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BtoCだけじゃない!「どんぐりマーク」が切り拓く、BtoBビジネスの未来。キヤノンマーケティングジャパン・西尾元雄さんに聞く、地球と共生するビジネスとは

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特集「MORE DONGURI!MORE GREEN!」は、“環境に良い商品”の目印となる「どんぐりマーク」と「どんぐりポイント」を通じて、未来にきれいな地球を残そうと活動する人たちを紹介する、「どんぐり事業事務局」との共同企画です。

オフィスで毎日のように使われているコピー機やプリンタ。その中に入っているトナーカートリッジがその後どこへいくのか、気にかけたことはありますか?

かつてはゴミとして捨てていたトナーカートリッジですが、今では無料回収が当たり前になっています。そして、“リユース”や“リサイクル”という言葉がまだ一般的ではなかった1990年から、率先してリサイクルを展開してきたのがキヤノングループです。

2013年までに同社が回収したトナーカートリッジは累計約32.4万トンにのぼり、節約できた資源は21.7万トンになるといいます。これがどれくらいの量かというと、大型の飛行機およそ387機を作れる量なのだとか!

このように、”地球との共生”を掲げてビジネスを展開してきたキヤノンが、2013年度から参加しているのがどんぐりマークです。

今回は、その参加の背景や、BtoCに加えてBtoBビジネスにおけるどんぐりマークの可能性について、同社のこれまでの環境への取り組みと合わせて、お話をうかがいました。
 
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西尾元雄(にしお・もとお)
1984年に入社。マーケティング関連部門、CSR企画推進部を経て、2015年からはCSR本部CSR環境推進部主席を務める。数々のCSR活動を担当し、環境活動のほか、社会貢献活動にも注力している。

はじまりは「いずれ世の中がそうなる」という予測から

キヤノンがトナーカートリッジの回収を始めたのは、今から25年前の1990年。当時の社長だった山路敬三氏の「これからは大量に製造して大量に廃棄する時代ではなくなる」という考えからでした。

当時はまだ“リサイクル”や“リユース”という言葉が世の中に浸透してはいませんでした。ただ、大量の使用済みのトナーカートリッジがゴミとして捨てられている現実に、社内からも「何とかしなければ」という声が少しずつ上がり始めていました。

トナーカートリッジの回収は、「客先でもゴミを出さない」ということです。社会全体の廃棄を減らしていこうという考えで、当時としては、先進的な活動だったと記憶しています。

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キヤノン製トナーカートリッジ

オフィスで日常的に発生する消耗品を回収するというのは、大きなコストのかかる仕事です。それでも着手したのは、時代の流れやお客様の声に押されるというよりも、先を見据えたビジョンがあったからだと西尾さんはいいます。

1992年には、トナーカートリッジの部品や材料を同じ品質レベルで再使用する「クローズドループリサイクル」を開始。通常、材料をリサイクルするときは、品質のレベルがより低いものに使われるのが一般的ななか、これは画期的な取り組みでした。

とはいえ、同じ製品へのリサイクルが難しいとされるプラスチック材でのクローズドループリサイクルを実現するためには、数々の工夫が必要でした。設計段階からリサイクルすることを前提とし、使用するプラスチック材料の種類を極力少なくしたり、種類の違うものは仕分けしやすいよう色分けしたり。

最近では、リサイクルにかかるコストを最小限におさえるために、カートリッジをそのまま投入するだけで、自動的にペレット化できる機械も導入しています。
 
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また、同社の取り組みで特徴的なのは、「環境統括センター」を通じて情報やノウハウが組織横断的に共有されていること。それによって、たとえば複合機に使われていた材料を電卓へといった、事業をまたいだリサイクルも可能になっています。

こうした豊富な実績をもとに、学校への「環境出前授業」も展開しており、子どもたちからの人気も上々のようです。
 
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環境出前授業

キヤノンにとっての「どんぐりマーク」とは?

このように地球環境とビジネスの共生を目指してきたキヤノンが、積極的に進めているのがCO2削減の取り組みです。

たとえば、CFP(カーボンフットプリント)について。CFPとは、製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでに排出される温室効果ガスの量をCO2に換算して「見える化」する仕組みです。

しかし、「CO2を見える化した数字がお客様にとってどのような意味をもつのかは、よく見えなかった」と西尾さんは振り返ります。そんなときに導入することになったのが、「どんぐりマーク」でした。

「どんぐりマーク」は、製品やサービスのライフサイクルで排出される温室効果ガス排出量を「カーボン・オフセット」によって“実質的にゼロ”にすることで地球温暖化防止に貢献している商品として、国の認証を受けたものに付与されます。
 

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このマークが付いていれば、その商品がカーボン・オフセットの認証を受けていて、地球への負荷が少ないことが一目でわかる

先を見据えて今できることをしていく。企業間ビジネスにおける新たな挑戦

 

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iR-ADV C2030F-R」はキヤノン独自の再生技術により、新製品と比べ、質量比で約66%の部品の再利用率を達成

「どんぐりマーク」は、同社のオフィス用の複合機Refreshedシリーズについています。このシリーズでは、リユースの部品を活用することで、原材料の調達や製品の生産時に出るCO2を大幅に削減することに成功しました。

また、製品の流通や使用、そしてリサイクルに至るまで、それぞれの段階で排出されるCO2もすべてオフセットし、排出”実質ゼロ”を実現しました。
 
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さらにユニークなのは、Refreshedシリーズを購入した企業が、キヤノンがオフセットしたCO2排出量を、自社のCO2削減分とすることができるということ。つまり、どんぐりマーク付き製品の購入が、企業間ビジネスにおいても付加価値を提供しているのです。このような事例はまだ少ないですが、今後の展開が期待されています。

いくら環境によい商品だといっても、企業側の自己満足であってはいけないと思うんです。大切なのはお客様のニーズに対して、どのような付加価値をつけて応えられるかということ。

今はまだ、CO2削減に困っているお客様は多くはないですが、数年後にはきっと顕在化すると感じています。そういう意味では、どんぐりマークは新たな挑戦ですが、重要な役割を果たすのではないでしょうか。

キヤノンによる新たな挑戦は、企業間のビジネスが進めば進むほど、同時に企業の環境活動も後押しすることができるのですね。

この複合機の取り組みが評価され、2014年には第4回カーボン・オフセット大賞経済産業大臣賞も受賞しています。

教育現場や生活者を巻き込んだ新たな展開

同社のどんぐりマークの取り組みは、複合機だけではありません。ベルマーク教育助成財団と連携しながら「どんぐりポイント」の取り組みを進めることで学校・教育現場を巻き込んだ展開を図っています。

「どんぐりマーク」の商品やサービスにつけられるポイントが「どんぐりポイント」です。ユーザーは「どんぐりマーク」や「どんぐりポイント」のついた商品を買うことで、環境や社会貢献に力を入れている企業や団体を応援することができます。

もともとキヤノンは、2005年度からカートリッジの回収を通してベルマーク運動に参加してきました。学校単位で回収したカートリッジ数に応じて、ベルマークの点数証明書を発行し、それを学校がベルマーク教育助成財団に送ることで、教具の購入などに利用することができる仕組みを作っていたのです。

キヤノンでは、このベルマーク運動の取り組みに「どんぐりポイント」も導入することで回収リサイクルを更に促進しています。
 
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「どんぐりマーク」への参加はプレスリリースを出す機会にもなり、おかげさまでメディアに取り上げられる回数も増えました。

当社は、企業や学校向けだけでなく、個人のお客様向けにもインクカートリッジの回収の周知も進めていますが、どんぐりマークへの参加によって、結果的により多くの方に情報を伝えることができたのではと手応えを感じています。

とはいえ、大切なのは私たちの行動が変わることで、企業のあり方を変えていくこと。まずはインクカートリッジのリサイクルから始めてみませんか?

(撮影:マスモトサヤカ)

[sponsored by どんぐり事業事務局]