募集要項は記事末をご覧ください。
グリーンズジョブではストーリー記事での求人紹介だけでなく、おすすめの活動の仲間募集を「この指とまれ!」の温度感でご紹介しています。
今回紹介するのは、オーガニックの食材を中心に扱うグローサリーストア「FOOD&COMPANY」。
以前こちらの記事でもお伝えしましたが、「消費のあり方から社会を変えていきたい」という思いから、2014年に東京・学芸大学駅の近くにオープン。現在は湘南T-SITE店、新宿NEWoMan店、代官山T-SITE店の全4店舗に広がり、2021年からはオンラインストアも開設しました。
着実にその輪を広げている「FOOD&COMPANY」はどんな思いで取り組んでいるのか、そして今回の募集について、見ていきましょう。
なにをしているのか
「FOOD&COMPANY」で扱うのは野菜や果物、調味料、また日用品や雑貨など様々。
どれも選りすぐりの品々で、たとえば山地で放牧酪農を行っている「なかほら牧場」のミルククリームや、合成添加物を使わずに天然醸造を続けている「醤油屋井上醤油店」の醤油、なるべく環境に負荷の少ない農法で米を育て、耕作放棄地の問題にも取り組む「宮内舎」の玄米麺など、なかなかほかの店では手に入らないようなものも。
オンラインストアではつくり手の紹介や、取り扱っている食材を使ったレシピ、食を通じてつながった“仲間”たちのインタビューも紹介されています。
このように単に食品を販売するだけでなく、食にまつわる情報発信や、旬の食材を使ったワークショップ・イベントも開催し、日常から社会を変えていくことを提案しています。
目指している未来は?
もともと「FOOD&COMPANY」は白冰(ばい・びん)さんと谷田部摩耶(やたべ・まや)さんの二人によって始まりました。二人は色々な国や環境で生活するなかで、社会のさまざまな問題を解決していくには“日常”に根ざしたビジネスが必要だと考え、最も身近な日常としてたどり着いたのが「食」でした。
その「食」も、今朝飲んだコーヒーはどこから来たのか、昨日捨てた生ゴミはどこへ行くのか、身近なことでもあまり知らないことがたくさんあります。
そこで日常に一番寄り添った場所から、少しずつでも着実に、消費のかたちを変え、そして世界を変えていきたい。そんな思いから、オーガニック食品の小売店というビジネスをスタートさせたのです。
そして昨年、スタッフで話し合い、新たにビジョンを「やさしい経済を通してリラックスした社会へ」に。そこにこめられた思いについて、コミュニケーションディレクターの盛岡絢子(もりおか・あやこ)さんはこう話します。
盛岡さん みんなが削り合うような経済や、競走する経済は消耗してしまいます。そうではなくてお互いが理解したうえで慮(おもんぱか)れるような「やさしい経済」を、日々の暮らしのお買い物を通して実現していきたいと思っています。
こんな仲間、この指とまれ!
そんな「FOOD&COMPANY」がさらに輪を広げるべく、店舗スタッフを募集することになりました。それも単なるスタッフではなく、将来的には店長を担ってほしいとのこと。
主な仕事は接客をはじめ、店舗の売上管理や商品の発注、スタッフの人事管理など、多岐にわたります。
接客やマネジメントの経験のある人が好ましいですが、それよりも「立ち寄りたくなるような場所や空間をつくりたい」という気持ちがあることが大事だと盛岡さんは言います。
盛岡さん 自ら考えて動き、いいお店をつくっていきたいと思っている人に来てもらえたらと思います。いまのスタッフの中には、いつか自分のお店を持ちたい、と思っている人もいます。能動的に考えて、一緒に新しい価値を提案していけたらうれしいですね。
私たちはつくり手、運び手、市場、仲卸、私たち、そして食べる人、みんなにとって「やさしい経済」をつくりたいと考えています。そのためには、スタッフの一人ひとりが実践し、発信する。店舗は、そんな思いを伝えていく、実現していくためのメディアだと捉えています。
生産者やお客さんとのコミュニケーションをとても大事にしているそう。
生産者とは会う機会も多く、商品を直接届けてくれる人もいたり、月に一度は畑を訪れたりするそう。そうやって見聞きしたことをもとに、お客さんとコミュニケーションをとっています。
もちろん、スタッフどうしのコミュニケーションも大切にしています。
盛岡さん 私たち自身が仕事を楽しんでいたい、という気持ちがあります。もちろん大変なことも多々ありますが、その中でも一緒に乗り越えていける仲間がいたらいいなと思います。
今回採用された場合は、4店舗すべてをまわって体験してほしい、とのこと。そのうえで働く店鋪が決まるようです。
なぜ私がこの活動を紹介するのか
私が「FOOD&COMPANY」を知ったのは、オープン直前の頃。
「八百屋をはじめる夫婦がいる」と友人に紹介してもらい、学芸大学前駅近くのお店に行ってみると「ここが八百屋?!」と驚くほどおしゃれな佇まいで、ワクワクしながら扉を開けたのを覚えています。(実際には八百屋ではなかったのですが…)
それから8年ほどが経ち、気づけば店鋪が増え、新宿駅の構内にも出店し、「日常から消費のあり方を変えていく」という意思が強く伝わったとともに、その実行力に感心しました。
彼らは表面的に「いいこと」をしているだけではなく、「社会を変えていきたい」と理想を語っているだけでもなく、確実に実現している。それはおそらく地道で、大変なことも多いと思うけれど、やりがいや達成感も大きいはず。
一次産業をなんとかしたい。
食を通して地域とつながりをつくりたい。
そんな思いのある人は、挑戦してみてはいかがでしょうか。