greenz.jpの連載「暮らしの変人」をともにつくりませんか→

greenz people ロゴ

使い方で変化する都会のカメレオン!ベトナム・ハノイに現れた”移動式コミュニティーセンター”

Tadioto-bike-structure-Bureau-A-1.jpeg.662x0_q100_crop-scale

みなさんの地元には、お気に入りの場所はありますか?

散歩する人を見ながら日向ぼっこする土手。公園の芝生の広場。いい風が通る大きな木の下。何か食べるもの持ってくれば良かった。ふと読書したくなってきた。お酒を飲むのにいい雰囲気だな…。そう思ったときにその場に、食堂や図書館、バーの機能が、向こうからやって来てくれたら嬉しいですよね。

今日はそんな思いを叶えてくれそうな、素敵な”発明”を紹介します。
 
Tadioto-bike-structure-Bureau-A-4

これはベトナム・ハノイにオフィスを持つ、スイス人の建築家グループ「BUREAU A」が作った乗り物「Ta đi Ôtô」です。屋根付きの枠に自転車がついています。

枠の中に、板を置き、その上に料理道具や食材を載せたらあっという間に食堂やバーに。椅子と本棚を載せれば図書館に。その他にも、側面に黒板をつければ教室に、上の方に昇って立てばステージにもなります。

小さいけれども、人々の集まれる場と機能を提供するまさに”移動式コミュニティーセンター”。ほしいと思ったときにすぐ、場所を作れるスピード感がなんとも魅力的です。
 

この「Ta đi Ôtô」は、ベトナムでたくさん走っている人力車のパーツを替えて作ったもの。設計をした、Bureau Aのメンバーはこう言います。

ハノイでは、コーヒーのミルクまで、なにもかもが高密な場所だ。人々はなんでも使い、思わぬ方法でモノに別の命を吹き込む。全てのものが、休むことなく新しい機能に生まれ変わる。ハノイでは、美術館とは違った方法で、モノに永遠の命を与えるんだ。

ただおもしろいモノを作っただけでなく、ハノイの文化への理解や、共感の上でつくられているということがわかります。街にもともとあったかのように溶け込んでいるからこそ、その土地の人に愛され、普段の暮らしの一部として使ってもらえるようになるんですね。
 
Tadioto-bike-structure-Bureau-A-5

その場に応じて瞬時に対応できる移動式は、ニーズが多様化し、素早いサービスが求められている現代において多くの可能性がありそうです。移動式×○○で、Ta đi Ôtôに負けない素敵なものを作ってみませんか?

(Text:小貫 友里)

[via treehungger]