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スクールバスを食育を学ぶ拠点に大改造! 「Mobile Food Lab」が目指すのは、子どもたちに食べ物とのつながりを育み支援すること。

バスをリノベーションした画期的な取り組みは、これまでもいくつかご紹介してきました。今回のテーマは「食育」。ニュージャージー州に、食育のためのバスが登場しました!

この「Mobile Food Lab」という移動可能な食育ラボは、持続可能な未来を食の観点から学ぶことを目的に、2018年9月にニューヨークのデザインスタジオ「Tessellate Studio」と。オークランドを拠点に自閉症支援サービスを行う「Reed Foundation」によって設計・展開されました。より良い食生活、調理方法、ガーデニング、そしてこれら全ての活動が私たちの心と身体に与える影響が学べます。

まずは、そこにどんな工夫があるのか、気になる車内をのぞいてみましょう!

まず、バスに入ると中央に位置する「ソーシャルゾーン」へ。ここは講義を聞いて、ブレーンストーミングやディスカッションをするためにつくられました。

伝統的な船乗りの結び目で手結びされた巣のような「聖域」が設計の中心。プログラムが始まるとまずこの席に着く。 Via:core77

一度に最大30人もの子どもたちを迎えるために、その後子どもたちは3つのグループにわかれ、それぞれのエリアでプログラムを学びます。

1. 調理・ガーデニングエリア

水耕栽培の庭、調理台、流し台、切断サービスで構成され、子どもたちは調理エリアを使用しながら、都市のガーデニングを学ぶことができます。

Via:inhabitat

2. 科学エリア

デジタル顕微鏡、LCDモニター、ハーブとスパイスの試験管、および「味」のチャートがあり、「味」の科学をはじめ、砂糖、でんぷんなどの栄養素を食べることで体内外にどのように影響するかを学ぶことができます。

Via:core77

3. アートエリア

芸術品や工芸品のアクティビティ用のカウンタートップ、材料の保管場所、2台のカートがあり、ハーブで絵を描いたりティーパックをつくったりできます。

Via:core77

また、これらの料理、科学、芸術など様々な分野で多くの科目を学ぶため、それぞれに準ずる展示も併せてつくられているというこだわりも。たとえば、地理の展示では自分の家の裏庭に育つハーブやスパイスが、植物の解剖展示では、その構造や成長がわかるプログラムボードなどがあります。

展示のイメージ図。 Via:Mobile Food Lab

学年によってプログラムは、小2、小3〜小5、小6〜中2に合わせて調整し、その年齢の子どもたちにとって楽しい学びを提供します。

このバスのミッションは、食育と楽しさを両立させた、体験的な乗り物を設計し、子どもたちに食べ物とのつながりを育み支援すること。食べ物がどこから来るのか、私たちにどんな影響を与えるのか、そして世界をどう形づくっているのかということを、子どもたちと一緒に考えます。

「Tessellate Studio」によると、

私たちのソリューションは、モバイル温室、教室、科学実験室、アートスタジオに似た新しいタイプの実験車両を設計することでした。「Mobile Food Lab」は、科学、技術、工学、芸術、数学(STEAM)のカリキュラムを教えるための媒体として食物を使用しています。

とのこと。

そして、

嗅覚、味覚、視覚、触覚の多感覚体験を通じて生まれつきの好奇心を活用することで、子どもたちが食べ物との健全なつながりを育てるのを助けるように設計されました。

と続けます。

「食育」と言っても様々な分野があります。Mobile Food Labはそれぞれから実験し、多感覚な体験をすることで、子どもたちにとって「おもしろそう!」とワクワクさせ、どの分野からでも興味をもって学べるような工夫がされているのです。

Mobile Food Labは、本拠地であるニュージャージー州リンドハーストのメドウランズ環境センターでプログラムを受けるか、学校からバスの訪問を予約することで利用可能。ニュージャージー州全体にサービスを展開するため多くの学校や公園、公共イベントに訪れ、現在では数ヶ月先の予定までいっぱいがなのだとか。これまでも数千人もの子どもたちが利用をしました。また、Mobile Food Labは多くの仕事を自閉症の方に提供をし、展示やプログラムのサポートなどを自閉症の方が行っています。

「食」に関して様々な観点から学びを提供している「Mobile Food Lab」。持続可能な食、そして未来のために子どもたちが「おもしろい!」そう思えるプログラムを展開しています。

日本でも、食品ロスや食料自給率など、食にまつわる様々な課題があります。一方で、「和食」がユネスコ無形遺産に登録されるなど、日本の食文化にも魅力的なものもたくさんあります。そういったものを学ぶ上で「Mobile Food Lab」のように、どうすれば「おもしろい!」と思いながら学べるかどうかが鍵になるかもしれませんね。

[Via inhabitat, core77, Mobile Food Lab, Tessellate Studio, reedfoundationforautism]

(Text: 田中絃正)