服の整理中に不要なものが見つかり、フリマアプリで販売できないかと考えたことはありませんか?
特に子ども用品は着用期間が短く、成長に合わせて一式を買い替えるため、20~30代のフリマアプリ利用者が出品する商品カテゴリーでは需要が高いようです。
“買い替えコストはかかっても、子どもには良質な素材の服がほしい! ”
そんな想いを叶える、オーガニックコットンのベビー服セットを循環させる仕組みを、サンフランシスコを拠点とする「UpChoose」がつくりました。
「UpChoose」では、0~36ヵ月までのサイズ展開で、生まれた季節や好みの色に合わせて選べる、衣類や小物をセット販売しています。フルセットの中身はオモチャやバスタオル、ロンパースなどすべてオーガニックコットンを使用した全55点(服のみのセットは全21点)。
購入時には、新品($304)か中古品($209)を選ぶことができ、さらに次のサイズを購入する際に返品することで20%の割引を受けられます。その他にも新品($99/月)か中古品($49/月)でのレンタルも可能な上、配送料は無料です。サイズアウトした服を同社に戻すことで、他の家族に再販され、製品が再利用されるサイクルが生まれます。
また、「UpChoose」ではすべての製品にオーガニックコットンを100%使用。オーガニック繊維を使用したテキスタイルとして、世界最高の加工基準であるGlobal Organic Textile Standard(GOTS)の認定を受けています。
GOTS認定を受けたオーガニックコットンは、除草剤や殺虫剤、その他の有害な化学物質を使用せず、自然で持続可能な方法で栽培されているのだとか。
創業者のAli El Idrissi(アリ・エル・イドリッシさん、以下、アリさん)は、「UpChoose」立ち上げ以前、数年間に渡りJ.P. Morganのインパクト投資チームとして、気候変動やサプライチェーンの労働条件など社会課題に取り組んできました。
その中で、持続可能な未来を築くためには、壊れた消費モデルを変えることが、重要な条件のひとつであることに気づいたといいます。アリさんが言うには、
目指すのは、そもそもある過剰消費を無くすことです。
私たちは天然資源を過剰に使用することで、子どもたちを有害な製品に触れさせ、大量の廃棄物を生み出しています。課題の根源は、(現代の)ライフスタイルに関係し、私たちの消費行動に大きく左右されているのです。
アリさんが新しい消費モデルをつくり出すために”ベビー服”を選んだ理由は、行動科学の観点から、”子どもの誕生”のように人生に大きな変化をもたらすライフイベントでは、人々は変化を起こしやすいから。
“消費を減らしましょう!”と大きな声で叫ぶよりも、クリックするだけで簡単に購入できるサービスをつくり出すことで、お客様に喜びをもたらします。仕組みによって消費を自動的に減らしているのです。
製品の循環により、環境にも経済にも持続可能性を持たせる新しい経済活動は「サーキュラーエコノミー」として世界各国で急速に浸透しつつあり、その経済規模は2030年までに4.5兆ドルに上ると言われています。
「UpChoose」は、子どもがいる家庭や環境課題に興味がある人たちだけでなく、オーガニックコットン製品を手軽に購入したい人や、無駄な買い物時間を減らしたい人にもアプローチしたいと考えているそう。今後は、オモチャや家具など他の製品にもサービスを展開する予定です。
そもそも「服を買いすぎ!」という現状を見つめなおす。そして、良質でサステナブルな服を選んでみる。そんなあなたの何気ない行動が、消費モデルを変えることにつながるかもしれません。
[via fastcompany.com, upchoose.com, Guanna.com, unsplash.com]
(Text: ナカオカヅキ)
(編集: スズキコウタ)