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あの時、自分は何をつぶやいていたのか。「Tweets3.11」で震災当時のことを振り返り、次へ進むきっかけに

photoお二人が持っているパネルは震災後当時使われていたもの

明日は3月11日。東北で震災が起きた日から3年が経過します。「もう3年」なのか、「まだ3年」なのか。同じ3年という月日の経過をどう感じているのかは、人によって異なります。

震災直後のことをずっと覚えていようというのはとても難しいこと。ただ、きっと2011年3月11日の頃、みなさん色々なことを考えていたはず。そのとき考えていたことを、3月11日という日だけでも振り返ってみたら、何か発見があるかもしれません。

3.11当時の自分の様子を振り返ることができるようにと、ウェブサイト「Tweets3.11」は生まれました。

あのときのつぶやきを振り返る「Tweets3.11」

Tweets3.11

「Tweets3.11」は、東日本大震災が発生した、2011年3月11日金曜日、午後2時46分。その時自分がツイッターで何をつぶやいていたのか?ツイッターのアカウントを同期することで、地震発生時刻の14:46のひとつ前のツイートと、その後1週間のツイートを表示してくれます。

今回、「Tweets3.11」を作った経緯について、助けあいジャパンの野田祐機さんとnD inc.デザイナーの中原寛法さんにお話を伺いました。

中原さん中原寛法さん

中原さん:以前から、時折当時のツイートを見直していました。昨年末に少し時間があったので、何か作ろうかと考えたときに、もうすぐ震災で3年が経過することもあり、他の人も当時のことを振り返ることができるようにと、Tweets3.11を作ることにしました。

元々、助けあいジャパンの情報レンジャーとしてサイト運営のお手伝いしていた中原さん。今回のアイデアを思いついた際、助けあいジャパンに話を持っていったそうです。

野田さん:それで中原さんからメールが来て。最初はリンクを貼るだけという話しだったんですけど、ちゃんとコンテンツにしてやっていんじゃないという話になって。

中原さん:現在、実施されている「きっかけバス47」という活動と助けあいジャパン本体への導線が貼れると、当時のことを思い出してもらって、実際アクションしてもらえるのでいいかなと。

助けあいジャパンの活動は、こうした個人の持ち込み企画から広がるものも多いんだとか。

インターネットのポジティブな力

お二人が当時のことを振り返って、最初に出てきたのは「この時のツイッターはすごかった」という話でした。

中原さん:震災直後の頃は、インターネットを通じて友人同士で安否確認を実施したり、「無事.me」というサイトを運営していました。「無事.me」には、色んな人から友人の安否を心配するメッセージが届いていたんです。誰が運営しているのか明らかじゃないサイトに対して、いつもならそんなことは起きませんよね。

野田さん:あのときはインターネットってすごいな、と思いましたね。ツイッターがライフライン、情報源になっていて、「一人じゃできないから」と助けを募集すると、あっという間に人手が集まりました。ツイートして、募集したら色々なことが実現できたんです。人のつながりを生み出す力の凄さを感じましたね、まるで善意がつながっていくような感じ。

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中原さん:そうなんですよね。当時、これだけポジティブなエネルギーを生み出せる「インターネットの仕事をしていてよかった」と自分が感じていたことを、ツイートを読み返して思い出せました。

このように、当時自分が感じたことを再確認する以外にも、「Tweets3.11」を作る意味があるといいます。

「3年」はひとつの区切り

それは、震災から3年が経過する今年はひとつの区切りの年であるということ。この先はこれまでとは違った視点での活動が必要になると野田さんは考えています。

野田さん:震災から3年が経過しますが、今だに約27万人の方が仮設で暮らしている現状はショックですね。「3年でこれだけしか進まないのか」と感じています。本当はもっと変わっていてほしかった。

実は復興はまだまだこれからなんですが、以前と同じような大きな負荷をかけ高いテンションで活動を継続するのは難しいと思います。でも、少しだけ関わり続けることはできるのではと考えています。

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野田祐機さん

震災が風化してしまっていることをポジティブに捉えるなら、「忘れられるところまでは来た」と野田さんは語ります。これまでの3年でマイナスをゼロに、これからはゼロからプラスへと転じるタイミング、とそう考えているそうです。

野田さん:これまでとメッセージの内容は変えていきたいですね。これまでとは全く違うイメージで伝えていきたい。東北から何か面白いニュースや楽しい話題が届けられればと思っています。それが現地の人からすると、まだ忘れられていないという嬉しさにつながるのではと思います。

これまでの3年間はネガティブなイメージの情報発信が中心だったところを、変えていく。ポジティブな情報発信を増やすこと、そして求めているアクションを具体的にすることも必要になってきます。

中原さん:「復興が進んでない」というだけの情報発信はダメですよね。それでは受け手は自分が何をしたらいいのかがわからない 。

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野田さん:この3年の間、復興に関わる団体も減ってきました。3年目からも継続して情報を発信してくことはとても必要なことなんです。情報発信は助けあいジャパンとして、さらにやっていきたいことのひとつですね。

みんなでもう一歩だけ前へ

震災から3年が経過し、これから先私たちは東北とどのように関わっていったらいいのでしょうか。

野田さん:がっつりと東北に関わることが難しいという人は多いと思います。けれど、ちょっとずつ支えていくことはできるのではないでしょうか。 少しだけ負荷をかけて、みんなでもう一歩だけ前へ進むように。

「Tweets3.11」は多くの人にとって関わりやすいアクションとなっています。当時のツイートを振り返ると、以下のようなメッセージが表示されます。

私たちは、「それ以前」と「それ以後」とで変わったでしょうか。
日々の暮らしの中で心が動くこと。考えること。選ぶこと。
マスメディアやソーシャルメディアとの接し方…
その変化は、私たちの中で続いているでしょうか。

忘れないでください。

避難生活を続けるひとへ、復興を目指している事業へ、
新しくなろうとしている町やコミュニティへ、
ちからを送ってください。

野田さんが言うように、大きな負荷をかける活動は継続が難しいことです。けれど、少しの荷を多くの人で負担できれば、これからも東北のために何かを続けていけるはず。

あのとき自分はどう感じ、何を思っていたのか。それを「Tweets3.11」で振り返ってみてはいかがでしょうか。