greenz.jpの連載「暮らしの変人」をともにつくりませんか→

greenz people ロゴ

サンフランシスコの急な坂が、コミカルなパフォーマンスを披露するステージに大変身! 街の秘めた価値をコミカルに紹介する「Tilting the Streets of San Francisco」

Image

みなさんは、「自分の街の嫌いなところを一つ挙げて下さい」と聞かれたら、なんと答えますか?

サンフランシスコで特に多くの人々から挙がるのが、街の大部分を覆う急な坂たち。中には最大勾配31.5度、角度で言うとおよそ17度の坂もあるそうで、まるで山道をハイキングするかのような坂を上り下りする人びとが多くいます。

そうした急な坂にうんざりする人がいるのは仕方の無いことかもしれませんが、そんな街の傾斜をあえて利用して、重力のルールに逆らう不思議な動画をつくった人たちがいるのです! それが、今回ご紹介するパフォーマンスビデオ「Tilting the Street of San Francisco」です。
 
image021
サンフランシスコでは、急勾配の坂の上に建物が建てられている

image003
Hiking up them is a pain!(坂をハイキングするのは、もう懲り懲りだ!)

まずはこちらのシーン。女性が男性にもたれかかっているように見えますが…
 
image005

男性が離れても、そのまま直立不動!
 
image007

続いて次のイリュージョン。杖を突いて歩いている女性の後ろに、もう一人の女性が現れて… 
 
image009

杖を奪取!
 
image011

杖が取られたというのに、傾いたままでなんともありません。
 
image013

お次はこちらのシーン。左端にいる女性が、その他の人たちに対して…
 
image015

念力! みなさん傾いたままで直立して、不思議な光景に。
 
image017

更には、みんなで思い思いに路上で踊ります! サンフランシスコの急な坂を使って、イリュージョンをしたり、踊ってみたりと、存分に楽しんでいる様子が伺えます。
 
image019

このように、サンフランシスコの急勾配の坂を利用して、まるでイリュージョンが起きたかのようなシーンがつづくビデオになっているのです。
 

このビデオをつくったのは、バイラルビデオに関するコンサルをしているKaren X.Cheng(以下、カレンさん)と、映画製作者のRoss Ching(以下、ロスさん)。ビデオ制作のきっかけは、ロスさんが、Dan Ng(以下、ダンさん)の撮ったサンフランシスコの傾いた写真を見たのがきっかけだったそう。

カレンさんたちは、撮影一週間前に町中の坂道を練り歩き、良いロケーションを探しだしたといいます。そして完成されたビデオは、たちまちニュースサイトで話題に。本来ならば、ただ上るのが辛いだけだった坂を、ちょっと視点を変えて遊び心を加えるだけで魅力へと変えることに成功したのです!

カレンさんは、今回の動画づくりを振り返って、こう語っています。

一番難しかったのは、動画に使った重力イリュージョンのアイデアでした。

良さそうなイリュージョンのアイデアを色々試してみたけど、上手くいかないものが多かったんです(風船は風で吹き飛ばされるし、水は上手くカメラに映ってくれないし、ムーンウォークは変な感じに映ってしまった)。お気に入りのイリュージョンは、振り子ですね!

3021777-slide-s-6-100-days-try-something-and-do-something
視点を変えて、サンフランシスコの急な坂をコンテンツにしたカレンさん

この動画の再生数はすでに100万回を超えていて、動画のコメント欄を見ると、「最高!」「チャンネル登録しました」「この動画見たら幸せになった」などが書き込まれていて、中々の好評価です。

私たちは、自分がいつも過ごす環境を当たり前と思ってしまったり、心に余裕が無いと周りの環境に注意を向けなくなりがちです。しかし少し意識を変えて、新しい視点からいつもの景色を眺めてみることで、これまで見過ごしてきた街の秘めたる価値を引き出すことができるかもしれません。

音楽も聴かず、スマホも見ないで、たまにはゆったりとした心でいつも通る道を眺めて、あなたの街に眠っているお宝を見つけてみませんか?

[via citylab, edcite, fastcompany]

(Text: 大矢崇人)