みなさんは野菜と一緒に魚も育てる「アクアポニックファーム」という言葉を聞いたことがありますか?
グリーンズでも以前ベルリンの事例をご紹介しましたが、野菜の水耕栽培と魚の養殖を統合させたシステムのことで、都市型農園のひとつの形として世界で広がっているようです。
そこで今回は、廃工場をリノベーションして生まれた、シカゴのアクアポニックファーム「the PLANT」をご紹介します!
「the PLANT」のユニークなところは、さまざまな資源をつなげるエコな仕組み。野菜と魚だけでなく、キノコを育てたりビールを醸造することで、二酸化炭素や酸素、残り物やアンモニアまで、無駄なく循環します。
また、コミュニティと連携し、近所のレストランで出た食料廃棄物を集め、消化装置と呼ばれるもので処理します。そこから発生したバイオガスでタービンを回して自家発電し、そのエネルギーで農園に必要な電気や熱をまかないます。
他にもキッチンスペースの運営を地元のスタートアップと協業したり、食育や環境教育のイベントを開催。ひとつの建物で、ローカルな食、エネルギー、ビジネス、まちづくりなど、さまざまなテーマに触れることができるソーシャルデザインの拠点となっているのです!
タービンを取り付け中のジョンさんとデイビッドさん
この施設を手がけているジョンさんはこう語ります。
この食と農の相互的なシステムに関わることで、地域の企業やボランティアの人たちと社会的、環境的責任をともに果たしながら、一緒に成長していくことができます。将来的には、ここで得た知識を国や地域に提供していきたいですね。
資源の循環だけでなく、地域の循環も実現させるアクアポニックファーム。あなたの街でもぜひつくってみませんか?
[via fastcoexist、the PLANT、KICK STARTER、flickr]
(Text: 松尾沙織)