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人との出会い、繋がり、子供の存在。20代、30代、60代が振り返った人生で大切にしてきたものとは green drinks調布 vol.5 [イベントレポート]

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皆さんは、”一度きりの出会い”を信じますか?そのときはお互いに「どうも」で終わっていても、もしかしたらその1年後、5年後、いや10年後に思わぬ形で再会するかもしれない。そう考えると、毎日の人との出会いを大切にしたくなりますよね。

2014年1月からlive bar「さくらんぼ」にて様々な出会いを生んできたグリーンドリンクス調布も、今回で5回目。ゲストには迎えたのは、ハッピネスアーキテクト代表の藤本太一さん、カポエリスタの須田竜太さん、そして「さくらんぼ」店主の岡田澄雄さんの3名です。

藤本さんが”人との繋がり”の可能性を伝え、須田さんがカポエィラを踊り、岡田さんがトロンボーンを生演奏し、最後にはみんなでおいしいトルティーヤをいただきながらの交流会。そんな色とりどりのアクティビティが行われた回でした。

競争ではなく、コラボレートする社会を

大学卒業後にイギリスの大学院に留学し、5年間の生活を経て去年末に帰国した藤本さんは、グリーンズでは「ホームレス社長」として過去に取り上げたことのある方。この経験から”人との繋がり”に価値を感じ、現在は「ハッピネスアーキテクト」として様々なコラボレーションをデザインしています。
 
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藤本さん

そんな藤本さんがトークで紹介していたのが、イギリスの代表的なコメディグループ「モンティ・パイソン」による動画「Bicycle Repairman」(自転車修理マン)。全ての国民がスーパーマンになった世界が、この3分ほどの映像に収められています。

藤本さん みんなが能力の差を埋めようとすると、みんながスーパーマンになる。でも、この競争の先には何があるんでしょうか?そうするよりも、それぞれの強みを活かしてコラボレーションをした方がハッピネスが生まれるはず。

「世界で挑戦したい」という想いで渡英した藤本さんは、起業の資金を貯めるために、家を捨てホームレスになることを決意。「150日間で500人のチェンジメーカーに会う」という企画を思いつき、その過程で様々な人々の家に泊めてもらい、話を聞き、コラボレートするなかで”人との繋がり”の価値を痛感します。

東京には日本各地から人が集まってきますが、ロンドンは世界各地からです。白旗をあげるような、本当にすごい人がたくさんいるんです。この感覚が振り切れると「勝ちたい!」という気持ちから「この人とこの人を繋げたら面白そう!」という発想にかわる。やりたいと思ったことが友達の力でできたことが何度もありました。

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時々笑い話も入れつつ楽しみながら話す藤本さんのトークに、会場が賑やかになった瞬間

現在は、パリ発の社会起業家支援コミュ二ティ「MakeSense」の日本版立ち上げ、ビジョンを形にするためのセルフブランディングの学校「はったりすくーる」や日本初の早朝フェス「Morning Gloryville Tokyo」の開催など、ハッピネスをつくり続ける藤本さんの活動に、今後も目が離せません。

カポエィラは格闘技、ダンス、生きる為に必要な哲学

19歳の頃にカポエィラに出会い、その後本場ブラジルへ何度も渡り、今ではカポエィラ教室「カポエィラ・テンポ」の日本支部代表を務めている須田さん。その活動の幅は、本業の生徒指導からテレビ・CM出演、雑誌の取材まで幅広く、日本でのカポエィラ普及に大きく貢献されている方のひとりです。
 
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須田さん

ブラジルから無理やり連れてこられた奴隷が、心を自由にするためにダンスをごまかしながら練習していた格闘技(護身術)、カポエィラ。踊るように舞う独特の円運動が特徴的で、そのスタイルがストリートダンス、最近ではフィットネスにも取り入れられ、女性からも注目を浴びている伝統芸です。

トーク前には10分ほどのパフォーマンスが行われ、「カポエィラってなに?」という疑問も忘れてしまうほどの迫力を参加者が体感しました。その後、須田さんのお話に。
 
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オーガナイザーでもある川田怜さんと行った即興パフォーマンス。限られたスペースだったのか「本当はこんなもんじゃないんですよ」という言葉も。それでも迫力満点でした

須田さん カポエィラをひとつのジャンルに当てはめるのは難しいです。その人によって、それは格闘技であり、ダンスであり、生き方であり、ときには宗教的な意味さえも持ちます。わかりづらい説明であることはわかっていますが、カポエィラはカポエィラなんです。

「学校の体育は評価2だった」と自身の子供の頃の身体への劣等感を語る須田さんは、当初はカポエィラにおいて自分の中で基準をつくり、勝ち負けにこだわっていたそう。でも、2児の父となった今、この意識が変わってきているとか。

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須田さん 1歳10ヵ月の長男をブラジルに連れていったとき、私が現地でケガをしてしまい最終的に予定していたカポエィラに参加できなかったことがありました。でもそのとき、息子がやっていて。それを見て「息子がやってくれるなら、自分はどうなってもいい」と感じ、受け継ぎの意識も高まって「生徒になら負けてもいい」と考えるようになりました。

カポエィラに関わって今年で17年目を迎える須田さんの意識をここまで変えた、子供の存在。

”哲学”の魅力。普段の暮らしの上で大切になる「考え方」を、カポエィラが教えてくれます。須田さんがこの経験をきっかけに、これからどのように日本でカポエィラの魅力を伝えていくのか、注目です。

トロンボーン奏者からBARの経営者に

今回のグリーンドリンクスに特別な意味を添えてくれたのは、「さくらんぼ」店主の岡田さん。レコードが何百万枚と売れていた時代からトロンボーンに出会った話まで、今年で67歳になった岡田さんの話す内容はどれも新鮮で、不思議となつかしい気持ちさえ持つほどでした。
 
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会場の「さくらんぼ」のマスターであり、トロンボーン奏者の岡田さん

岡田さんの全盛期の活躍ぶりが感じられたのが「当時のヒット曲のバックで流れているトロンボーンは、ほとんど私」という言葉。これをふまえてその後に聴いた岡田さんの生演奏は格別で、賑やかだったその場の雰囲気が一変。岡田さんの持つ楽器とそれが奏でる音色に、みんなの視線と感覚が集まりました。
 
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思い入れのある曲『How Do You Keep the Music Playing?』を演奏する岡田さん

トロンボーンとの出会いも、つぶれそうになっている「さくらんぼ」を即決で「おれがやるよ」と決めたときも、常に自分の直感を大切にしてきたそう。そんな岡田さんが大切にしているのが、人との出会い。

岡田さん 人と出会うときは、誠心誠意を持って接することが大切。そのときは一度だと思っていても、どこかで時がきて、また出会うかもしれない。「さくらんぼ」での開催は今回で最後ですが、主催の薩川さんとはまたどこかで一緒に何かできるかもしれません。

そう、実は「さくらんぼ」での開催は今回で一区切り。次回からは新天地(お楽しみに!)で開催されるグリーンドリンクス調布が岡田さんをゲストとして呼んだ理由は、これだったのです。

飛び込みでの「貸してください!」という薩川さんの言葉から始まった、岡田さんとのご縁。そんな想い出話もしつつ、最後に岡田さんが話されたこの言葉がとても重みのあるものでした。
 
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岡田さん 参加者のみなさんは、まだ20代か30代でしょう。だから”20年間”という期間を長いと感じるかもしれません。でも、60年間生きてきた私にとっての20年は、あっという間です。だから、毎日毎日の出会いをこれからも大切にしてください。

トルティーヤ片手にグリーンな飲み会!

いよいよ始まった一番の楽しみである恒例の交流会!今夜のテーブルに並んだのは、アボカドやマンゴー、グリーンピース、トマトなどを使った色鮮やかなトルティーヤ。作り手は、フルオーダーメイドのお菓子屋さん「the sugar addict」を運営するヤマシタジュンコさん。
 
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右下の鶏肉ペーストは5時間かけて煮込みました!

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みずみずしいトマトのサラダ

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料理の説明をするヤマシタジュンコさん

片手にトルティーヤ、片手にビールやジンジャエールを持ちながらの交流会は相変わらずの盛り上がりで、19:30終了予定だったイベントが20時になっても半分以上の人たちが残っている状況でした。
 
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ここで生まれた出会いがどこかで花咲き、いつか「調布での出会いがきっかけだったよね」なんて想い出話が1年後、5年後にどこかで生まれているのかもしれません。
 
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ゲストも来場者も一緒に楽しいひとときを

次回の開催は、6月15日(日)。ゲストに「Happy Outdoor Wedding」の柿原優紀さん、チームコブラ代表/調布市市民活動支援センター長の朝日敏幸さん、DJ/トラックメーカーのKAZUHIRO ABOさん、そしてgd調布のカメラマンの松本茜さんによる調布の風景の写真展示を行います。

そうそう。開催される”新天地”は、調布に新しく生まれるコワーキングスペース「co-ba CHOFU」です。実はグリーンドリンクス調布vol.1で登壇いただいたツクルバの中村さんとのお話で主催の薩川さんが運営を行う事に!ご縁ですね。

そんな繋がりを大切にする場green drinks chofuは、できたてほやほやの場で、また皆さんをお待ちしております!
 
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こんなメンバーでグリーンドリンクス調布は運営してます!

(Text: 江里祥和 / 「PENGINE」)