みなさんは、子どものころに「いつか空を飛んで、上から街を眺めてみたい」と思ったことはありませんか?
最近では飛行機の運賃も安くなりましたし、少し奮発してヘリコプターをチャーターすることもできるようになりました。しかし、まるでタケコプターのように、空を泳ぐように移動して街を眺めるには、まだまだ技術の発達が必要なようです。
そんななか、ロンドンでは2018年のオープンに向けて、まるで空中遊泳をするかのように楽しめるプールの開発が始まり話題になっています。
このプールは、ロンドンのテムズ川沿いにあるNine Elms地区で、2018年に完成予定のマンション「Embassy Garden」の10階に設置される予定です。「Embassy Garden」は住居の他にはジムや商業施設、屋上にはバーも設置される富裕層向けマンションなのだそう。
プールが設置される10階は地上35mに位置し、プールの長さは約27.4mで、高さは約2.7m、水の深さは約1.2m。2つの住居棟の間にまるで橋のように設置されるこのプールを実現させるために、厚さ20センチのガラスを始めとする、最新鋭の建築技術を注ぎ込んでいるのだとか。
「Embassy Garden」は多くの自然と、その中にある高級住居棟と商業施設で構成されるコミュニティエリアになるそう
プールの設計を手掛けるのは、大手エンジニアリング会社Arup Associatesと最新の水槽技術を誇るReynoldsの二社。彼らは、完全に透明なプールを目指して設計を進めているそうですが、実際の建築にあたっては水圧やビルの揺れなど、まだまだ乗り越えるべき課題もたくさんあるようです。
企画を担うアイルランドの会社、BallymoreのCEOであるSean Mulryanさんは、こう話します。
このプールは、建築とエンジニアリングにできる限界に挑戦したいという思いから生まれました。私たちは、これまで誰もやったことがないことを実現するという目標のもと、この計画を進めています。
このプールで泳ぐことは、きっと誰にとってもユニークな体験になるはず。まるで、ロンドン中心部の上空を漂っているような気分になれるプールをつくりたいですね。
最新の建築技術を注ぎこみ、建築とエンジニアリングの限界に挑戦しているというこのプール。技術コストがかかるため、多くの人々が楽しめるときがくるのは、もしかしたらまだまだ先のことかもしれません。
でも、「いつか空を自由に飛んで、自分の大好きな街を眺めてみたい」という夢を抱く人々が空中遊泳を楽しめる未来は、確実に一歩近づいているようです。
[via designboom, inhabitat, theguardian]
(Text: 並木香菜子)