連載でお届けしているカンヌ2013のソーシャルグッドな受賞作、今日はブラジルからの受賞作をお届けします。
ブラジルの人たちが熱狂する、リオのカーニバル。盛り上がるとついつい増えてしまうのがお酒の量ですよね。そして増えるのが交通事故。通常の時期よりも50%も増える死亡事故には、飲酒運転も大きく関わっています。
リオのカーニバルのスポンサーであり、ビールのブランドである「Antarctica」としては、お酒が悪者にされるのはとても悲しい。そこで、飲酒運転を減らすべく、思い切ったアクションを実行しました。
飲酒運転を減らすためには、お酒を飲む人に、公共交通機関を使ってもらうようにすればいい。そのために考えられたのが、切符ではなく、ビール缶で通過できる地下鉄の改札でした。ビールを楽しんだあと、その空き缶を持っていけばタダで地下鉄に乗って帰れるようにしたのです。
ビールは飲んでもらえるは、飲酒運転は減るはの、一石二鳥のアイデア。缶をスキャンする改札をつくるという手間をかけたかいがあり、なんと1時間に1000人もの人がこの「缶ビール改札」を利用。他の改札よりも86%も利用者が多かったそうです。さらに、改札を通ったあとに回収された150キロにも及ぶ空き缶は、リサイクルをするNGO団体に寄付されました。
カーニバルとお酒を楽しんで、安全に家に帰りましょう。ビールブランドとしてのポジティブな提案は、お酒を楽しむ人はもちろん、安全な道を求めるたくさんの人の共感を集めたことでしょう。ただ禁止するだけじゃ、お祭り気分に水を差しますからね。
カンヌライオンズ受賞作の連載はまだまだ続きます!引き続きお楽しみに。
(翻訳協力:モリジュンヤ)