みなさんは日々の生活の中で、「なにもしない」時間はありますか?
「なにもしない」と聞くと、なんだか時間を無駄にしてしまっているような、怠けているような気持ちになってしまったり。一方で空白の時間があっても、無意識のうちにスマートフォンや何かに触れていて、疲れを感じてしまうことも。
今回は「なにもしない」を合言葉に、韓国で2014年から始まった「Space Out Competition」という名の大会についてご紹介します。
「Space Out Competition」のルールは簡単。ずばり、「なにもしない」だけ!
評価基準は、これが意外と本格的。
芸術点数(観客投票)と技術評価(心拍数)の2種類で評価されます。
観客投票の上位10名の中で、一番心拍数が安定していた人が優勝です!
勝利の鍵を握るのは、集中力を失うことなく、眠りにつくことなく、空間を見つめることです。90分間の競技を終えた参加者の表情は、まるで深い眠りから覚めたような爽快感に満ちあふれているのだそう。
準備も練習もしようもないこの競技。今この瞬間に集中し、無の時間をつくることで、脳を休めることができる。日々のストレスの解消となり再挑戦する人が多いのです。
2014年から始まったこの大会。毎年、様々な都市で開催され、2017年にはオランダのロッテルダムで行われるなど、アジアを超えて広がりをみせています。近年では人気が高まり、70~80人の枠に1000人近くの応募が集まることも。
大会を企画した、ビジュアルアーティストのWoops Yangさんは、こう話します。
現代は、日々の忙しさが美徳となっているところがあります。だからこそ、何か生産的なことをして、誰よりもいい結果を出したいという人が多いのではないでしょうか。
私もアーティストとして、何かを達成しなければならないというプレッシャーに苦しんでいました。その実体験がきっかけとなって「Space Out Competition」を考えたんです。
韓国や日本だけでなく、世界各国で学歴やキャリアにおける熾烈な競争がありますよね。いい大学に入学したり、いい会社に就職することも素晴らしいですが、同時に「なにもしない」時間を過ごすことで、心身のサステナビリティを保つことができるのではないでしょうか?
達成したいゴールへ向かって猪突猛進をするとき、ときに「なにもしない」を取り入れてみましょう。
– NEXT ACTION –
[via spaceoutcompetition, yupthatexists, frontier.is, YouTube]
(Text: 塩澤僚子)