みなさんは「リアルタイムで動いている地球を見てみたい」と思ったことはありませんか?
今回は8月17日~20日に開催された、中高生が持続可能な社会について学び・考えるイベント「サマーセッション2014」の中から、初日に行われた基調講演のレポートを通じて、地球の現状を学び、未来について想像を巡らせてみたいと思います。
講師は、次世代のデジタル地球儀「触れる地球」を通じて、国連をはじめ世界中の人々に向けて環境の啓発活動を行っている、京都造形芸術大学の竹村真一教授です。「触れる地球」の詳細や、「人と科学技術のゆくえ」についてお話をしていただきました。
「触れる地球」は、リアルタイムでさまざまな地球上の動きを見ることができる世界初のデジタル地球儀で、実際に手で触れて操作します。世界中の時差や雲の様子がわかるほか、温暖化のシミュレーションや、東日本大震災で発生した津波が広がっていく様子を再現できる機能などもあります。
その説明の中で竹村先生は、台風が海の深層水にある栄養分を海全体に混ぜるという重要な役割を果たしていることを例に挙げ、「害しか与えていないような印象のある自然災害も、地球目線で考えると違う見方が現れる」ことを教えてくれました。
竹村先生が目指しているのは、この「触れる地球」がどの学校にも1つの教室に1つあり、子供たちが手で動かして勉強できる環境をつくることだといいます。
どれも興味深い内容でしたが、一番驚いたことは、「人間は未熟であり、世界はまだ革命できる」ということでした。環境を考えた技術を発展させていくことで、人類は自然と協調していき、まだまだ成長できるという点が、とても心に残りました。
今回の講義を通じて、「これからの社会では地球規模で考えることが必要」ということを学びました。
「地球規模で考える」という考えが浸透していけば、環境問題だけではなく、政治・経済、あらゆる分野においても地球規模で考えていける人が増えていくと思います。
そして、そのような人が増えていけば、「国ごとの主張を通す」というような狭い考え方だけに捉われなくなり、みんなが一つの同じ考え方にまとまる可能性もあります。その先に、平和な未来が待っているのではないでしょうか。
触れる地球は、大手町3×3 Labo内「触れる地球ミュージアム」などにも展示されています。みなさんも触れる地球を触って、地球環境に関心を持ってみませんか?