皆さんは、ローカルフードやオーガニックフードをもっと手軽に食べられたらいいのに…と思うことはありませんか?「食には気を使いたいけど、食事はパパッと済ませたい!」なんて方も少なくないのかもしれません。
今回ご紹介する「Farmer’s Fridge」は、「ローカルフードやオーガニックフードをもっと身近にしたい!」という思いで生まれた、皆さんにも身近な自動販売機を使ったシカゴのプロジェクトです。
ファーストフード店が立ち並ぶフードコートの一角に置かれたFarmer’s Fridge。自動販売機の中には、ボトルに入った芸術的で色鮮やかなサラダやお惣菜がいっぱいに並べられています。
ファーストフード店が立ち並ぶフードコートの一角にあるのがFarmer’s Fridge
その魅力は何といっても、種類の豊富さと美味しさ、栄養価の高さ。高タンパク質サラダやデトックスサラダ、レモン豆腐やレモンペッパーチキン、ギリシャヨーグルト&ベリーなど、聞いているだけでもお腹が空いてしまうようなメニューばかり!
バリエーション豊かなサラダは、食材を重ねる順番にも工夫をこらしているため鮮度も落ちにくく、見た目も美しく仕上がっています。
気になる価格はサラダが8ドル、おかず類は4ドルと、少々お高め。毎日食べるとちょっとお財布に痛いですが、「食には気を使いたいけど、今日はお弁当をつくる余裕がないなあ」なんて日には、とても頼りになってくれるのではないでしょうか?
高タンパク質サラダ
免疫活性サラダ
ギリシャヨーグルト&ベリー
レモン豆腐
Farmer’s Fridgeのメニューは、ローカルフードやオーガニックフードがふんだんに使われ、すべて地元シカゴでつくられています。
毎朝シカゴのキッチンでつくられたこれらの料理は、10時になると販売が開始されます。そしてお昼の時間になると、シカゴのサラリーマンを中心に多くの人がサラダやお惣菜を購入していきます。午後1時の時点で半分以上が売れてしまい、在庫を追加する日もあるのだとか。
18時以降は1ドルずつ安くして販売します。それでも残ってしまった場合は、シカゴのフードバンクに寄付され、ホームレスのもとに送られるのだそう。食品ロスをなくし、地域に対しての貢献も忘れていないのが素敵ですね。
毎朝シカゴのキッチンで手づくり
10時に自動販売機の中に入れられていきます。
そして、環境にもいろいろと配慮しています。使われる容器は洗って何度も繰り返し使われ、付属の紙ナプキンは古紙を100パーセント使用し、ラベルも極力使わないように、容器にプリントをするなどの工夫がされています。
自動販売機の外装は地元の建設会社に頼んで、古い納屋の木材を利用。
現在Farmer’s Fridgeは地元シカゴのフードコートやセブンイレブン、ホテルのロビーに設置されており、ケータリングのサービスも行っています。
創設者であるLuke Saunders(以下、ルークさん)は、まず地元での認知を高めることに専念し、その後はアメリカのナショナルブランドとして広めていきたいと話します。
このプロジェクトの出発点は、「どうしてジャンクフードは簡単に手に入るのに、オーガニックフードは手にはいらないのだろう」という気付きでした。
わたしたちは、美味しく・楽しく・ヘルシーにということに魂を込めてつくっています。実際「これは人生で一番美味しいサラダだ!」と思えるクオリティにならない限り、自動販売機の中には入れていません。
とFarmer’s Fridgeのメニューに自信がある様子。
創設者のルークさん
手軽に、速く、美味しく、体にも地域にも環境にも優しい。
Farmer’s Fridgeはどれもあきらめることなく、食べることを楽しむことのできる自動販売機です。
このプロジェクトは、オーガニックフードやローカルフードが特別なものではなく、人々にとって身近な存在として受け入れられていくための第一歩となるかもしれません。
みなさんも「オーガニックフードやローカルフードを食べる」ということを食事の選択肢のひとつに入れてみませんか?
[via farmersfridge, huffington,chicagotribune, entrepreneur, food & wine, serious eats]
(企画 / text: 吉岡遥菜)