」について話す参加者
今回グラフが紹介された方の中から、3人の体験が朗読劇になります。ここで、朗読劇ワークショップ参加者は練習のため別室に移動しました。
パネルトーク「自立?自律?生きやすい社会はどっち?」
朗読劇ワークショップの参加者が別室で練習をしている間、会場ではパネルトークが行われました。
ファシリテーションを務めるのは「特定非営利活動法人パノラマ」理事長の石井正宏さん。登壇者は、白梅学園大学名誉教授で「NPO法人つながる会」や「social work Lab MIRAI」の代表を務める長谷川俊雄さん、ひきこもり体験者で社会福祉士・精神保健福祉士の岡本圭太さん、「生き×居きコミュニティ」代表の奈良橋修さんです。

左から、石井正宏さん、長谷川俊雄さん、岡本圭太さん、奈良橋修さん
今回のトークテーマは、「自立?自律?生きやすい社会はどっち?」。
冒頭、「『自立』と『自律』どちらを目指すか、あるいは双方の関係性を考える過渡期に立っているのではないか」と長谷川さんは語りかけました。
この二つの言葉は、同じ音でありながら、支援としては別のあり方を示しているのです。
長谷川さんが検討委員会の委員長を努め、2025年(令和7年)1月に発行された『ひきこもり支援ハンドブック』によれば、ひきこもり支援における「自立」とは、就労や社会参加など、ひとり立ちすることを指し、「自律」とは、自身を肯定し主体的な判断ができる状態を指します。
これまでのひきこもり支援の現場では、「自立」が求められる傾向にありました。しかし、「自立」は「孤立」とも親和性が高く、「自立」の必要性を強調してきたことが、ひきこもりの長期化や深化につながったという背景もあります。
一方で最近新たな方向性として注目されている「自律」を重んじる支援は、支援のプロセスにおいて、まずは当事者が自らの意思や思いを決めていくことができるようにします。
奈良橋さんと岡本さんは、ともにひきこもりの経験者で、現在は支援職に就いています。自身がひきこもり状態だった当時は、自分を大切にする「自律」という言葉はなく、経済的な「自立」ばかりが求められていたといいます。当時「自律」という考えがあったらもっと楽に過ごせていたのでしょうか。
奈良橋さん 僕自身は、趣味の音楽をきっかけにライブハウスでイベントを企画し、自然と「自立」へとつながっていった過去があります。
今、若者の支援機関も広がりを見せていて、バンド、漫才、手づくり品の販売などを行うフェスなども開催されています。就労を目指す支援だけではなく、自己表現を支える支援活動が広がっていることが、20年前と大きく変わったことです。当時もそうした場や支援のあり方だったら、僕も楽だったのではないかと感じます。

奈良橋修さん。トーク中は「自立」と「自律」、どちらの話をしているかわかるように、うちわを出しながら話した
岡本さん もし「自律」の考え方があったら、選択肢が広がっていただろうなと思います。働く前に好きなことをみつけるなど、「今は自分づくりをしている段階だ」と表現することができたのではないかと想像します。

岡本圭太さん
ファシリテーターの石井さんによると、ひと昔前は「無職の若者を支援することで働く若者にする」という社会的投資モデルの支援のあり方が中心で、その考え方に沿って、日本の若者支援のインフラが広がってきたという背景があるそう。しかし現在は、「自律」に注力する支援機関が多く現れ、「自律」を取り戻したあとに、自然と社会にコミットする力が湧いてきたら、「自立」を支援する機関につないでいく、という流れへと変化してきているそうです。
また当事者にとっても、「自立」のイメージが強いと、医療機関にかかることや特性を受け止めながら福祉的なサポートを得ることに拒否反応を示すこともあるそうです。「自立」の前提に「自律」があるという意識を、支援機関だけではなく地域社会の人びとが、共通の認識として持っていくことが、ひきこもり当事者や経験者、生きづらさを感じている人たちにとって過ごしやすい社会へとつながりそうです。
自尊感情を回復する
自ら意思決定を行う「自律」の状態を目指すためには、自分のことを大切に思う「自尊感情」を持つことが大切になってきます。ひきこもり状態にある人は外の人と交流が持てないことから、「自尊感情」が低下している場合も多くあるなかで、「自尊感情」をどのように回復させることができるかということが、続けて話されました。岡本さんは自身の経験を振り返りながら「自尊感情を回復するには、小さな自信の積み重ねが大切だ」と話します。
岡本さん 話をする人ができる、人に褒められる、所属ができる、相談できる人がいる、人に頼られる、働くことができる……。そうしたステップの積み重ねによって、自尊感情が育まれます。そのときに、家族や身近な人の理解や応援はベースになりますね。
一方で長谷川さんは、自尊感情は瞬間的なものであり、認識するのが難しいのではないかと語ります。
長谷川さん 自尊感情ってなかなか認識するのが難しいと思うんです。自分がここに存在しているという感覚がある、というだけでもいいのではないでしょうか。先程の人生ドラマグラフでも、自分の気持ちが上がったときや下がったときを自分自身で書き記していましたが、そうやって自分の変化をわかっているのはすごいことですよね。自分の感情を認知すること、ちゃんと言葉で表現できることが大切なのではないでしょうか。
また、家庭の中では「おいしいね」と言いながらご飯を食べるなど、ポジティブな感情をどう共有できるかということが大切かもしれません。
一方、「家庭の中でのポジティブな感情の共有や言葉かけが大切」とはわかっていても、なにげない言葉が自尊感情を低下させてしまうこともあります。例えば「あの人こんなに若いのにすごいわね」と母親がテレビを見ながら言った言葉が「それに比べてあなたは…」と聞こえてしまうときもあるそう。
自尊感情を回復するためには身近にいる人の言葉かけが大事ではありますが、家族だけが責任を負うことになると、疲弊してしまうことも。「保護者のための場やつながりをつくっていくことも大切かもしれません」と石井さんはディスカッションを受け止めました。
「自立」を育む苗床としての「自律」
自尊感情が回復し「自律」が起こったときに、そこから社会参画をする「自立」へはどのように変化していくのでしょうか。ひきこもり経験がある奈良橋さんは、他人から言われたのではなく、自分自身の内側から出てくるものが大切なのではないかと答え、岡本さんも共感していました。
岡本さん 推しができたから頑張る、彼女ができたからプレゼントをあげたい、そのときに親からもらったお金じゃ格好がつかないから自立を考える、というのは周りでも聞く話です。「自律」から「自立」へと連続するのではないでしょうか。ひきこもり状態を抜け出すためには欲望が大事です。生存に関わるもの以外の欲求は、人との関わりの中ではじめて出てくるものですよね。
これには、石井さんも「支援をするのが一番難しいと感じるのは、欲望が枯渇している人」と応答しました。
石井さん 欲望が枯渇している人には、欲望に火をつけるところから始まります。欲望が生まれるときに自尊感情の回復があって、回復するときに「自律」が許される感覚があると良いのかなと思います。欲望に火がついたときに、「自立」に自然に移行していく流れが良いのかなと思います。
長谷川さんはディスカッションを受け、「自立と自律は組み合わさってモザイク的に存在することもあるし、ひとつの線の上で存在するときもあるのかな」と続けます。
長谷川さん 誰かから与えられるものではなく、内発的な動機に基づいて変化は起こるのかもしれませんね。これまでの支援は「自立」を外側から押し付けてきたけれど、「自立」を育む、苗床としての「自律」があってもいいのではないかと思いました。
最後に「ひきこもり状態の人を取り巻く社会や地域をどのように変えていけるか」ということについて、ひきこもりは誰にでも起こり得る、ひきこもり状態の人は身近なところにいるということを、地域の人に知ってもらうことで理解が広まるのではないか、ということが語られました。
「今年度6つの都市で行われるひきこもりVOICE STATIONに参加した人たちが何かを持ち帰り、それぞれの地域でいかしてもらえたら。足元、手元から小さく変えていくことが大事ではないでしょうか」と話す長谷川さんに、石井さんが「波紋を大きな風に変えていくために必要なのが、さまざまな地域の人に当事者の声を届けていくことではないでしょうか」と応答し、パネルトークは終了となりました。

会場の一角には、2025年2月に東京・渋谷で開催された「“HIKIKOMORI” ANYONE? 他人事じゃないかも展」の展示の一部が公開されていた。さまざまなジャンルのクリエイターが、ひきこもり当事者・経験者とともに制作した作品は、現在バーチャル空間で見ることができる
経験を重ねながら演じる、人生ドラマグラフワークショップ朗読劇
パネルトークのあとは休憩をはさんで、朗読劇の発表が行われました。
この朗読劇のワークショップは、亞門さんのオリジナル。亞門さんがかつて、自分自身の波乱万丈な人生を再現ドラマにしてもらったときに、当時悩んでいたことを客観的な視点からみる事ができて救われたと感じたことから、朗読劇という形でワークショップを行うようになったそう。
今回、12名の参加者によって上演されたのは、人生ドラマグラフを共有したひきこもり経験者の体験をもとにした、朗読劇3作品です。ワークショップ参加者は作品ごとに3つのグループに分かれ、脚本のもとになった体験をした参加者が演出を、残りの3人が演者を担当しました。
最初の作品、カズさんの体験から生まれた物語「床に耳あり」は、ひきこもり状態だった当時、両親が離婚した後のことが劇になっていました。不仲だった父親に引き取られ、父親がいなくなる時間を見計らって部屋から出ては食事など必要な用事を済ませていたというカズさん。ある日、母親が迎えに来てくれて、一緒に暮らし始めるシーンでは、希望を感じ、胸にあついものがこみあげてきました。
次の作品、みきこさんの「うたを忘れた」は、高校の声楽科に通うわが子が不登校になり悩んでいた当時のこと。学校の門の前まできて「今日はここで帰る」という子どもに「オッケー」と明るく答え、またあるときには一緒にボーカルユニットの日本ツアーを観にいかないかと誘う母親。彼女の明るい様子や辛抱強く待つ姿勢が、子どもに変化の兆しをもたらしたかのように感じられました。
そして最後、Mr.たなぼたさんの「マイペース・マイライフ」は、ひきこもり状態にあったMr.たなぼたさんに対し、当たりの強かった父親との関係性を中心に脚本化。痩せたいという思いからマラソンをはじめ、走りきったことをきっかけに父親とわかりあえたこと。父親との関係性が変化したと同時に、「僕はマイペースに歩んでいくんだ」というご自身の気づきが起こったことが印象的でした。
上演後は、朗読劇ワークショップの参加者全員に、亞門さんが感想を聞きました。
「上演を観ながら当時の気持ちを振り返った」という声のほか、「演じることで想像した」「自分自身の体験も重ねながら演じていた」という声も。台本になる体験をした人のみならず、演じた人たちも、人生を新しい視点から見つめ直すきっかけを得ているように感じました。
一人ひとりがカラフルに生きていってほしい
最後に、パネルトークの登壇者に亞門さんを交えて、振り返りトークが行われました。
みきこさんの物語は「歌」が回復へのきっかけになりそうだったこと、Mr.たなぼたさんの物語では痩せたいという「欲望」からマラソンを始め、自身の気づきやお父さんとの和解へつながっていったこと。どちらも「自立」の前に「自律」が育まれた体験として、パネルトークの議論とつながっていくように感じられます。
石井さん 好きなことがあって、欲望を掻き立てることは自律への一歩。歌が好きだということ、さらにお母さんが待っていたことで物事が展開していった。好きなことがあることで、出口も見えていくのかなと感じました。
また3つとも保護者が起点になって社会参加の道ができていましたね。当事者のみならず、保護者への支援も非常に重要だなと、改めて感じました。
長谷川さんはソーシャルワーカーとして仕事をする中で、これまで支援してきた人たちのことを重ねながら芝居を見ていたと話します。
長谷川さん 自分の経験を客観的に見て自分を否定しなくなったときに、ひきこもり状態の自分から「卒業」ができて、しかも人生はまたそこから新しく続いていく、と捉えることができるのかなと思いました。
今日はここからどこへ向かって歩いていったらいいのかというスタートに立ったように感じます。それぞれの出発駅に立って、ここから歩いていくことができるのだとしたら、とても有意義なことですね。今回のキャンペーン「ひきこもり VOICE STATION」について、なぜボイスにステーションが付いているのだろうと思っていたけれど、理解できました。
最後に亞門さんが、「演劇のワークショップは、一人ひとりが異なる感じ方や物事の見方をしているということを学ばせてもらう」と振り返りながら、ひきこもりを経験している人や、今を生きる私たちへエールを送ってくれました。
亞門さん ひきこもりを経験している人って、家族なり社会なり、自分の中で抵抗したい何かがあったからひきこもり状態にあったと思うんです。そこには原石があって、それは宝物だと僕は信じています。一人ひとりが自分らしく、カラフルに生きていってほしいと願っています。
今後も全国5都市で続くキャラバン
今後、高知、秋田、新潟、奈良、大分と続くキャラバンでは、それぞれ第1部がパネルトーク、第2部がワークショップという形式で開催予定です。
各地域でひきこもり支援の領域で活躍されている方をアンバサダーとして迎え、ひきこもり経験のある方や支援団体の方とともにパネルトークを行います。続くワークショップでは、ひきこもり当事者の声をきっかけに、自分たちのまちで何ができるかを話し合います。
パネルトークはすべてオンラインで配信されるため、遠方からの参加も可能です。また、全ての会場で「ひとやすみカード」と休憩スペースが用意されているため、パネルトークやワークショップ中に心身がつらくなったときは、休憩することができます。ひきこもりの経験者や今現在悩んでいる方はもちろん、ひきこもりに関心のある方であれば、どなたでも参加が可能です。
神奈川のキャラバンでは、人生ドラマグラフのワークショップやパネルトークで、ひきこもりを経験した方やその家族のたくさんの「声」に触れることができました。
ひきこもり状態にある人は社会から見えにくい存在になっていますが、私たちの身の回りや同じ地域にもきっといるはずです。今悩み苦しんでいる人に直接働きかけるようなことはできなくても、「自立」の前に「自律」を育む時間が必要であること、ひきこもり経験のある人にはそれぞれ異なる苦しみがあること、それを地域に暮らす一人ひとりが認識することから、誰もが暮らしやすい地域づくりを始めることができるのではないかと感じました。
神奈川会場のパネルトークのテーマは「自立?自律?生きやすい社会はどっち?」でしたが、今後も各地域異なるテーマでトークが展開されます。ひきこもりの当事者やその家族、支援団体の方はもちろん、まちづくりをする方や、誰もが生きやすい社会について考えたい方にとっても得るものがあるイベントです。ぜひ、お近くのキャラバンに足を運んだり、気になるテーマのパネルトークにオンラインで参加してみてはいかがでしょうか。
(撮影:川島彩水)
(編集:村崎恭子)
– INFORMATION –
10月11日(土)新潟県新潟市
@NOCプラザ新潟卸センター/NOCホール
「当事者から支援者になってみえてきたものってなんだろう?」
10月18日(土)奈良県奈良市
@奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~/会議室1・2
「地域のなかでゆるやかな“出番“をつくるために」
11月8日(土)大分県大分市
@大分県消費生活・男女共同参画プラザ アイネス/大会議室
「理解の輪を広めるために明日からでもできること」」
<参加費>
無料
<プログラム>
13:00~14:25 1部パネルディスカッション(会場参加またはオンライン参加)
14:40~15:55 2部ワークショップ(会場参加のみ)








