みなさんは、普段、電車やバスを待っている間、何をしていますか?
きっと「早く電車やバスが来ないかな・・・」と願いながら、スマートフォンをいじったり、音楽を聴いたりしている方が多いのではないでしょうか。
greenz.jpでは以前にも、ボルチモアのアートなバス停など、世界のユニークなバス停を紹介してきましたが、今回は携帯や音楽プレイヤーを忘れても、バス停での待ち時間を楽しめるピッツバーグの取り組み「Pittsburgh’s Smallest Jazz Club」を紹介します。
このバス停は、人が来るとセンサーで感知し、地元のジャズコミュニティ「Manchester Craftsmen’s Guild Jazz」の過去の有名な演奏の一シーンが流れ始め、地元の有名なプレイヤーの演奏を聞くことができるという仕組みになっています。
バス停にプレイヤーの写真のポスターもあって、耳からだけではなく、視覚的にもジャズを感じることができます。
ジャズといえば、ニューヨークや、ニューオーリンズを思い浮かべるかもしれませんが、実はここピッツバーグも古くからジャズが盛んな街なのです。このジャズコミュニティは「ジャズという文化を守り、演奏し、広める」ことを目標として掲げており、このバス停のプロジェクトはその活動の一環となっています。
立ち寄った乗客も、突然始まる本格的なジャズ演奏に驚きつつも、楽しんでいる様子!
このプロジェクトの発案者である、Manchester Craftmen’s Guildのマーケティングマネージャー、Amy Kline(以下、エイミーさん)はこう語ります。
昨年の冬、いくつかのバス停で暖房設備を導入し始めたのを見た後に、パッと思いきました。バス停に暖房設備をつけられるのだったら、バス停で音楽を演奏することも可能ではないかと。
その後エイミーさんは、「Awesome Pittsburgh」の援助によって、そのアイデアを実現させたのです。
「Awesome Pittsburgh」のリーダー、Emily Keebrer(以下、エミリーさん)は、
このプロジェクトによって、ピッツバーグのジャズコミュニティの存在は大きくなり、この地域全体が文化的にも芸術的にも多様性を持つことができるだろうと考え、理事全員が満場一致で賛成しました。
とコメント。
これまでのところ、地域住民からも好評な反応が圧倒的に多く、バス乗客者はこの変化を楽しんでいるとのこと。
そして、古くからこの土地で盛んであり、親しまれてきた「ジャズ」という文化を、より地域全体の話題にするとともに、公共交通機関に関心を持つ人を増やし、自家用車の利用を控える人が減ることで、環境的にも良い影響を与える可能性を持っています。
ポスターを背景に写真を撮る人も!
残念ながら、現状、このプロジェクトは2015年の9月で終了予定だそうですが、クラインさんは「12月まで続けて、クリスマスなど時期に合わせて音楽を変えたり、新しいコンサートの音源を流したりしたい」と、新たな展開を構想している様子。
本来であれば憂鬱な電車やバスの待ち時間が、楽しい時間に変わるだけではでなく、自分の住む地域の文化に触れることもできるこのプロジェクト。
みなさんもいつもの電車のホームやバス停になにがあったら、ワクワクするか、考えてみませんか。もしかしたら意外と実現できちゃうかもしれませんよ!