みなさんは外を歩いているときに、道端でポイ捨てされたゴミを目にすることに気づくことはありませんか?
道路にポイ捨てされたゴミは、景観への悪影響はもちろんのこと、環境にとっても大きなマイナスです。なぜなら、中にはリサイクルして活用できるものもあるから。
そこで今回は、「貴重な資源が無駄にされ、ゴミになり続ける状況をどうにかしたい!」という思いで動き始めた、カリフォルニア在住のHeather Itzla(以下、ヘザーさん)の活動をご紹介します。ヘザーさんは、資源の無駄遣いを減らすよう訴えるために、”ゴミの写真家”になってしまったのです!
もっとプラスチックについて考えよう!
ヘザーさんの日課は、ペットの犬を散歩に連れて行くこと。そんなある日、彼女は辺り一面にポイ捨てされている、空き容器やペットボトルなどのプラスチックゴミが目に留まるようになったのだそう。
この状況に疑問を感じたヘザーさんは、身の回りにあふれているプラスチック容器が、人々にどのように扱われ、最後はどこに行きついているのかという事実を広めることを思いつきます。そこで、散歩の途中で見つけたプラスチックゴミを拾って家に持ち帰り、その写真をインターネットにアップするキャンペーン「There Is No Away」を始めたのです。
ヘザーさんが拾ったゴミの写真。家の周辺の道路や公園に捨てられていたそう。
ヘザーさんのように資源とゴミの問題に取り組む人たちにとっても、このようなプラスチックゴミの写真は衝撃的だったそう。実際、「私たちが思わず目を背けて捨てたくなるゴミの数々。日々、これだけのプラスチック資源が道端に行きつくのかと思うと、やりきれない」という声も届いたといいます。
現在では、地元の学校や自治体の力を借りながら、プラスチックゴミを実際に減らしていくためのキャンペーンもスタート。
たとえば、ファストフード店でテイクアウトしたときについてくる、ケチャップや使い捨てのナイフとフォークなどを、客から要望されていないのに渡すことを控える「Thanks for Nothing」や、飲食店で客から求められない限り、ストローを提供しないように促す「The Straw Project」を立ち上げています。
ヘザーさんの決意
アメリカにおけるゴミの廃棄量は、一日一人当たりおよそ2㎏。(出典元)ストローだけでも一日に5億本が使われ、それは、地球を2.5周できるるほどの廃棄量だと言われています。
ヘザーさんのキャンペーンがさらに進むことで、私たち消費者は不要なサービスを改めて振り返り、環境問題に目を向けるきっかけになるだけではなく、店側にとっても一部支出を軽減できるため、ランニングコストを下げることができそうです。
あまりに現状が酷いため、”見て見ぬふり”をして過ごしていた、少し前のことを懐かしく思うこともあります。ですが、見過ごすことのできないほど心無い数々の事実によって、私がいままで”どれだけ自分に都合よく世界を見てきたのか”ということに気付かされました。
現実を知ってしまった今、活動を続けていくことが、私の使命だと思っています。
と、ヘザーさんは改めて活動への決意を話しています。
自身が撮った写真の前に立つヘザーさん。
犬の散歩をきっかけに、”見て見ぬふり”だった環境問題と向き合い、ついには社会的活動にまで発展させたヘザーさん。その最初の一歩は、散歩のときにゴミを拾ってその写真をアップするという、とてもシンプルで簡単なことでした。
身近な問題を直視し、周囲と問題意識を共有していくことから、私たちの住みやすい社会はつくることができるのかもしれませんね。みなさんは”見て見ぬふり”をしていること、ありませんか?