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住民同士の協力で救える命がある。街中に設置されたAEDの場所を伝え、心肺停止の患者を救うアプリ「Pulse Point Respond」

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みなさんはスマートフォンにどんなアプリを入れていますか?

仕事に役立つ便利なツールから、趣味をもっと楽しむためのアプリ、暇つぶしのゲームに至るまで多種多様に楽しんでいる方は、きっと多いことでしょう。

appFiguresの最新レポートによれば、現在流通しているアプリの数は100万本を超し、アプリは持っている人の生活をより便利に、快適にしつつあります。

そんな中、アメリカはカリフォルニア州でつくられた、自分のためだけではなく人のためになるアプリ「Pulse Point Respond」が話題を呼んでいます。
 
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突然ですが、みなさんは上のマークを街中で見かけたことがありますか? これはAEDといって突然の心肺停止の患者に電気ショックを与えて心臓の動きを正常に保つための緊急医療装置です。

厚生労働省研究班の調べによると、日本には約29万7千台のAEDが市民向けに設置されている一方で、市民に目撃された心肺停止症例は2万3797件どまり。わずか3.7%のAEDしか利用されていないといいます。その背景には、AEDが設置されている場所がわからなかったこともあるそう。

人々にAEDが設置されている場所を伝え、少しでも多くの命を救いたい。「Pulse Point Respond」は、そんな思いで誕生したアプリです。

アプリをダウンロードすると、心肺蘇生が必要な患者が出たときに、その情報を近くの訓練を受けた人々にアラームで知らせ、自身の居場所と患者をつなげるための地図とナビを出してくれます。そして、近くに設置してあるAEDの場所も知らせ、より早く応急措置をすることができるのです。
 
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現在地に近い場所に設置されたAEDを検索することができます

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そして、AEDを設置した際は、自ら登録することも可能!

さらに、このアプリは緊急連絡センターとも連携していて、様々な緊急活動の動きを救護者がリアルタイムで把握することも可能。消防車や救急車がどこにいるのか、交通渋滞の状況などの情報を、アプリでチェックすることもできます。
 
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「Pulse Point」はカリフォルニアにあるNPO法人で、心肺蘇生の訓練を受けた人がその命を救うスキルを実際に活用してもらうためにこのアプリを開発しました。

アプリを発案した、元消防署長のRichard Price(以下、リチャードさん)はこう話します。

ある日、レストランで食事をしていたら、救急車のサイレンが聞こえてきました。すると、扉を挟んですぐ横で倒れていた人を搬送していったんです。

そのとき「もし私が患者が倒れている緊急事態に気づいていたら、すぐに応急処置ができたのに」という後悔が残りました。

どんなに近くにいて、どんなに必要とされていても、その価値や行動がみえないと人は動くことはできない。そこで私は、「救急患者の位置情報や緊急事態が一般市民にも伝わる仕組みが必要だ!」と思い、このアプリを発案したんです。

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TEDxLivermoreに登壇したときの、リチャードさん

SCA Foundationによると、アメリカの心肺停止による死亡は年間約32万5千人もいるといいます。突然の心肺停止は誰にでも起こりうることだからこそ、いざというときには人任せになる前に「近くにいる自分からできることをする」という意識が多くの命を救うことにつながるのではないでしょうか?

救急車のサイレンの音は日常の雑音と共に聞き流してしまいがちかもしれませんが、その先には困っている誰かがいるはず。

ここ日本でも、位置情報を起点にSOSを受発信してAEDを届ける仕組みをつくるアプリ「AED SOS」が、京都大学とCoaidoの共同研究により開発中だといいます。

みなさんもこの機会に、”お互いが協力し合える関係”の大切さを再確認してみませんか?
 

[via treehugger]
(Text: 大間千奈美)