一人ひとりの暮らしから社会を変える仲間「greenz people」募集中!→

greenz people ロゴ

楽しい春は、二度とやってこない…!? 2050年の地球をヴィヴァルディの名曲で表現する「The [Uncertain] Four Seasons」

イントロクイズです!
チャッチャ~チャッチャララ~チャララッチャチャッチャララ~チャララッチャララッチャッチャッチャ♪

さて、なんの曲でしょうか? 5秒でお答えください。
5、4、3、2、1、0!

答えは…ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi)の『春(The Four Seasons – Spring)』です。

どんな曲だっけ…? と思ったあなたは、再生ボタンをクリック!

『春』は、ヴィヴァルディが1725年につくった協奏曲『四季』のうちの一つ。CMなどで使われることも多いので、この曲をどこかで耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

では、こちらはなんの曲でしょうか?

先ほど聴いていただいた「春」と似たようなメロディ。でも、不協和音が響き、ちょっと落ちつかない気持ちにさせられる…これは一体なんの曲なのでしょうか?

今回は、その謎を解く「The [Uncertain] Four Seasons」というプロジェクトをご紹介します!

「The [Uncertain] Four Seasons」は、Tim Devineさん(ティム・ディバインさん、以下ティムさん)をはじめとする、音楽家や科学者のチームによるプロジェクト。

毎年のように気温の高い日が続いたり、大型の台風や森林火災が発生したり、世界の各地で、これまでとは異なる季節のめぐりを感じることがふえている近年ですが、そんな気候変動の危機に音楽の力で立ち向かおうと挑んでいるのが「The [Uncertain] Four Seasons」です。

先ほどみなさんに聴いていただいた2つ目の『春』は、このプロジェクトによってつくられたもの。各国政府の環境に関するデータなどを参考に、アルゴリズムを用いながら、温室効果ガスが排出され続けた“2050年の地球”を音楽で表現した作品なんです。

もともとは、ヴィヴァルディが『四季』を作曲した頃の1725年から現代までの気象データを反映させた『四季』をつくろうと始まった「The [Uncertain] Four Seasons」。初めてのコンサートは2019年、ドイツのNDR Elbphilharmonieオーケストラによって開かれました。

プロジェクトでは、地域による気候変動の差異を表現するため、アジアやヨーロッパ、アメリカなどさまざまな地域に合わせた『四季』の楽譜も公開しており、このまま気候変動がすすむと海中に沈むと推測されている上海のバージョンは、ひたすら“無音”が広がる時間もあります。

さまざまな地域ごとの楽譜はこちら。日本もあります。

ティムさんは、言います。

気候変動の課題の一つは、科学的なデータをみんなが“自分ごと”として実感できないことだと考えています。

多くの人になじみ深い『四季』という音楽を変化させ、科学がしめす私たちの未来を表現することで、気候変動が進み続けた先の現実を体感する機会をつくることができるのではないかと思っています。

さて、2050年の地球の音楽は、あなたにはどんなふうに響きましたか?

[via campain, FastCompany, The [Uncertain] Four Seasons, AKQA, Unsplash]

– NEXT ACTION –

絵、文章、映像、踊り…あなただったら、どんなふうに2050年の地球を表現する?