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役目を終えて捨てられるはずだった花々を愛の力でリサイクル! 病院や老人ホームにをブーケ贈り届け、人々を笑顔にする「The Full Bloom」

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みなさんは花を見て気持ちが明るくなったり、思わず顔がほころんでしまった経験はありませんか? 私は道に咲くタンポポや、花屋さんで凛と咲く花を見るとうれしい気持ちになります。

花は、結婚式やパーティ、新しい店の開店イベントなど、お祝いの場になくてはならない存在。でも、みなさんはこのような楽しいひと時を彩った花々が、その後どうなるかと考えたことはありますか? 実は廃棄されてしまうことも多いのです。

結婚式やパーティを彩った、まだ役目を果たせる花々を有効活用したい! 今回は、そんな思いで活動している「The Full Bloom」をご紹介します。
 
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結婚式を終えて、寄付してもらう花を回収したばかりの状態。

「The Full Bloom」は、アメリカのアイダホ州を拠点に活動しているボランティア団体。彼らはウェディングプランナーや花屋さん、個人の花嫁さんなどからイベントが終わった後の、廃棄される予定の花を寄付してもらい、それらをアレンジして近隣の病院や老人ホームへ花を届ける活動をしています。

「The Full Bloom」を立ち上げたのは、アイダホ州でフラワーデザイナーとランドスケープデザイナーの資格を持つ、Shawn Chamberlain(以下、ショーンさん)。
 
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花を寄付しているホスピスの前に立つショーンさん。

ある日、アイダホ州のとある病院で庭の手入れをしていた、ショーンさん。その時、「女性患者が窓の前を通るのを見て彼女のためになにかしてあげたい」と思い、手に持っていた花で即興的にブーケをつくってプレゼントをしたのだそう。

ショーンさん自身も「とても晴れ晴れとした気持ちになった」と話すこの経験がきっかけで、まだ美しいのに廃棄されようとしている花を、必要としている人のところへ届ける新しいアイデアがひらめきました。
 
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イベントに華を添えるという最初の役目を終え、寄付されたブーケは一度すべてほどかれます。

Recycle The Love(愛をリサイクルしよう)

「愛をリサイクルしよう」。これは「The Full Bloom」の掲げているビジョンです。

このビジョンには、花を寄付する人の愛、「The Full Bloom」で活動している人の愛を花にのせてリサイクルするという思いが込められています。

「The Full Bloom」では、アレンジをして寄付をする花には「Thinking of you」というメッセージが添えるようにしているのだそう。

人生の伴侶を亡くしてしまってホスピスにひとりでいる人。
不治の病にかかってしまって死と向き合って生きている人。
そのような方々に「あなたを思っています」と伝わるように気持ちが込められているのです。
 
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アレンジを終えた花々。捨てられるはずだった花々は「The Full Bloom」の手によって、もう一度、生を受けたようにとても綺麗に咲いています。

北アイダホ州にあるホスピスの専務取締役、Kim Ransier(以下、キムさん)はこう話しています。

キムさん 「The Full Bloom」から届いた花を患者さんのところへ持っていくとき、とても会話がはずむんです。

ある患者さんのところへカーネーションを持っていったときは「まあ綺麗なカーネーション!私の結婚式でもカーネーションを飾ったのよ」ととても嬉しそうに話してくれました。

このように、「The Full Bloom」に寄付された花々は、患者さんを笑顔にし、日々の生活を美しくする手伝いをしている様子。

「The Full Bloom」はさらに活動を拡大すべく、花の寄付を呼びかけるだけでなく、こちらにてお金の寄付も募っています。そして、日々の活動はFacebookページで紹介中です。
 
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「The Full Bloom」から患者さんの元へ届けられたブーケ。

あるところではゴミになってしまうものも、あるところでは人を笑顔にするものになります。みなさんの身の回りにあるものの中にも、誰かを笑顔にできるものが有るかもしれません。この機会に、タンスの奥で眠っているものの有効活用を考えてみませんか?

[via GOOD]

(Text:高木遥)